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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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あなたはひとりぼっちじゃない [アダム・ヘイズリット]
4105900390あなたはひとりぼっちじゃない 新潮クレストブックス
アダム・ヘイズリット 古屋 美登里
新潮社 2004-05-25

精神の病を抱えた、突拍子もない父との越えがたい断絶。恋に恋し、もどかしくも切ない童貞喪失を迎える少年。愛する兄の死を予知したように感じ、その兆しに怯える弟…。知らず知らずに異端者となりながらも、人と人との間に横たわる溝を、なんとか埋めようとひそかにあがき、苦悩する人々を柔らかな声で描く全9篇。全米図書賞、ピュリッツァ賞最終候補。

図書館の書架でふと目に飛び込んできたこのタイトルに、思わず手を伸ばし借りてきてしまった私は、疲れているのでしょうか。いや、でも大好きな新潮社クレストブックスシリーズだし…ごにょごにょ。

ちょっとあわただしくて…感想は後回し…。(後で覚えてるのかとても不安)。
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巡礼者たち [エリザベス・ギルバート]
4105900072巡礼者たち
エリザベス ギルバート  岩本 正恵
新潮社 1999-02

短編集です。

ずーっと読みたくていたのですが、表紙が雪景色なので、寒くなるまで待とう…と思い、今日まで待っていました。
(でも結局冬になる前に読んでいる私。中途半端…。)

どんな本なの?と聞かれると、説明するのが難しい感じです。舞台も、主人公も、語られる内容も様々な物語たち。世界のどこかにいる、普通の人々の話。本としては普通の厚さなのですが、一編一編がすごくしっかりしていて、すごくインパクトがあるわけではないけれど、心に残るお話たちで。じっくり読んでいたら思ったより時間がかかりました。そんなことすら心地よく感じたり…。

ちなみに中でも好きだったのは「デニー・ブラウン(十五歳)の知らなかったこと」と「華麗なる奇術師」と「最高の妻」です。なんというか…いいのです。何がいいっていうかわかんないんですけど、いいのです。胸がいっぱいになります。

以下、忘備録。
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「巡礼者たち」
牧場に雇われたマーサと、バックが山の中で過ごした夜。

「エルクの言葉」
甥であるベニーと一緒に暮らすジーンの家に、ハロウィンの夜にやってきた客。

「東へ向かうアリス」
トラックが故障して立ち往生する兄妹をひろったロイ。

「撃たれた鳥」
鳩撃ちに友人の子どもを連れてくりだしたガスハウス。

「トール・フォークス」
道をはさんだ二軒の酒場をめぐる物語。

「着地」
ジュリーがサンフランシスコで三ヶ月暮らした間に出会った男。

「あのばかな子たちを捕まえろ」
大きな屋敷に暮らす二組の若者たちの物語。

「デニー・ブラウン(十五歳)の知らなかったこと」
突然できた親友とガールフレンドに戸惑うデニーの物語。

「花の名前と女の子の名前」
画家だった祖父の描いた絵「バベット」と祖父の思い出。

「ブロンクス中央青果市場にて」
腰を痛めて療養中にある決心をしたジミーの物語。

「華麗なる奇術師」
奇術師エースと、その雇い主の親子・ホフマンとエスターの物語。

「最高の妻」
幼稚園バスの運転手を務めるローズの物語。
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ペンギンの憂鬱 [アンドレイ・クルコフ]
4105900412ペンギンの憂鬱
アンドレイ・クルコフ 沼野 恭子
新潮社 2004-09-29

ヴィクトルは、動物園からひきとったペンギンと暮らす売れない小説家。ある日、まだ生きている大物政治家や財界人や軍人たちの「追悼記事」をあらかじめ書くという仕事を請け負いますが…。

すごく静かで、淡々としていて、怖かったりおもしろかったり、切なくなったり…なんだか不思議な物語でした。すごく引き込まれました。

何がなんだかわからないまま、何かに巻き込まれてしまったらしいヴィクトルとペンギンのミーシャ。そして小さなソーニャ。いったい何に巻き込まれたのか、これからどうなってしまうのか、主人公といっしょに不安になりました。特に行動的なわけではなく、どちらかというとぼんやりな彼。不安になったり楽観的になったり、ふわふわと移り変わる彼の気持ちを、読みながら自分がトレースしているような、そんな感じがしました。

そしてこの物語で、そういった謎は最後まで謎のままです。その不条理さが、なんだかすごくリアルでした。ひと言もしゃべらない(当然ですけど)ペンギンが、それでもなんだかすごく象徴的でした。ラストもなかなかずしっときます。

ちなみに舞台はウクライナなのですが、ウクライナの人はお酒を飲んでばかりいるのかしら…??とか、関係ない印象まで持ってしまいました。でもまったく知らない遠い寒い国の物語。それだけですごく興味深かったです。

読んでおもしろい!とか、爽快!とか、そういうタイプの話ではありませんが、秋の夜長に、じっくり静かに読むにはとてもオススメです。
この、新潮社新潮クレスト・ブックスのシリーズは今のところハズレなし…!

【追記】
よみながら、なんとなく村上春樹さんの世界っぽいなぁ…と思っていたのですが、あとがきで「作者は村上春樹好き」ということが書いてあり、「私すごい!」と思いました。(別にすごくないですか?!)。村上春樹は理解できないのに、春樹チックな作品への嗅覚はあるのか…。うーむ(笑)。
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その名にちなんで [ジュンパ・ラヒリ]
4105900404その名にちなんで
ジュンパ・ラヒリ 小川 高義
新潮社 2004-07-31

インドからアメリカに移り住んだ夫婦。生まれた子供に彼らがつけた名前は「ゴーゴリ」。父にとって運命的な意味を持つ本の作者にちなんで、思いをこめてつけられたその名前ですが、成長するにしたがって彼は、その名について思い悩むようになり…。

静かに淡々と語られる、壮大な、でも普遍的な、家族の物語です。物語の語り部が、夫婦からその子供たちに受け継がれていく。その語り口はずっと現在形で、長い長い短編を読んでいるような気分になりました。あまりにも長い時間の流れる物語でした。静かだけれど、重い、その重さに圧倒されました。

新しく生まれる命、そして消えていく命。成長していく「ゴーゴリ」の、家族に対する複雑な思いや、自分自身というものについての悩みが、国は違えど同じだなぁと、しんみり思いました。同じなだけに時に歯がゆく、時に心に痛かったです。

読み始めたときは、「またアメリカに住むインドの人の話か…。作家さん自身がそうなんだって言うけど、だからって毎回同じ設定っていうのも…。」とか思っていたのですが、でもやはりその設定・視点から語られるからこそ、彼女の書く物語の世界はこんな風にしんと静まり返った、深い世界になるのかなぁとも思いました。移民として、異分子であることを常に意識して、生きなければならない人々。それゆえの不安や困惑や、そういう感情を味わったことは私はないけれど、そういう「哀しみ」みたいのがこの物語の根底を常に流れているのだと思います。
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停電の夜に [ジュンパ・ラヒリ]
4105900196停電の夜に
ジュンパ ラヒリ Jhumpa Lahiri 小川 高義
新潮社 2000-08

大きな事件が起こるわけでもなく、トラマチックな展開があるわけでもなく、ただしんしんと、静かに、人の営みが語られる、そんな短編集です。必ずしも後味のよい終わり方ばかりではないですが、そのほろ苦さも含め、ゆったり味わえる物語たちでした。一気に読むのではなく、大切にじっくりと読みました。

人が人といっしょに過ごすときに、避けては通れない暗さ。普段は見ないようにしているのに、でもふとした瞬間にそこに開いている落とし穴みたいな感情。そして、理屈ではなく人が人を思う気持ち。祈り。清濁併せ持つ、そういう心の機微みたいなものが、ものすごくリアルで、こういうのを言葉で表現するのってすごく大変なんじゃないかなぁと思うのですが、それこそがまさにこの小説の世界なのです。すごいなぁ…。

作者さんがインド系のアメリカ人ということもあるのでしょうが、作品の中にインドがやたらと出てきます。そして「遠くを思う」という気持ちが全編に流れているように感じました。地理的な距離も、心の距離も、遠くを思う気持ち。島国育ちの自分にはわからないいろんな感情があるのかなぁと思ってみたりしました。

ちなみに、私はインドにまったくなじみがないので、食べ物の記述がおいしそうなのかなんなのかよくわからなかったのがちょっと残念でした。でもこの本の装幀は好き…。そして英語が読めるものならば原文で読んでみたかったです。
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