| 巡礼者たち エリザベス ギルバート 岩本 正恵 新潮社 1999-02 |
短編集です。
ずーっと読みたくていたのですが、表紙が雪景色なので、寒くなるまで待とう…と思い、今日まで待っていました。
(でも結局冬になる前に読んでいる私。中途半端…。)
どんな本なの?と聞かれると、説明するのが難しい感じです。舞台も、主人公も、語られる内容も様々な物語たち。世界のどこかにいる、普通の人々の話。本としては普通の厚さなのですが、一編一編がすごくしっかりしていて、すごくインパクトがあるわけではないけれど、心に残るお話たちで。じっくり読んでいたら思ったより時間がかかりました。そんなことすら心地よく感じたり…。
ちなみに中でも好きだったのは「デニー・ブラウン(十五歳)の知らなかったこと」と「華麗なる奇術師」と「最高の妻」です。なんというか…いいのです。何がいいっていうかわかんないんですけど、いいのです。胸がいっぱいになります。
以下、忘備録。
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「巡礼者たち」
牧場に雇われたマーサと、バックが山の中で過ごした夜。
「エルクの言葉」
甥であるベニーと一緒に暮らすジーンの家に、ハロウィンの夜にやってきた客。
「東へ向かうアリス」
トラックが故障して立ち往生する兄妹をひろったロイ。
「撃たれた鳥」
鳩撃ちに友人の子どもを連れてくりだしたガスハウス。
「トール・フォークス」
道をはさんだ二軒の酒場をめぐる物語。
「着地」
ジュリーがサンフランシスコで三ヶ月暮らした間に出会った男。
「あのばかな子たちを捕まえろ」
大きな屋敷に暮らす二組の若者たちの物語。
「デニー・ブラウン(十五歳)の知らなかったこと」
突然できた親友とガールフレンドに戸惑うデニーの物語。
「花の名前と女の子の名前」
画家だった祖父の描いた絵「バベット」と祖父の思い出。
「ブロンクス中央青果市場にて」
腰を痛めて療養中にある決心をしたジミーの物語。
「華麗なる奇術師」
奇術師エースと、その雇い主の親子・ホフマンとエスターの物語。
「最高の妻」
幼稚園バスの運転手を務めるローズの物語。