ある日大学で出会った僕と彼女。二人が語る、二人の恋の物語、です。
途中で、「ん?同じ設定の話をどこかで読んだような…」と思い、でもカンチガイかも…(記憶力に自信ない)、と読み進めたところ、やっぱりどんどん知ってる話になっていく!どこで読んだんだ〜、どれだっけ〜、なんかのアンソロジーだったような…あれの…伊坂さん?または市川拓司さん?…え?でもそれって盗作?!
ってはらはらした私はバカでございます。はい。アンソロジーに収録されてた作品…ってのはあってました。元になっているのは『
I LOVE YOU』に収録されていた「突き抜けろ」です。書かれているのは…中村航さんご本人です。ノープロブレムです。プロブレムなのはそう、私の記憶力…。確かにこのアンソロジー、伊坂さんの作品も市川さんの作品も載ってるけどさぁ…どうよ。
というわけでそんな作品ですが、私は「若いなぁ…」といういやに年寄りな目線で読んでしまいました。(だってなんか表紙が若いんですもの…ハートが!)。主役の二人の恋よりも、脇役の坂本くんの恋の方が妙にツボにはまる始末だし…。あはは。
アンソロジーに収録されていた短編よりも、すごく「恋」に寄った感じのする物語に仕上がっています。この二人が標準なのかどうかはわからないですけど…、でもきっと特殊とかそういうことじゃなくて。だって誰かを好きになるって言うそのものすごく「個人的」なことですもんね。100組いたら100通りの恋の仕方があるわけで、これはきっとそのひとつ。すごくさわやかに読ませてくれたなって思います。「絶対」なんて世の中にないし、ましてや恋には「絶対」ないものだけれど、それはわかっているけど、でも、「絶対」を信じたくなるあの一瞬の気持ち、なんだかすごくわかりました。
しかしなんだか遠い出来事のように思えてしまうのは…やっぱりお年寄りだから?(涙)
【追記】
そういえば、最近出た石田衣良さんの『美丘』(たぶん一生読まないと思われますが)も
どこぞのアンソロジーに収録されてたやつがもとですよね。そういうのこれから流行るのかしら…。