「野菜ジュースにソースを二滴」「値段は五千万円」「青空に黒雲ひとつ」「天職」「世界で一つだけの」「待つ男」「私のお気に入り」「冷たい水が背筋に」「ラスト・セッション」「懐かしい思い出」「ミニモスは見ていた」「二枚舌は極楽へ行く」が収録された短編集です。
『
九杯目には早すぎる』に引き続き、こちらもブラック…(いやもう免疫ができたからあんなにびっくりはしませんけど!)。
『九杯目〜』のときの「ベストセラー作家(見込)の出発点!!」というのにひき続き、今回もまた上手い!と思ってしまった今回は各お話にリンクがあるということで、それも楽しみに読みました。ふむふむ!おぉ、あれとこれはこうつながるのね!と、バラバラのお話を上手くつなげていて飽きさせません。なかなかに上手い手ですね。ちなみにわたくし、「ミニモスは見ていた」が何とどうつながっているのかわからず…かなり悩みました。いや、もう分かったんですけどね。分かったときには自分の記憶力のなさにびっくりしました。あっはっは。
というわけで、前作より「楽しい」感がアップしていて、私は好きでした。ちなみに中で一番好きだったお話は「待つ男」です。ただミステリなだけじゃなくて、こう、よくできていて、さらにぐっときました。いいですね!こういうの!次の作品も楽しみです。
ここでもちょっと読めたりします。 →
蒼井上鷹 作品集
【追記】
さて、今回の帯の宣伝文句は「能ある'鷹'さらに翔く!」「もはや小心ショウメイの実力派!!」。『九杯目〜』の「ベストセラー作家(見込)の出発点!!」というのにもかなり笑わせてもらいましたが、これもまた上手い!と思ってしまいました(笑)。
そして、この本、帯がついた状態だとわかりませんが…裏表紙にちょっとした、こう、なんというんですか、アレが。あ!でも読む前に見ちゃだめです!読み終わってから見てください。必ず。そしてうっひゃぁ!ひー!と…!いやぁサービス満点!!あはー。