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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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温室デイズ [瀬尾まいこ]
4048735837温室デイズ
瀬尾 まいこ
角川書店 2006-07

トイレでタバコが発見される。遅刻の人数が増える。これらの始まりの合図に教師たちはまだ気づかない。私たちの学校が崩壊しつつあることを。私には一体何が出来るのだろうか……。

これは…リアルなのでしょうか。リアルなんでしょうね。瀬尾さんって、中学校の先生だってことですし。でも私には…正直ピンときませんでした。自分の通っていた中学校がものすごく平和だったからでしょうか。でもこんなに荒れてはいなかったですけど、普通に「いじめ」はあったし、ぶっちゃけ私いじめられっこだったし。でも私が当時考えてたことって、ここに書いてあるようなこととは全然違った、気がします。いやもう、記憶があいまいで確かなことは言えないのですが(笑)。これを「痛い」と感じるには、年をとりすぎたということなのでしょうか…(遠い目)。

でもまぁ私の過去と一致するかどうかとか、そういうことはこの際どうでもよくて、こういう生活も、こういう考え方も、こういう逃げ方も、こういう立ち向かい方も。全部がきっとリアルで、そのどれが正しくて、どれが間違ってるなんてことはないんだろうなぁと、しみじみ思いました。何もかもめんどくさくて、複雑で、投げてしまいたくなるけれど、投げられなくて、投げるわけにはいかなくて、日々もがいている人が、いまこの瞬間にもきっといるんだろうなぁ。私は素直にその人たちを、すごいと、そう思います。自分が全く関係なくて、ごめんなさいって、思ったりもしました。

でもなんとなく、なんとなくですけど、今っていろいろやりすぎ、考えすぎなんじゃないかなぁっていうのも思います。回りが勝手にコトを大袈裟にしてるっていうか、「それは大変なことなんだ」「心の傷が」「マニュアルが」etc.…。なんか、よってたかって「大変なこと」に、そういうふうにしちゃったんじゃないかなぁって気がしたりもします。たいしたことじゃないなんて、当事者としても思いませんけど、でもそんなに騒ぐことでもないんじゃないかなぁ…。うまく言えませんが。もっと子どもを、人を、信じてあげればいいのに。

実際の中学生が読んだらどんなことを思うのかな。ぜひ聞いてみたいです。だって、現役の「先生」が書いているんですよ?これってものすごくすごいことですよね。

ちょっとだけ思ったのは…「中学校なんて義務教育なんて温室だ。社会に出たらもっと厳しい」みたいな箇所。ほんとにそうですか?私は…なんとなくそうは思いません。あの頃のほうが、「生きる」ってことがすごく大変だったような気がする…。今、それだけ怠惰に生きているんだと言われてしまえばそれまでかもしれませんが、大人のほうが楽なこと多いと思うんだけどな。
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強運の持ち主 [瀬尾まいこ]
4163249001強運の持ち主
瀬尾 まいこ
文芸春秋 2006-05

会社をやめて占い師に転職した、ルイーズ吉田こと吉田幸子。彼女の占いを頼ってくる様々な人々のかかえる悩み。それらの相談事に対してルイーズが出す占いの答えは…。「ニベア」「ファミリーセンター」「おしまい予言」「強運の持ち主」の四篇が収録された、連作短編集です。

主人公は占い師!っていうので、どんな人だろう?と思ったのですが、ものすごく普通の人でした。占い師、やってはいるけど、適当…という感じの彼女。なぜかなんとなくこの主人公があまり好きになれなかったのですが…、彼女の元を訪れる「お客さん」たちがとても魅力的で、全体としてはなんだかよかったような気がします。ほのぼのしていて、あったかくて、ちょっぴり大事なことを教えてもらったような。あっという間に読み終えました。

非常に個人的な感想ですが、瀬尾さんの本は「弱ってるときにオススメ」なのと「元気なときにオススメ」なのがあるような気がしているのですが、これはどちらかというと「元気なときにオススメ」かな、と。弱っているときというか、心がささくれているときに読むと、ルイーズの恵まれているっぷりがなんだか…ズルく思えて心に陰を落としそうな気がするので(笑)(←私だけ?)。

「ニベア」うちにもあるなぁ。たまには塗ってみようかな。(これから夏なのに?!)
| さ行(瀬尾まいこ) | comments(21) | trackbacks(12) |
優しい音楽 [瀬尾まいこ]
4575235202優しい音楽
瀬尾 まいこ
双葉社 2005-04

表題作の「優しい音楽」のほかに「タイムラグ」「がらくた効果」が収録されています。

そんなわけで、それぞれのお話にそれほど分量がありません。そのせいなのかどうか、ちょっと物足りなかったような…。書ききれていない感じがしてしまいました。「優しい音楽」の家族の人々の「苦しみ」とか「葛藤」とか、「タイムラグ」の主人公の「憂鬱」とか「怒り」とか(こんなこと許されない!私なら激怒だ!そしてお金も容赦なく使う!)、そういうものが全然伝わってこなくて、なんだかみんなのんきそうで、それはよかったですね…だけで終わりみたいな感じ。「やさしく」書きすぎというか。(そこが狙いなのでしょうか…?)登場人物の誰一人好きになれない、感情移入できないで、とまどっている間に物語が終わってしまって、あれ?みたいな。3つのうち、どれか一つをきっちりかいて1冊にしたほうがよかったのではないかなぁ。

今までの瀬尾さんの作品は全て読んでますが、それに比べるとこれはちょっと…と思ってしまいました。「帯負け」の感すらあり。(←なんだかえらくステキなことが書いてあったのです。)キライなわけじゃないのですが、いい!と思う部分ももちろんたくさんあるのですが、ただ期待しすぎたというか…。

ただ、最後の「がらくた効果」に出てくる、箱根駅伝の話はちょっと心に残りました。あの「繰上げスタート」という制度が私は大嫌いで、いつも見るたびに「あとちょっと待ってあげたっていいじゃん!」と思って涙していたのですが、これを読んだらそんな自分が間違っていたような気がしてきました。行きたくなくても、それでも行かなきゃいけないことがある。スタートしないといけないことがある。その上で、見えてくるものが、感じられるものが、きっとある。そうか、そういうものですよね。

というわけで、「がらくた効果」が一番好きでした。(それでも登場人物が誰一人好きな感じでなかったことが悲しい…。こんなヘンな女の人、わたしならダメです。)

ただ、読みやすいことは間違いなく、「惜しい!」ですがキライなわけではないので、何も考えずに読んでのんびり幸せな気分になりたいときにはよいかなぁと思いました。(余計なこといろいろ考えるからいけないのです、きっと。)
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天国はまだ遠く [瀬尾まいこ]
4104686018天国はまだ遠く
瀬尾 まいこ
新潮社 2004-06-23

仕事やらなにやらで行き詰まり、果てしなく落ち込んでいたところに、「読んでみたら?」とお勧めしてくださる方がおり、その日の会社帰りに本屋を探しまくって買って帰り、その日のうちに一気に読んでしまいました。

「ずっと前から決めていた。今度だめだと思ったら、もうやめようって。」
そんな書き出しで始まるこの物語。読みながらだんだん主人公が今の自分と重なって、お話の中でいっしょに苦しみ、いっしょに迷って、そしていっしょに楽になっていきました。読み終えたときには、誰かが「大丈夫だよ。」って背中をぽんと押してくれたような、そんな気持ちになりました。

苦しい、苦しい、もうだめだって思ってしまっているときには、そのことしか見えなくなって目の前が真っ暗になってしまっているけれど、ほんとは、それだけじゃなくて、もっとたくさんのことがあって、たくさんの人に守られて、自分は生きているんだな、と、そんなことを思い出させてくれる本でした。

この本にめぐり合うことが出来て、ほんとうによかったと思います。
| さ行(瀬尾まいこ) | comments(17) | trackbacks(11) |