プロフィール
chiekoa

呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
カレンダー
S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< August 2018 >>
カテゴリー(作家さん別)
過去の読書日記
このサイト内を検索
OTHERS
  管理者ページ
  RSS1.0
  Atom0.3
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | - | - |
いつか、ずっと昔 [江國香織]
4901006940いつか、ずっと昔
江國 香織
アートン 2004-12

大好きな人とはいま、一緒にいたい。結婚を前にした恋人との前に、昔の恋人たちが現れる。いつか、ずっと昔、私は…。かつて確かにあった幸福の瞬間。過ぎてゆく時間。私だけの過去。江国香織と荒井良二の新しい絵本世界。

これも『デューク』同様、『つめたいよるに』に収録されていた「いつか、ずっと昔」に絵を描き下したものなのですね。そもそもの『つめたいよるに』を読んでいないわたし。

荒井良二さんの絵がほんとうに、とてもステキで、文字を追うほうがついでになってしまうような、そんな本でした。(むしろストーリー的には、あまり評価しておらず(笑))。
| あ行(江國香織) | comments(2) | trackbacks(1) |
デューク [江國香織]
4062104857デューク
江國 香織
講談社 2000-11

短い分と、挿絵で構成された、絵本みたいな本です。

読み始めた最初のうち、犬の絵はかわいいんだけど、人がちょっとなぁと思っていたのですが、読んでいるうちに不思議と慣れました。でもなんかあんまり評判よくないみたい…?絵なしの文だけが『つめたいよるに』に収録されているそうなので、そっちも読んでみたいなぁと思います。

そしてこの物語の雰囲気というか、意図するものをまったく理解していなかった私は、「え?ちょっと待ってよ!おいおい、ダメじゃん!どういう展開?」とか突っ込みながら読んでいたのですが、最後まで読んで、あぁ!そういうことだったのね!と。
(途中で気づけって感じですか?いや、なんか妙に驚いちゃって…おばさん??)。
| あ行(江國香織) | comments(4) | trackbacks(3) |
ホテルカクタス [江國香織]
493902914Xホテルカクタス
江國 香織
ビリケン出版 2001-04

ある街の東のはずれに、石造りの古いアパートがありました。ホテル・カクタスというのが、このアパートの名前でした。三階に帽子が、二階にきゅうりが、一階に数字の2が住んでいるこのアパート。季節は美しくめぐり、三人のおかしくて楽しい日々は、すこし哀しく過ぎていきます…。

いい本ですね〜!なんで今まで読まないでいたんだろう…。だって、登場人物か「帽子」と「きゅうり」と「数字の2」ですよ!最初のうちは、そういう名前の「人」なのかな?って思って読んでたんですけど、そうじゃなくて、彼らは文字通り「帽子」であり「きゅうり」であり「数字の2」なのです。誇り高き彼ら…すっかり大好きになりました。

ラストはちょっぴり切なくなりましたが、でも、これからまだまだ素敵なことがきっといっぱいあるはず!いい映画を観終えた時のような気持ちで、本を閉じました。

余談ですけど、これ「ビリケン出版」から出てる本なんですね。私の最愛の『トリツカレ男』と同じ出版社だわ…。すばらしい出版社だ!なんかものすごく好感度アップ、です。
| あ行(江國香織) | comments(9) | trackbacks(4) |
冷静と情熱のあいだ―Rosso [江國香織]
4043480032冷静と情熱のあいだ―Rosso
江國 香織
角川書店 2001-09

穏やかな恋人と一緒に暮らす、静かで満ち足りた日々。これが私の本当の姿なのだろうか。誰もが羨む生活の中で、空いてしまった心の穴が埋まらない。10年前のあの雨の日に、失ってしまった何よりも大事な人、順正。熱く激しく思いをぶつけあった私と彼は、誰よりも理解しあえたはずだった。けれど今はこの想いすらも届かない―。永遠に忘れられない恋を女性の視点から綴る、赤の物語。

どこにいても一緒だった。べつべつにいてさえも一緒だった。
やっぱり心打たれてしまいました…。「青」を読んだあとなので、(というかそもそも再読なので)、二人がどうなるかはわかっているのに、それでも、先へ先へ、逸る心を抑えながら読みました。10年。決して短い時間ではありません。それでも、それだけの年月を経ても色あせない思い、まるで今目の前にあることのように心に蘇る思いがあるのだということ。なんの不足もない生活を捨ててでも、手に入れたいものがあるということ。その、暴力的なまでに押さえられない気持ちの不思議さ。すごく、心に染みました。切なく思いました。

ちなみに「青→赤」の順番で読むことにしたのは、万が一「青」でこけても「赤」でリカバれるだろうという目論見でした(笑)。私にとって江國さんは、(たまに「??」となるものの)基本的には好きな作家さんだし、信頼もしているからです。つまり、辻さんは基本的には苦手な作家さんで、あんまり信頼してないってことなんですけど…(ごめんなさい、現在のところの正直な感想なので、許してください)。

そんなわけで、「青→赤」で読んで、文章を読んでの「感動」的にはそれでOK、目論見通りだったのですが、ストーリー的には「赤→青」が正解だなと思いました。もともと交互に掲載されていた連載だそうなので、どっちかがラストっていうのがあったんだと思うんですけど、本を読む限りでは「青」のラストで締めなのかなと。結局「赤」をラストまで読んだあと、「青」のラストをもう一度読みましたから…。はい。
| あ行(江國香織) | comments(5) | trackbacks(1) |
すきまのおともだちたち [江國香織]
4592750101すきまのおともだちたち
江國 香織
白泉社 2005-06

ある日、取材に訪れた街で散歩に出た新聞記者の「わたし」は、不思議な街へ迷い込んでしまいます。そこで出会った女の子は…。

江國さんの書く「ですます」調って初めて読んだかも…。でもとっても好きな本になりました。あったかいなぁ、うらやましいなぁ。

この小さなおんなのこが、もうすばらしすぎます。
かわいくって、かしこくって、ちょっとおませさんで、かっこよくって。
もうそのセリフがびしびしきました。まいりました!

「私たちをほんとうにしばるのは、苦痛や災難や戸棚ではないのよ。
幸福な思い出なの

「小さいおんなのこっていうものはね、たいていのことはよく知っているものなのよ。でもやったことはないの。当然でしょう?」
そしてこの本のタイトルが、「すきまのおともだち」じゃなくて「おともだちたち」なところが、すごくすごく大好きです。
| あ行(江國香織) | comments(5) | trackbacks(3) |
なつのひかり [江國香織]
4087470482なつのひかり
江國 香織
集英社 1999-05

バーで歌手のバイトをしている、一人暮らしの二十歳の女性・栞。ある日彼女のもとへ、逃げたヤドカリ「ナポレオン」を捜しに隣りの家の少年がやってきます。そこから始まる奇妙な夏の日々の物語。

なんだかこの「兄」の魅力がさっぱりわからないとか、妙に気に障る人が出てくるとか、そういう納得のいかない釈然としないことは多々ありつつも、不思議な雰囲気にどっぷりひたって読みました。

非現実的に展開していくストーリーに、「兎の足の話をしよう。」「湿った油の話をしよう。」「ガラスのすのこ棒の話をしよう。」―なんの脈絡もなく、唐突にはさみこまれるこれらの「話」たち。夏の話なのに、暑さも湿度も汗も、生活感も何も感じさせない世界。登場人物にも物語にも全くリアリティがないのに、その世界の描写は妙にリアルで、そのアンバランスな感じがなんとも不思議でした。

本の裏書にある「シュールな切なさと、失われた幸福感に満ちた秀作」っていう文句。なんだか意味がわかるような、全然わからないような…うーん…はて、と考え込んでしまった私ですが、(シュールな切なさって?)、とりあえず深く考えずにのんびりと読んで、世界に浸る―そういう物語でした。

でもこのキーパーソン(?)「ヤドカリ」はいいな…飼いたいな…。
| あ行(江國香織) | comments(6) | trackbacks(1) |
流しのしたの骨 [江國香織]
4101339155流しのしたの骨
江國 香織
新潮社 1999-09

いまはなにもしていず、夜の散歩が習慣の19歳の私こと子、おっとりとして頑固な長姉そよちゃん、妙ちきりんで優しい次姉しま子ちゃん、笑顔が健やかで一番平らかな'小さな弟’律の四人姉弟と、詩人で生活に様々なこだわりを持つ母、規律を重んじる家族想いの父、の六人家族。ちょっと変だけれど幸福な宮坂家の、晩秋から春までの出来事を静かに描いた物語。

特に何か劇的な出来事が起こるでもなく、ストーリーらしいストーリーがあるわけでもなく、ただ淡々と語られる家族の物語。それが不思議と心地よいというか…おもしろいとかおもしろくないということではなく、「好き」だなぁと思いました。

どこの家にもある、それぞれの「家族」らしさ。うちの家族だったらどんな物語になるかな…。あったかい、くすぐったい気持ちになりました。

ちなみにこの文庫本が発売になったばかりの頃に一度読んでいるのですが…まったく覚えていませんでした(汗)。いや、でもおかげで再びいい時間を過ごせました。お得…!

| あ行(江國香織) | comments(3) | trackbacks(1) |
ぼくの小鳥ちゃん [江國香織]
4251008065ぼくの小鳥ちゃん
江國 香織
あかね書房 1997-11

ある雪の朝、ぼくの部屋に舞い込んだ小さな小鳥ちゃん。体長10センチ、まっしろで、くちばしときゃしゃな脚が濃いピンク色。「あたしはそのへんのひよわな小鳥とはちがうんだから」ときっぱりいい、一番好きなのはラム酒のかかったアイスクリーム、とゆずらないしっかり者。小鳥ちゃんとぼくとぼくの彼女と。少し切なくて幸福な、冬の日々の物語。

なんだか、読んでとっても癒されました。いい時間をすごしたなぁと思いました。やっぱり何がいいってこの荒井良二さんの描かれた挿画が素敵です!もうこれは絵本のよう…。(っていうかもしかしてそもそも絵本ですか?)江國さんの冬の空気の冷たさまで感じられるような鮮やかな描写の文章に、寄り添うような暖かい色彩にあふれた荒井さんの絵。とてもいい組み合わせだと思いました。

心暖まる感じ…でも江國さんの本だし、どうしよう、最後に「がーん」ってなったら…と、びくびくしながら読んだのですが、そんな予想していたようなことは起こらず、心暖かいまま無事読み終わって安心しました。

それにしてもこの「小鳥ちゃん」がかわいい。彼女をちょっぴり意識しているところなんか、もうたまらなくかわいいです。うちにもうっかり舞い込んでくれないかなぁ。大事にしますよ!アイス、ありますよ!
| あ行(江國香織) | comments(2) | trackbacks(1) |
間宮兄弟 [江國香織]
4093874999間宮兄弟
江國 香織
小学館 2004-09-29

三十五歳の間宮明信と三十二歳の徹信は、兄弟二人暮し。真面目で、親思いで、でも女性にはもてない二人と、彼らを取り巻く人々の日々を描いた物語。

なんか江國さんの書く「かっこよくない男」というのがとても新鮮な気がして、おもしろく読みました。しかも二人!ダブルです。

「いい人なんだけど…」と言われてしまうタイプの彼ら。読書が好きで、ジグソーパズルが好きで、インドア派で、お洒落でもハンサムでもなくて。そんな彼らの日常や、そこに紛れ込んだちょっとした恋模様が、淡々と描かれます。とにかく真面目な彼らの恋が、なんだか見ている方としては妙にほほえましくて、思わず応援してしまいまうくらいでした。

人は外見じゃない…と言います。内面だけみてたらこの人たちはまったく私の「タイプ」なのですが、実際そばにいたら私はそれに気づけるのかな?!と自問自答してみたりしました。

傍目から見たら「暗い」とか言われてしまうような間宮兄弟ですが、でも私は読んでいてすごく彼らがうらやましかったです。こういう生活、なんだかあこがれるかも…とまで思いました。「読書日」なんて今すぐ真似したいくらい。自分たちの確固たる城をちゃんと築いているというか。どっしりとそこにある、それはまるで海みたいで。ちょっと表面が波立つことはあっても、その底にあるものは変わらない、泰然自若とした感じ。

わたしもかくありたい…。そうか、何かをひとつあきらめるというか力を抜いてしまえば、こんなにも生きていくのは楽なんだなぁと。しみじみ思ったりしました。こういう生活も悪くないなぁ…。三十代の独身いけてない兄弟に、こんなに癒されるとは…ある意味衝撃でした(笑)。なんだか肩の力が抜ける本です。
| あ行(江國香織) | comments(10) | trackbacks(8) |
赤い長靴 [江國香織]
4163236104赤い長靴
江國 香織
文藝春秋 2005-01-15

結婚して十年になる日和子と逍三の夫婦。日和子の、そして逍三の視点から語られる、二人の日々の物語。連作短編集です。

これはまた江國さんらしいというか、ものすごく淡々と描写、描写、描写です。何も起こらない四十歳くらいの夫婦の日常。うーん。正直あまりの何も起こらなさに、残りページが少なくなるにつれ「どうしよう?」と思ってしまったくらいのものなのですが、でもこの静かな感じがちょっと怖くて、嫌いではなかったです。そう、怖いのです。このお話は…。

日和子が逍三に抱く「言葉が通じない」という気持ち。それはなんだかすごくよくわかりました。日和子が思ってしまう「ほんとうのこと」も、それについて感じる後悔も、それを封印しようとする気持ちも。そして、自分ではとうにあきらめたはずのことを、もう一度あきらめさせられて、驚いてしまうことも。そのことを学んでも学んでも忘れてしまう迂闊さも。笑ってしまう、笑うしかない日和子も。そういうことが全部、すごくわかって、なんかだか悲しくて、さびしくなりました。

ため息まじりに「いいわ、もう」なんて言ってしまって、意地の悪いことをしたような気分になって、そんな自分は底意地が悪いと思って、悲しくなる。この気持ち、きっと誰にもわかると思います。わかるから、怖いのです。

いっしょにいると疲れてしまう。いっしょにいないと会いたくなる。
逍三のいる場所でよりいない場所で、自分は夫を愛しているのだ。
ここを読んだ瞬間、背中が寒くなりました。私は。
| あ行(江國香織) | comments(10) | trackbacks(4) |