表題作「ダックスフントのワープ」と「ネズミ焼きの贈りもの」の二編が収録されています。『テロリストのパラソル』とはずいぶん雰囲気の違う作品です。
「ダックスフントのワープ」は、十歳の女の子の家庭教師として、彼女にダックスフントがワープする物語を語り聞かせる「僕」の話。この女の子がまた変っていて、広辞苑を毎日5ページ以上読むのが趣味で「私って、究極において冷静な子だったの」とか言っちゃうような、そういう子なわけです。
読んでいて、これは何かに似てる…あ、村上春樹っぽいんだ!と思ったのですが、何しろ自分の中の「村上春樹っぽさ」に自信がもてなかったので、webで調べてみたところ、同じように感じた方がたくさんいるということがわかり、とても安心しました。そして読み進めていくと、これは村上春樹作品で読んだような…というフレーズがちらほら。いいのかしら?とはいえ、やっぱり似て非なるものだなぁと思うところもあり。ラストは衝撃的だったんですけど、うーん、でもきらいじゃなかったです。理解できているのかどうかは…聞かないでください。
あ、でもこのダックスフントの挿話はちょっと好きです。(犬が好きだから?!)
「ネズミ焼きの贈りもの」は…なんでしょう。これ。よくわかりませんでした。
ごめんなさい。ぎゃー!万引き反対!あんまり好きじゃなかったです。
でも、「えー?!素通り?!」と思ってたことが、ちゃんとラストで拾われたのでよかった…。(いや、よくない。)
というわけで、結論を言うと、この表紙の絵は詐欺だと思いました(笑)。