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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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神無き月十番目の夜 [飯嶋和一]
4094033149神無き月十番目の夜
飯嶋 和一
小学館 2005-12-06

慶長七年陰暦十月、常陸国北限、小生瀬の地に派遣された大藤嘉衛門は、野戦場の臭気が辺りに漂う中、百軒余りの家々から三百名以上の住民が消えるという奇怪な光景を目の当たりにする。さらに、嘉衛門は地元の者が「カノハタ」と呼ぶ土地に通ずる急峻な山道で、烏や野犬に食い荒らされるおびただしい死体を発見した。いったいこの地で何が起きたのか?

うーーーー。く、苦しかったです。この読書は、ほんとうに苦しかった。

最初から、結末はわかっているのです。起こったことはわかっていて、それが、どうしてこんなことになってしまったのか?それを描いた物語です。だから、だからこそ読んでいて苦しかった。最後の姿を、最初から知ってしまっているから。だから。

全ての歯車が悪いほうへ悪いほうへ回っていく。どうしてもそれだけは避けたかった結末に向けて、事態が進んでいく。あぁ、もう、バカ!なんであんたたちよりによってそこでそんなことするのよ!せっかくなんとかしようと頑張ってる人たちがいるのに!と、なんかもう半分ベソをかきながら読みました。苦しくて苦しくて、もう読むのやめたいのに、でもやめられなくて、最後まで読みました。

一番心に焼き付いてしまったのは、終盤の、戦闘のシーン。もうここで闘うしかない、そして自分はここで命を落とすに違いない。そういうことを考えている彼らの、かじかんだ手、そこに射す日の光の暖かさ、風の音、土のにおい、そういう描写が、なんだかものすごく…現実感を持って、心に迫りました。

従うことを選んでも、抗うことを選んでも、どちらにしても地獄しか待っていない、そんなことがどうしても逃げられない事実として存在した時代があったのだということ。そのことを、あらためて思い知る読書でした。そして、現代に生きる私たちが忘れてきてしまったもの、そういうことにも思いを馳せる読書でした。
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なんでも屋大蔵でございます [岡嶋二人]
4062630079なんでも屋大蔵でございます
岡嶋 二人
講談社 1995-07

世間様では、あたし“なんでも屋の大蔵”と呼ばれておりまして、ご用命さえあれば引っ越しのお手伝いから、留守中のペットの世話、雨漏りの修理までなんでも格安で承ります。こう商売をやっておりますと色々と珍妙な事件に遭遇しますもんで―鋭い勘と名推理で難事件を次々解決する便利屋・釘丸大蔵の事件簿。

岡嶋二人さんの本は全作読んでいる…はずだったのですが、本屋でこの本をみかけ、はて、これは読んだっけ?と思って購入。結論から言うと読んでましたが(途中で思い出した)でも楽しく読書できたのでそれもまたよし、と。

この釘丸の語りにちょっと乗りづらかったかな?というのはありましたが、軽く楽しく読む分には最適です。岡嶋二人さんはほんとに幅が広い…あぁ、もう新作が出ないなんて、そのことが悲しくて悲しくて仕方ありません。この本だってほんとならシリーズ化されたってよさそうなものなのに…。あぁ、もっと読みたい…。もったいない…。
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晩夏に捧ぐ<成風堂書店事件メモ・出張編> [大崎梢]
4488017304晩夏に捧ぐ<成風堂書店事件メモ・出張編>
大崎 梢
東京創元社 2006-09-30

以前成風堂にいて、今は故郷に帰り、地元の老舗書店に勤める元同僚の美保から、杏子のもとに一通の手紙が届いた。勤務先の宇都木書店、通称「まるう堂」に幽霊が出るようになり、店が存亡の危機に立たされている、ついては名探偵のアルバイト店員を連れて助けに来い、というのだ。杏子は気が進まぬながら、多絵を伴って信州の高原へと赴く。そこで待ちかまえていたのは、四半世紀ほど前に弟子の手で殺されたという老大作家の死に纏わる謎であった…。

「ミステリ・フロンティア」第26回配本です。

配達あかずきん』の続編にあたる作品です。しかし今回はがらっと趣向を変えて、27年前に起きた殺人事件の真相を探るというストーリーになっています。

多絵の驚くほどの不器用っぷりがだいぶ強調されていたりして(笑)、前作よりはキャラになじめてきたかなぁと自分で思ったりしました。このコンビにも慣れてきたというか。いい感じです。

ただこの「事件」はどうなのでしょう。ちょっと無理矢理すぎないかしら?!と思ったり。解決したところでどうということもないし…。なかなかよく考えられていたなぁとは思いますが、うーん、ちょっと得意じゃないのかな?という感じが。「本屋周りの日常の謎」系の方がおもしろいかな〜。非常に辛口なことを言うと(すいません)、文章の魅力とか、そういうのでひっぱるタイプの作品じゃないと私は思っているし、あっと驚くミステリィの仕掛けなんて難しいだろうし、前作のような「本屋の裏側」みたいな「ネタ」で勝負しないと、「本」としての魅力がちょっと少なくなくなってしまうのかなぁと。

もちろん今回だってステキな「ネタ」がないわけじゃありません。特にここで登場する「まるう堂」が!もう!!…ステキです。こんな本屋さんに出会ってみたい!大手の本屋さんと小さな町の本屋さんのことについてとかも、知らなかったいろんなことがわかって、非常にためになりました。私は…やっぱり町の本屋さんにがんばってほしいな!そういうステキな本屋さんを見つけたいと思います。そして応援したいと思います。

あとがきを読むとさらに続編も続く模様。楽しみに待ってます!
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配達あかずきん [大崎梢]
4488017266配達あかずきん
大崎 梢
東京創元社 2006-05-20

「いいよんさんわん」――近所に住む老人に頼まれたという謎の探求書リスト。コミック『あさきゆめみし』を購入後、失踪した母の行方を探しに来た女性。配達したばかりの雑誌に挟まれていた盗撮写真……。駅ビル内の書店・成風堂書店を舞台に、しっかり者の書店員・杏子と、勘の良いアルバイト店員・多絵のコンビが、さまざまな謎に取り組んでいく。初の本格書店ミステリ、第1弾!

「ミステリ・フロンティア」第23回配本です。

本屋さんを舞台にした、書店員さんがメインのミステリィっていう設定がなかなかおもしろかったです。主役の杏子と、探偵役を務める多絵。てっきり杏子が探偵もやるんだと思ってたので、この配役はおもしろいなぁとも思いました。

収録されているのはいずれも短編で「パンダは囁く」「標野にて 君が袖振る」「配達あかずきん」「六冊目のメッセージ」「ディスプレイ・リプレイ」。連作短編ですが、それぞれがそれぞれに工夫を凝らしてあって(って表現もおかしいかな?)、味付けが違うので、続けて読んでいても飽きさせませんでした。

これがデビュー作なのでしょうか?略歴みたいのがついていなかったのでよくわかりませんでしたが、なかなかよかったです。それぞれのキャラがもう少したっていたらなぁと思わないでもなかったのですが、それは今後のお楽しみ!ということで。(もうすでに続編が出ているようなので、これから読みたいと思います。)

それにしても、私は本屋さんで「こんな本が読みたいんですが」なんていう漠然とした相談をしたこともないし、しようとも思ったことないので、そういう人が結構いるらしいということにびっくりしました。まぁ過去の経験から店員さんを信用していないというのもありますが…。(小川洋子さんの名前くらい知ってろっちゅーねん)。ネットで調べればたいていのことはわかるっていうのもありますし。でも、ちゃんといい店員さんがいるお店を見つけて、そういうおつきあいをしてみたいなぁとも思いました。

というわけでこの本、実際の書店員さんが読んだらもっとおもしろいんだろうなぁ。いろんなエピソードが満載だし(ちょっと詰め込みすぎかとも思いましたけど)。でも…実際の書店員さんから見て、この本屋の店員たちの職務態度はどうなんだろう…。あまり本への愛!!が感じられないような…そんなことないですかね?!なんかもっとこう「プロ」意識を持って欲しいような気がしたのですが、それはまぁ今後に期待ということかしら。「本が好きで好きでたまらないので本屋で働いてます!」って人はあんまいないのかなぁ。本屋で働けてうれしくないのかなぁ。

そしてちょっとだけごめんなさい。あの、この最後におまけでついている対談みたいなの、いりますか?読んでつまらないとかそういう意味じゃないですけど、へぇって思っておもしろいんですけど、でも「内輪もりあがり」みたいで、部外者である私にはちょっと…。本文を読んでいても感じられたソレが、このおまけで増幅されて、最後に興ざめしてしまいました。すいません、自分が仲間じゃないからさみしいんです…うらやましいんです…疎外感なんです…。

そんな狭い心はおいておいて、表紙がおもしろいですね〜。今までに配本されたミステリ・フロンティアをずらっと並べてあります。表紙の絵が全部本物とは違うっていうのが凝ってますね。25回配本予定が変わってしまったのはご愛嬌ということで…(笑)。

ちなみに収録されているそれぞれの中で、私が好きだったのは「標野にて君が袖振る」と、「六冊目のメッセージ」でした。…恋愛がからめばよいということかしら??
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ドライブイン蒲生 [伊藤たかみ]
4309017665ドライブイン蒲生
伊藤 たかみ
河出書房新社 2006-07-17

「お姉ちゃん、これ浴びたら不死身になることにしよっか?」 馬鹿の家に生まれたおれと姉の、かすけた血の物語。表題作ほか「無花果カレーライス」「ジャトーミン」を収録。

うーん、「傑作」って帯に書いてあるんですけど…私にはちょっとあわなかったかも。ごめんなさい。正直途中で読むのやめようかと何度も…。「無花果カレーライス」の陽介くんは好きです。カレーと無花果、あうよね。(本編と関係ない感想…)。

この全体に出てくる「かすけた家族」っていうのが、うーん、なんか私には全然実感がわかないというか、そのリアリティがわからないというか。自分の育ってきた環境とあまりにも違うから?というのが単純に思ったことでした。まる。
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ハッピー・バースディ [新井素子]
404160012Xハッピー・バースディ
新井 素子
角川書店 2005-09-22

大学の先輩だった公人と結婚したあきら。編集者である公人の勧めで書いた小説が新人賞を取って、しかもそれがベストセラーになってしまう。公私共に幸せな時間を過ごしていたはずだったあきら。だが、たった一瞬の偶然の出会いが、あきらの世界を壊しはじめる…。

久しぶりに素子さん作品を読みました。この文章、この調子。なつかしい!といってもこの作品は未読でしたが。『ひとめあなたに…』とか『おしまいの日』とか、もう全部覚えてるくらい何度も読みました。(再読したくなってきましたよ。)

この口調で、この物語。そう、この口調で、この物語なんです。読めばわかります。相変わらずすごい!と心底思いました。こういう静かに迫り来る狂気の世界を描かせたら、ほんと天下一品ですね。怖いですけど…。

あとちょっと思ったこと。この物語の主人公である「あきら」。普通本を読んでいるときって主人公には肩入れしてしまって、その人がいやな目にあったり不幸になったりすると、「いやだなぁ」と思いながら読んでいるのですが、なんだかこの「あきら」が不幸になるのは、いやな目にあうのは、なんとも思わなかったんです。それがまた、ちょっと不思議で、ちょっと怖かった、かも…。
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はるがいったら [飛鳥井千砂]
4087747921はるがいったら
飛鳥井 千砂
集英社 2005-12

両親の離婚で、今は別々に暮らしている姉弟・園と行。気が付けば他人のファッションチェックまでしている、完璧主義者の園。何事も、そつなくこなすが熱くなれない「いい子」な行。二人の間に横たわるのは、介護され何とか生きる老いぼれ犬。どこかが行き過ぎで、何かが足りない姉弟の物語。

このタイトル、この絵、この装幀。そして若い作家さんの話題作。どうせあれでしょ、ワンコが死んじゃって、でも君のことは忘れないよ、みたいなお涙頂戴ものなんでしょ。ふふーん。

…って思って、あちこちで名前は見かけていたものの、ずっと読まずにいました。なんの気まぐれかなんとなく手にとって図書館で借りてみて、でもなんか読みたくないなぁとおもって読まずにいたのですが、他に読むものがなくなったのでしょうがなく読んでみました(失礼な…)。そうしたら…。

すいません!!!全然私が思っていたようなものではありませんでした。ほんとごめんなさい。どうしてなかなかステキな本ではないですか。偏見はいけなかったです。はい。若い新人さんとは思えない文章だったと思います。(いや、別にふけてるとかじゃなくて!)

最初のうちこそ、主人公二人のビジュアルがなんだか上手く想像できなかったり、性格が把握しづらかったりして苦労したのですが、そこをクリアしてからはすんなり。紹介文にあるような「どこかが行き過ぎで、何かが足りない姉弟の物語」という感触は受けなかったのですが、振り返ってみればなるほど、両極端な姉弟だったんだなぁと。(すいません、読んでるときに気付かなくて)。

でも…なんとなく、よかったです。しかしそう考えると、この表紙とこのタイトル、これはこれでステキだけど損してるんじゃあ…とか思ったりしたりしたり。はい、余計なお世話ですね。スイマセン。
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君を送る [赤川次郎]
4101327300君を送る
赤川 次郎
新潮社 1997-05

OL生活も四年目の石塚深雪、二十三歳。新人の頃、ミスをした深雪を救ってくれた営業部長の矢沢晃二が、ワンマン社長と対立して、突然辞職に追い込まれた。自分の立場を気にして動こうとしない男たちに愛想をつかした深雪は、一人で送別会を企画するが、事態は意外な方向へ進展して…。

赤川さんの本なら、それこそ100冊以上読んでいる私ですが、中でも一番好きな本が、実はこの『君を送る』です。初めて読んだのは…もう5年以上前だと思いますが、そのとき感じたことも、流した涙も、全部覚えてます。

ラブシーンの一つもない、ラブストーリー。こんなふうに、ただお互いがお互いを思う、こんな形もあるんだと、今読んでも、結末を知っていても、それでも、やっぱり涙が出ました。胸がいっぱいになりました。『ふたり』より、私にとっては、こっちが名作。
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私の優しくない先輩 [日日日]
4883467244私の優しくない先輩
日日日
碧天舎 2005-01

過疎化が進む小さな島の女子高生・西表耶麻子(いりおもてやまこ)の悩みは、大好きな同級生に告白できずにいること。何度も何度も書き直したラブレターはまたしても、ポケットの中で賞味期限切れ。おまけにそのラブレターの存在を、乱暴ものでややコワモテの苦手な先輩に知られてしまい…。

読み始めて意外でした、あら、おもしろいわ、私好きだわこういうの(笑)。『ちーちゃんは悠久の向こう』よりこっちのほうが断然好き。

主人公は病弱な女子高生。心も体も虚弱…とかいうわりに、脳内暴走はかなり男らしく、さすが男の子が書いているだけのことはあるわ、とか思ったりもしましたが、それもまた面白いといえば面白く。ストーリー展開とかは1から100まで予想通りで(笑)、全体的に若干薄っぺらい気がしないでもないですけど、(ってえらそうなこと書いてますね…ごめんなさい)、でも面白かったです。はい!

ぶっちゃけ、女の子が書いたらこれ、もっと上手いと思うんですよ。同じテーマで、設定で、もっといくらでも上手に書くと思う。でもそれを「高校生の男の子が書いた」ってところがミソなんだろうし、まぁすごいなぁと正直思います。私の周りに当時いた男子…無理、絶対書けなそう(笑)。
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四つの嘘 [大石静]
4344010280四つの嘘
大石 静
幻冬舎 2005-08

ニューヨークで発生したフェリーの事故で二人の日本人が死亡。河野と美波、二人の死の知らせを聞いた満喜子・詩文・ネリの3人の女性たち。彼女たちにはわかった、この事故の意味とは…。女であるがゆえの、猾さ、醜さ、痛さ、哀しさ、そして強さを生々しく描ききった長編小説。産経新聞連載に加筆。

新聞連載だったのですね…なるほど。読み終わってみると、すごく納得がいくような気がします。

読んでいる間はなんだかものすごく胸がざわざわしました。自分が似たような体験をしたことがあるとか、そういう「共感」ではないのですが、肌身に染みてわかる、というか。あまりに痛くて、なんだか気分が悪くなりそうなものだったのですが、不思議と引き込まれて、わりと一気に読みました。

ただ「女」というものや「女と女」の関係、その間にある感情などについてはすごく共感できたのですが、「男と女」の方が…どうも釈然としないような気がしてしまいました。純粋に「なぜ?どうしてそこまで?」って不思議なだけですけど…そんなもんなんでしょうか。わからないなぁ。まぁこういうこともあるのだ、と言ってしまえばそれまでですし、ひとそれぞれっていうことでしょうけど、でもなんかもうちょっと、納得行くように書いてくれたらうれしかったかなぁ…なんてことを思ったりしました。
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