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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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銃とチョコレート [乙一]
406270580X銃とチョコレート
乙一
講談社 2006-05-31

有名な名探偵・ロイズにあこがれている少年リンツ。ある日世間を騒がせている怪盗ゴディバの正体を知るための手がかりをつかんだ彼は、ロイズに手紙を書き…。

なかなかに…衝撃的でした。繰り返される暴力と、悪意と、その容赦ない描写。「子供向けなんじゃなかったけ…」と思いつつ、でも、子供向けだからって、何事もキレイにぼかして美しく書くっていうのは必ずしも正解じゃないよなぁと思い、きっとこれでよいのだと思いました。っていうか、読みながら「これは子供がどう読むのか」とか思っちゃってる時点で、歳取っちゃったなぁと。実際子供の頃は、そんなこと考えながら読んだことなんてなかったんですから。

それに、私はこういう本を、きっと子供の頃に読んだことがあります。むろん「自分向けか」どうかなんて考えずに、ただ楽しんで読んでいたはずの本。「あぁ、知ってるな」っていう感じが、すごくしました。設定が、とか、ストーリーが、とかじゃなくて、この世界を、読んだときのこの感触を、なんか知っている感じ…。「世の中ってこういうものなのかも」って少し悲しく思った頃の、知り始めた頃の…記憶。

チョコレート好きとしては、登場人物たちの名前がうれしかったです。探偵はロイズ、怪盗はコディバ。主人公はリンツだし、母親はメリーで父親はデメル。皆有名なチョコレートメーカーさんですよね。こんな一家、ステキ…。「ジャンポールさんの奥さんがエヴァン」ってのにはくすりとしたりしました。ドゥバイヨルもマルコリーニもヴィタメールも出てきちゃうんですよ?!このあたりは結構マニアックだと思う。もしかして、乙一さん、チョコ…好き?詳しい?そしてそれだけじゃない一捻り。さすが乙一さんです。

ちなみに、この怖い怖い挿絵は、乙一さん曰く「子供の心に深いトラウマができるような挿絵を描いてください」とお願いされたそうです。…大人の心にもできました…。
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失はれる物語 [乙一]
4048735004失はれる物語
乙一
角川書店 2003-12

過去に「ライトノベル」として出版された短編小説に、書き下ろし一つを加えた、六つの短編からなる短編集です。

この物語の中で、繰り返して語られる寂しさのようなもの。疎外感、違和感、喪失感、そして絶対的な孤独。他者からみたら「甘え」とか「被害妄想」とか「自意識過剰」と思われてしまうような感情。でも、当人にとってはとてつもなく重い、そんな感情。苦しいなぁ…。読んでいて、とても苦しかったです。自分が結局「他者」であることも含めて、苦しかったです。まさに「切なさ全開」。でも、そのままでもいいと思うんだけどなぁ…。そういう自分を許してあげれば楽になるのになぁ…悪いことじゃないし、とか、テーマと違うことを思ったりもしちゃいました。(だいなし?)

とにかく全編、心が痛い(そして、物理的に体も痛い)お話たちでした。

乙一さんのすごいところは「物語の発想力」だと思います。とにかく、着想がすごい。ただ、その「物語」を「書ききれているか」というと、あとちょっと…という感じがしてしまうのです。(えらそうにすいません…。)「この人は苦しんでいるんだな」「つらいんだな」というのは読んでいてわかります、でも「解る」けれど伝わってこないというか。頭で理解はできるけれど、感覚に訴えてくる部分がないというか、実感できないというか。(ほんとすいません。)まぁ読者を一歩物語の外に置くために、あえてそういう風に書いているのかなぁとも思ったり。(ライトノベル特有のあの「挿絵」がないからかも、とも思ったり。あぁ、それ私の場合は絶対ある…。そういう意味では元のライトノベルの方も読みたいかも。)でもこれから先が楽しみです。きっとどんどんうまくなると思います。期待してます…ってあれ?これもしかして初期の短編集ですか?新作を読まねば!

ちなみに、一番好きだったのは「しあわせは子猫のカタチ」です。白い子ネコ…かわいい…。でも「殺人」のエピソード、あれは…必要?そこが若干中途半端かなと。でもこの人の頭の中には壮大な物語が詰まっていて、それを作品でちょろっと見せてくれていて、そうするとこんな風な見え方になっちゃうのかもしれないなぁ、と好意的に解釈。いや、全部書いてくれて全然いいんですけどね。

一番印象に残ったのはタイトルにもなっている「失はれる物語」。私だったら…想像したくないです。ぶるぶる。止め。このタイトルが「失はれた」じゃなくて「失はれる」と現在形であるところがすでに怖いです。

そして「マリアの指」。血から湯気!?ひぇぇぇ…。この作品だけ他の短編とはちょっと異色な感じでした。ちょっとミステリー…?でも一番のミステリーはお姉さんの持っていた「しゃもじ」が何故か途中で「おたま」に変わっていたこと…。

そして、装幀が凝った本でもあります。装幀も、本の中表紙も、全体も含めてすごい凝ってます。気合いが感じられました。あの楽譜は…何の曲でしょう。ほんとに弾けるのかな??
| あ行(乙一) | comments(4) | trackbacks(6) |
ZOO [乙一]
4087745341ZOO
乙一
集英社 2003-06

おもしろくなかったわけでは…ないのですが、なんというのでしょう、不思議な短編集です。基本的には怖かったです。そして意味がわからなかったです。

まぁ強いて好きなものをあげるとすれば「陽だまりの詩」かな…。

なんかこの作家さん、まだ10代の方のようで、熱狂的なファンもいらっしゃるとかいうことでしたが、世代が違うということなのでしょうか。うーむ。映画化?もされているそうですが、別に見なくてもよいかなと思ってしまいました。(タダなら見るかも…。)
| あ行(乙一) | comments(4) | trackbacks(5) |