プロフィール
chiekoa

呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
カレンダー
S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< December 2018 >>
カテゴリー(作家さん別)
過去の読書日記
このサイト内を検索
OTHERS
  管理者ページ
  RSS1.0
  Atom0.3
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | - | - |
ほどけるとける [大島真寿美]
4048736965ほどけるとける
大島 真寿美
角川書店 2006-07

高校を中退し、その後始めたバイトも長続きせず、祖父が経営する銭湯「大和湯」の手伝いをはじめた美和。そこで彼女が出会った人たちとは…。

わりと薄い本なのですが、読み終わってみると、薄い本を読んだなぁというよりは、もっと厚い、長い物語を読んだような、そんな気持ちになりました。

高校も辞めちゃったし、やりたいこともないし、これから先どうしたらいいのかもわからないし…という中途半端な立場の不安というものが、切羽詰った感じではなく淡く淡く描かれていて、読んでいる私もそう心を締め付けられることなく安心して読めて、そういうところがなんだかとても好きでした。美和の弟くんがなんだかとてもいい味をだしていたなぁと思います。うん。彼はよかった。

シンプルな成長の物語ですが、そのシンプルさが心にすっと入ってきて、心地よい本でした。まさによいマッサージに行った後のような、励まされるのではなく癒されたような、読後感でした。
| あ行(大島真寿美) | comments(6) | trackbacks(4) |
宙の家 [大島真寿美]
408772882X宙(ソラ)の家
大島 真寿美
集英社 1992-11

マンションの1105室に住む雛子たち一家。父の理一は単身赴任。母・圭以子、弟・真人、祖母・萩乃と暮らす日々に、ある日変化が…。

第15回すばる文学賞の候補作となった「宙の家」と、その続編である「空気」のニ編が収録されています。

すごく独特の静かな雰囲気の物語でした。しんとした感じ…。
主人公の雛子は高校生だし、そこに小学生の弟とか口やかましい母親とかが出てくるのに、なんだかすごく静かなんです。フリガナが全部カタカナで書かれてるのも、ちょっとそういう雰囲気に一役かっていたような気がします。

不安定な、脆い世界。読んでいくうちについ引き込まれて私も眠ってしまいそうでした…。(いや、退屈とかいうわけではなく!)

ちなみに、ほんとうはこの装幀、透明感のある感じのステキなイラストがうっすら書かれてるんですけど、全然見えないですね…残念。大島さんの本の装幀はいつもうっとりするくらいステキです。
| あ行(大島真寿美) | comments(4) | trackbacks(2) |
かなしみの場所 [大島真寿美]
4048735349かなしみの場所
大島 真寿美
角川書店 2004-06

離婚して、アクセサリーや雑貨を作りながら淡々と日々をおくる果那と、彼女をとりまく人々の物語です。

特にドラマチックな出来事が起こるわけでもなく、本当に静かな物語でした。強いて言えば「子供のころ誘拐された」お話がドラマチックなのかもしれませんが、真相はともあれ、それもなんだか心温まるエピソードといえないこともなく…。

主人公の果那が、ちょっと甘えすぎなんじゃないの?!と思う感もなきにしもあらずでしたが、それもまたよしということで。(だって大騒ぎして結婚したわりに結局すぐ離婚して、でもそこで修羅場もなく、どろどろすることもなく、実家に戻って、好きなことやって暮らして、それがうまいこと仕事にもなって、周りの人間にもめぐまれてて…。うらやましいくらいのものではないですか!)そんなわけで、帯にあったように「生きていくことのいとおしさが胸にこみあげる」ほどのことはなかった私ですが、でもこの透明な感じ、きらいじゃないです。

タイトルは「かなしみの場所」ですが、「悲し」くはないです。この「かなしみ」は確かにひらがなの「かなしみ」の感じだなぁと、そう思いました。
| あ行(大島真寿美) | comments(2) | trackbacks(1) |
水の繭 [大島真寿美]
4048733788水の繭
大島 真寿美
角川書店 2002-07

幼いころに両親が離婚したとうこ。母は双子の弟、陸を連れて家を出て行き、父と二人で暮らしていましたが、その父をも亡くし、どこかぼんやりと生きていました。そこに転がり込んできた年下のいとこ、瑠璃。二人が過ごす、ひと夏の物語。

とにかく表紙の装幀がステキだったのにひかれて読んでみました。透明感のあるというか、どことなくとらえどころがないような、そんな本の内容にぴったりの装幀でした。

さらっと読めましたが、さらっと通過してしまったような気も。幽霊(?)とか出てきますし…。でも、ひとつ、ちょっと心に残ったシーンがありました。壊れかけた母と、そんな母といっしょに壊れそうな陸を救いたい、と言うとおこに、幽霊の男の子がこう言います。

「私にも教えて。私はどうしたらいいの?どうしたら、母や陸を救えるの?」
「救えない。とうこが救えるのは、とうこだけ。とうこが救われると、彼女や彼も救われる。部分的に。人はたまに、自分が完璧に誰かを救ったと勘違いするみたいだけど、救うってのはせいぜい部分的にってことなんだ。」
自分が、自分を救えれば、それは誰かを部分的にでも救ったことになる。それはちょっと自分に都合のよすぎる考え方かもしれないけれど、でも真実である部分はあるだろうし、ほんとうにつらいときにそう思うことができたら、少しでも這い上がることができるんじゃないかなぁと、思いました。

自分の大切な人が苦しんでいるときに、その人を救いたいのにどうしていいかわからない自分がいるときに、その人がちょっとでも救われてくれたら、きっとうれしい。きっと自分も救われますよね。
| あ行(大島真寿美) | comments(2) | trackbacks(1) |
チョコリエッタ [大島真寿美]
4048734466チョコリエッタ
大島 真寿美
角川書店 2003-03

「人間なんてまっぴら。私は犬になりたい。」

知世子は高校2年生の女の子。「チョコリエッタ」と呼んでくれていた母は、ずっと昔、小さい頃に事故で死んでしまった。ずっと一緒にいた犬のジュリエッタも、私をおいて死んでしまった。何もかも、人間でいることすらいやになってしまった知世子がすごす、春、夏、秋の物語です。

タイトルと、表紙の絵がかわいかったので読んでみました。大島真須美さんという方の本は初めて読んだのですが、なんというか不思議な文章で、知世子の一人しゃべり?なのですが、何かこう引き込まれてしまう、独特の雰囲気がある物語でした。

知世子と、その先輩の男の子の会話の一節にこういうのがあるのですが、そこが一番印象に残りました。

「でも、さっき思ったの。私はほんとうは死にたいのかもしれないって。」
「それならやっと生まれたのかも。だって死んでいる人間は死にたいなんて思えないもの。」
「チョコリエッタ」こと知世子が高校の映画研究会に入っているため、作品中にいろんな映画が登場します。特に重要なのが「フェリーニ」の「道」。私は見たことないのですが、これを読んだら見たくなってしまったので、これからレンタルビデオ屋さんに行ってきます。
| あ行(大島真寿美) | comments(1) | trackbacks(0) |