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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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マルコの夢 [栗田有紀]
4087747883マルコの夢
栗田 有起
集英社 2005-11

パリで日本食材をレストランに卸す仕事をしている姉のに呼ばれ、フランスへ渡った一馬。取引先の三ツ星レストラン「ル・コント・ブルー」で働くことになった彼ですが、オーナーから幻のキノコの買いつけを依頼され…。

とにかくキノコの物語です。主役はキノコです。はじめから終わりまでキノコ…。でもどうせならもっと奇妙に、もっとキノコキノコしてしまってもよかったのでは?!と思いました。主役級が出てきて、盛り上がってきたところで物語が終わってしまったというか…。ここからがおもしろかったのに!、と。もっとはちゃめちゃになるのかと思いきや、わりと普通に終わってしまいました。その余韻がまたいいのかもしれませんが…(笑)。

いつもほど「ぷはっ!」と笑うところはなかったのですが、それでも一番好きだったのはこの姉弟のお母さんかしら…。お父さんもおかしかったですけど、何気にお母さん、一番おもしろかったです(笑)。他にもいろいろおかしい人が大真面目に出てくるのですが、この夫婦のことも含め、もっと彼らについて書くか、まったく書かないかでよかったのではないかしら…と思ってしまいました。なんか唐突すぎてしまって。何のためにでてきたのかわからないわ?というか。(特に前半のレストランの方々)。どうせならもっと書いてほしい!奇妙な彼らが大好きなので…!

この作品が芥川賞を獲れなかったのは残念ですが、いつか何かでぜひ賞を獲っていただきたい!と切望しております。はい。
| か行(栗田有起) | comments(14) | trackbacks(10) |
ハミザベス [栗田有起]
4087746291ハミザベス
栗田 有起
集英社 2002-12

「ハミザベス」と「豆姉妹」の二つの中編が収録されています。

まず「ハミザベス」。なんかおしゃれタイトルと思っていたのですが、読んでみたら「エリザベス」をもじってつけたハムスターの名前だったので(ハムスターのエリザベス→ハミザベス)なんだか力が抜けました(笑)。さすがです。物語の中に出てくる、主人公の二十歳の女の子まちると、その幼馴染の男の子の会話がとても好きな感じでした。特にぐっときたのがこの部分。

「まちるはどうなの。好きな人できた?」
「いないね」
「本気で人を好きになったことあったっけ」
「あったっけとは失礼だね。
本気ってどういうこと?夢中になるってこと?」
「夢中になるのは期間限定。本気になったら永遠を目指す。」
うーん。深い。教えられました(笑)。あと、まちるのお母さんの「人生はほこりとの戦い。勝てる見込みは五分と五分。」というのも勉強になりました。これから先、掃除をするたびに思い出してしまいそうです。

そして「豆姉妹」。どちらかというこっちの方が個人的にはおもしろかったです。「ハミザベス」もあいかわらずすっとぼけたかんじでおもしろいのですが、「あれ?おわり?」というところでお話が終わっちゃったので…。

主人公は十六歳の女の子。自分が子供なのか。子供って、大人ってどういうことだろう。生きるってどういうことだろう。責任って何だろう。と思い悩むシーン。ここで行き詰まらず、暗くならず、次の展開がこうくるところが栗田さんのすごいところです。

考えれば考えるほどおそろしくなる。
できれば逃げたい。知らんふりしたい。
ちょっと、べつのことを考えてみよう。
孔子は言った。
友、遠方よりきたる、また楽しからずや。間違えた。そっちじゃなくて、十五にして学にこころざす、三十にして立つ、のほうだ。ここからわかるのは、孔子でさえ立ったのは三十歳のとき、ということだ。四十にしてまどわず、五十にして天命を知る、六十にして耳したがう、七十にして心の欲するところにしたがって、のりをこえず。
後半はよくわからないが、七十歳になったとき、やりたいようにやってそれが道をはずれないっていうのがすごい。これぞ自由だ。ラブアンドピースだ。
十六歳の女の子がなんで「ちょっと別のことを考えよう」で出てくるのが「孔子」(笑)。しかも思い出すべきもの間違える(爆笑)。ここだけおもわず三回くらい読み返してしまいました。何度読んでもおもしろかった…。(全然本のテーマと違うんじゃ…。)

ラストも、とても好きな感じの終わり方で大満足!でした。
| か行(栗田有起) | comments(8) | trackbacks(6) |
お縫い子テルミー [栗田有起]
4087746887お縫い子テルミー
栗田 有起
集英社 2004-02

流れの立て屋・テルミーこと照子の物語である表題作「お縫い子テルミー」と、小学生の男の子が主人公の「ABARE・DAICO」という作品の二本立てです。

「お縫い子テルミー」は芥川賞の候補作だったそうですが…おもしろい!です。私はだいたい芥川賞の作品が苦手なのですが、これは好きです。あ、受賞作じゃないのか。私が好き系だから受賞できなかったのでしょうか。うーん。

『オテルモル』がおもしろかったのでこの本も読んでみたのですが、共通するおもしろさがありました。まず登場人物がとても魅力的であるということ。この真面目なのにどこかとぼけた感じが、たまらなくおもしろいのです。テルミーとその想い人シナイちゃんとの会話なんて特に最高でした。(「ナイスガッツ」っていうのに笑いました。)そして、特にドラマチックな出来事が起こるわけでもないのに、ぐいぐい読ませてしまうところ。よい、です!おもしろ小説でないのに、こんなにおもしろいなんて…!すごいなぁ。

ちなみに「ABARE・DAICO」の主人公、誠二のお母さんのこのセリフに一番笑いました。

「ねぇ誠二。見てよこの巨乳アイドル。体は熟れてるのに、童顔よ。そそるわねえ。私なんて顔はばばあで幼児体型。はは」
お母さん、最高です!!(いや、おもしろ小説ではないのですが…。)
| か行(栗田有起) | comments(15) | trackbacks(8) |
オテルモル [栗田有起]
4087747468オテルモル
栗田 有起
集英社 2005-03

姪っ子の美亜とその父親と、三人で暮らしている希里。彼女が就職を決めた先は「オテル・ド・モル・ドルモン・ビアン」。勤務時間は日没から日の出まで。地下にあるその不思議な会員制ホテルで彼女は…。

なんだか、いやにおもしろい物語でした。爆笑小説!とかいうわけではなくて、全体的には静かでたんたんとした雰囲気なのですが、何かこう妙におもしろいのです。登場人物はみな真面目も真面目、大真面目なのですが、その真面目がおもしろいというか。すっとぼけているというか。特に、主人公希里の一人想像の暴走気味なところには、何度かくすりと笑ってしまいました。希里の上司である外山さんもよいキャラクターです。いえ、あくまでもおもしろ小説ではないのですが…。

なんだか、もっと読んでいたい感じの本でした。お客さんとのいろんなエピソードとかでもう一冊書いてくれないかなぁ…。(この本でもちょっとは出てくるのですが、それがまたえらくおもしろかったので!)
| か行(栗田有起) | comments(7) | trackbacks(11) |