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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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しゃべれどもしゃべれども [佐藤多佳子]
410123731Xしゃべれどもしゃべれども
佐藤 多佳子
新潮社 2000-05

今昔亭三つ葉こと、外山達也。ひょんなことから落語指南を引き受けてしまった彼の元に集まってきたのは、あがり症の青年に猫のような美女。さらに小学生や口下手な野球解説者までがやってきて…。

直木賞候補おめでとう記念再読です。(なんのこっちゃ)。

この本が、私と佐藤多佳子さんの出会いの本でした。原因が何だったのか今となってはおぼろなのですが(その程度だったってことかな)、何かで激しく落ち込んでいた私は、元気が出る本が読みたくて、心があったかくなる本が読みたくて、切羽詰って必死になっていました。「誰でもいいから、何でもいいから、誰か助けて」そんな中で出会った本でした。ああいう状態のときに、こういう本に出会える。あぁ、読書の神様っていうのは、ほんとにいるんだなぁと、そう思いました。

この本は、「悩んで弱っていた人が、がんばって、幸せになってめでたしめでだし」っていう本じゃありません。そういう意味での「解決」はいっさいないと言っても過言ではない…。でも、この本を読んで私の中に沸き起こってくる「力」は本物なのです。よくできたハッピーエンドよりも、ここで語られる物語のほうが、ここで四苦八苦する彼らの姿のほうが、私の心にあったかな火を灯すのです。まだ大丈夫、がんばれるって思わせてくれるのです。不思議だなぁ…。

何度読んでも、やっぱり大好きな一冊でした。
| さ行(佐藤多佳子) | comments(6) | trackbacks(4) |
一瞬の風になれ 3 ―ドン― [佐藤多佳子]
4062136813一瞬の風になれ 第三部 ― ドン―
佐藤 多佳子
講談社 2006-10-25

一瞬の風になれ 第一部 ―イチニツイテ―』、『一瞬の風になれ 第二部 ―ヨウイ―』に続く、『一瞬の風になれ』三部作の第三部、ついに完結編です。

高校二年生の終わりから、三年生へ。新入生の入部。新しい人間関係。そして、ついにやってくる最高の舞台…。「位置について」、「用意」、そして、この「ドン」で駆け出した彼らがまぶしくてまぶしくて、どのセリフも、どのシーンも輝いていて、読みながら何度も涙がこみ上げました。シンプルな、王道の青春モノ。でも、だからこそこんなにも伝わるものがあって、こんなにも響くものがあって、感動があって。そういうふうに書ける佐藤さんがすごい、ほんとうに読んでよかったと思います。

全編が新二の一人称で語られるこの物語。期間にしてほぼ三年間、単行本で三冊。こんなにも長い間、誰かの心の中をのぞいたのは、誰かの気持ちを痛いほど感じたのは、はじめての経験かもしれません。

新二がつぶやくこんなセリフが、私がこの本を読んだ感想そのままです。

マジで泣きたくなる。人間は悲しいとか、人間は素晴らしいとか、そんなことだが、言葉になんかできない。
そして、この物語がこのラストで終わるということ。普段だったら「えー!消化不良!」ってなるのかしらと思ったりもしましたが、不思議なことに、読み終えた自分の中にそんな感情は微塵も浮かんできませんでした。だって、私は、私たちは、もう知っているから…。彼らが、この先どうなっていくのか、どんなふうに生きていくのかってことを。この物語の続きは、きっと私たちの中にあります。

余談ですが…一番好きだったキャラは「風水男・浦木さん」でした。最高だ(感涙)!
| さ行(佐藤多佳子) | comments(21) | trackbacks(16) |
一瞬の風になれ 2 ―ヨウイ― [佐藤多佳子]
4062136058一瞬の風になれ 第二部 ―ヨウイ―
佐藤 多佳子
講談社 2006-09

『一瞬の風になれ』三部作の第二部です。前回の『一瞬の風になれ 第一部 ―イチニツイテ―』が高校入学時の話で、この第二部ではもう彼らは二年生になっています。

壁にぶちあたったり、くよくよしたり、挫折したり迷ったり。そんな中でも恋の芽生えがあったり、でもそれでまた迷ったり。新しい出会いがあれば、別れもある。これぞ青春…。私が遠くに置いてきたはずの、あの恥ずかしいくらいに一生懸命だった日々が、ここにはあります。それはまぶしいくらいで…。

今回はさらに新二の前に大きな壁が立ちふさがります。ものすごく、大きな壁が。でも、この壁は、どうしても、どんな形であっても、いつかは乗り越えないといけない壁だったはずです。第三部で、彼がどんなふうにこれに立ち向かって行くのか、どんな風に乗り越えるのか(それは信じてます!)、見守って行きたいと思います。

努力したぶん、きっちり結果が出るわけじゃない。だけど、努力しなかったら、まったく結果は出ない。
あぁ、「どうせ報われないから」、そんなことを理由に、努力しないのはもうやめようと思います。それは理由じゃなくて言い訳でした。

早く第三部読まなくちゃ…。(全部一ヶ月遅れて読んでいる私)。位置について、用意…私も、心して彼らの「ドン!」を待ちたいと思います。
| さ行(佐藤多佳子) | comments(11) | trackbacks(12) |
一瞬の風になれ 1 ―イチニツイテ― [佐藤多佳子]
4062135620一瞬の風になれ 第一部 ―イチニツイテ―
佐藤 多佳子
講談社 2006-08-26

中学まではサッカーをやっていた新二。サッカーの天才である兄・健一と自分を比べてばかりいた新二だが、高校に入学し、幼馴染の親友・連と一緒に陸上部に入部したことから、彼の中で何かが変わりはじめ…。

全3巻の予定で、この第1巻が出たのが8月。後は順に9月10月と刊行予定…1ヶ月も待てるのか??3巻そろってから読むべきか??とさんざん悩みましたが、やっぱり手を出してしまいました。えぇ!悔いはありません!!…!

とは言ったものの…続きが読みたい〜!!ちょっと悔い?いや、これで3ヶ月間、待ちわびて楽しく過ごせるというものですよ。(←マケオシミ)

兄はサッカーの天才、親友は陸上の天才…という新二が主人公。彼は自分もずっとサッカーをやっていて、そして今度は陸上を始めるのです。ちょっと想像しただけで、心がずきずきしてきそうな、そんな境遇。私がそんな状況にいたら…考えたくないですが、ものすごく卑屈になって、結局なにもしないと思います。サッカーも、陸上も。

でも新二くんは、(ときどきは人間らしくちょっと卑屈になりつつも)、「何かをしたい」「何かになりたい」という気持ちを、常に忘れていない男の子。前向きって、こういうことを言うんだ…と、しみじみ思ってしまいました。気持ちのいいくらい、真っすぐな男の子です。この素直さが私にはまぶしい…(年寄り?)。

天に与えられた才能を持っているのに全然真面目に練習をしない連、野獣のようなルックスで連にあこがれる根岸、一見ぼーっとした顧問のみっちゃん…ちょっと変わったこの高校の陸上部の面子。新二を取り囲むそんな人々もなんだかステキで、彼らと一緒に新二がどう成長していくのが、どんなかっこいい男の子になるのか、楽しみで仕方ありません。

とりあえず、2巻を読まねば!!(実はもう出てます)。
| さ行(佐藤多佳子) | comments(15) | trackbacks(13) |
サマータイム [佐藤多佳子]
4101237328サマータイム
佐藤 多佳子
新潮社 2003-08

十一歳の僕が、ある日どしゃ降りの雨のプールで出会った少年。彼と、僕と、僕の姉・佳奈。三人の織り成す物語。

「サマータイム」「五月の道しるべ」「九月の雨」「ホワイト・ピアノ」という四つの短編が収録されています。

最初「サマータイム」だけ読んで、えぇ?これで終わっちゃうの?もっと読みたい〜!と思ったら、その後に収録されているのが同じ彼らの物語だったのでうれしくなりました。

それぞれの物語ごとに切り替わる主人公。それが語られる歳もさまざまで、それだからこそなんだか彼らの中での時間の流れというのをすごく意識させられました。感電するぐらいの出会いができた年頃…いいなぁと思います。
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スローモーション [佐藤多佳子]
スローモーション
佐藤 多佳子
偕成社 1993-04

主人公は高校一年生の女の子、千佐。バイクで事故ってから一日中家でごろごろしてるニ十二歳の「ニイちゃん」と、ちょっと奇妙な同級生、及川周子。二人が出会って、何かが変わり始めた。十六歳の千佐が見つめる世界の物語です。

なんというか、あの高校生ぐらいだったころの「居心地の悪さ」みたいなものが、ものすごくリアルな物語でした。女の子同士の距離の取り方や、クラス内での自分のポジションや、ちょっとしたいじめや。それなりに楽しくやっているのに、何か違う、どこか違う。そういう感覚がすごく生々しかったです。

しかし千佐はほんとうに賢い。賢いというか、冷静というか、クールというか(同じだ)。こんな風に自分の周りや世の中が見えてるってすごい。私は全然こんなじゃなかったと思います…。

「児童文学」と言ってしまうには、いつもよりちょっと温度が低め。もうちょっと大人。出会いと別れ、ほろ苦い青春小説でした。
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神様がくれた指 [佐藤多佳子]
4104190020神様がくれた指
佐藤 多佳子
新潮社 2000-09

スリで逮捕され、出所してきたばかりの辻牧夫。電車の中で少年少女らのスリグループの犯行を目撃した彼は、彼らを捕まえようとしますが逃げられてしまい、逆にひどい怪我をさせられてしまいます。怪我のせいで意識朦朧としていた辻を助けたのは、占い師の昼間薫。警察も病院もいやだという辻を、昼間が自分の家まで連れてきたことから、彼らの奇妙な共同生活がはじまります。スリグループをつかまえようとする辻、一人の占い客に妙に心ひかれる昼間。出会うはずのなかったはずの二人が出会ったことで、事件は思わぬ展開をみせ…。

どんどん展開するストーリー、そして事件。先が気になって気になってどきどきして、結構読み応えのある分量でしたが、一気に読みました。おもしろおかしいようで、シリアス。軽妙なようで、それだけでない。読み終わって心にずっしりきました。人が生きていく姿…。

私は、基本的に「犯罪を犯す人」について、どうしてそんなことをしちゃうんだろう、なんでそんなふうに育っちゃったんだろう、わかんないなぁ…と単純に思っていたクチなのですが、この本を読んで、なんだかいろいろ考えてしまいました。わかったなんていうのはおこがましいけれど、生まれとか、育ちとか、本人には選べなかった何か。ただ単に「本人が悪い」とか「甘えてる」とかでは済まない何か。そういうものが哀しくて、心に重かったです。

ちょっとだけ納得がいかないのは登場する「女性」二人かな…。咲と永井の、どちらにもいらいらさせられました(笑)。男の人が書く「女性」にいらいらさせられることは多々あるのですが、女性の方が書く「女性」にもいらいらすることがあるんだなぁと。あなたたち、もうちょっとしっかりしなさい!

でも、そう思ってしまうくらい、「人」がしっかり書き込まれているということで、佐藤さんはさすがだと思いました。どの登場人物にも思い入れができてしまうのです。「敵役」すら憎みきれないんですから困っちゃいます。

そんなわけでこのラストは、納得がいくような、いかないような…。だって彼が〜。いや、でも、うーん…。もやもや。

とりあえず、明日からカバンをしっかり持って電車に乗ることを心がけます(笑)
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ハンサム・ガール [佐藤多佳子]
4652074328ハンサム・ガール
佐藤 多佳子
理論社 1998-07

小学五年生の二葉の家族は「えらくヘンテコリン」。元プロ野球選手にして、現在は専業主夫のパパ。大阪に単身赴任中、バリバリのキャリアウーマンのママ。BFに夢中なお姉ちゃん…は、まぁ普通。そして野球が大好き!で、男の子ばっかりの野球チーム「アリゲーターズ」に入団希望の二葉。そんな二葉の毎日がいきいきと描かれた、まさに青春小説!です。

「男子」とか「女子」とか、そういう風に分かれてくるのって、そういえばこのくらいの頃だったなぁ…。なんだかなつかしい気持ちになりました。

そして、こんなふうに「自分の家が他の家と違う」っていうことを、なんだか恥ずかしく思っちゃう気持ちも、確かにあったなぁと思います。パパのこともママのことも大好きなのに、でも隠したくて、そんな自分がイヤで。二葉の葛藤する気持ち、よくわかります。そんな二葉を見守り、励まし、いつも味方でいてくれるパパとママ。うらやましくなっちゃうくらい、ステキな家族です!

なんかフツーじゃないけど、いいのよ、あれで。
やっとそう思えるようになったんだから。
そんな二葉に拍手!!がんばれ、女の子!
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イグアナくんのおじゃまな毎日 [佐藤多佳子]
4036101102イグアナくんのおじゃまな毎日
佐藤 多佳子
偕成社 1997-10

「生きている恐竜をあげる」そんな約束をした徳田のジジイが樹里の11歳の誕生日プレゼントにくれたもの。それは「イグアナ」だった!パパもママも樹里も、全然こんなの飼いたくないのに、徳田のジジイがこわくて断れず、世話をするハメに。イグアナに「ヤダモン」という名前をつけ、樹里たちの奮闘がはじまります…。

なにしろ児童書なので、最初は「フリガナ」が気になって仕方なかったのですが、すぐ慣れました。というか、どんどん引き込まれてしまいました。樹里ちゃんのあまりの口の悪さに(笑)。

いやがらせのようにイグアナを押し付けてきたのはパパの上司。怒らせたらクビになってしまう…というわけで、責任を押し付けあいながらもなんとか世話を始めるのですが、もう、誰もこんなことやりたくないんだ!という様子がとてもリアルで、笑っちゃいけないのですが笑ってしまいそうでした。たしかに「ひっどいこと」です…。

そんな樹里ちゃんが「愛が芽生えたわけじゃないんだけど」だんだんヤダモンと仲良しになって、パパも、ママもだんだん受け入れていって…なんかとても幸せな気分になりました。最後は気分爽快です!パパ、よくやった!!!

登場人物がいい人ばっかりじゃなくて、主人公もただ「いい子」なわけじゃなくて、そういうところがなんだかすごくよかったです。イグアナが飼ってみたく…はなりませんでしたが(笑)。素敵な夢を見させてくれるヤダモンくん。一日くらいならレンタルしてみたいかな!
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黄色い目の魚 [佐藤多佳子]
4104190039黄色い目の魚
佐藤 多佳子
新潮社 2002-10

かなり、好き!!です。すごくいい!です。絶賛!!!です。佐藤多佳子さんといえば、『しゃべれどもしゃべれども』のイメージがありましたが、こっちのほうが私はダントツで好きです。なんというか、うまくいえませんが「ど真ん中!」でした。どきゅーんと。

こんな切ないような苦しいような、うーん、っていう気持ち。心のひりひりする感じ。こんな風に書けるなんて、こんなふうに揺さぶられるなんて、伝わってくるなんて、うわー!すごいです。男の子の気持ちも女の子の気持ちも、両方。どきどきしました。でも、ただの恋物語じゃないんです。っと、もっと大きな物語です。あらすじの説明なんてうまくできないくらいに。(書こうと思ったら、結局この本一冊になっちゃいます。コレ!読んで!という感じです。)

読み始めたときは「短編集かな」と思っていたのが、読み進めていくうちにひとつのお話になっていって、それがまた楽しくて、どきどきして先が楽しみで…。残りのページがどんどん少なくなって、終わってしまうのが残念でした。開いた本の左側が薄くなっていくのが恨めしいくらいでした。もっともっと読んでいたかったなぁ。

一筆書くごとに胸いてぇ。描きながら泣きそうになる。めめしくて死にたくなる。
こっちは読みながら泣きそうでした。

がんばれ少年!!!!
| さ行(佐藤多佳子) | comments(15) | trackbacks(8) |