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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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僕僕先生 [仁木英之]
4103030518僕僕先生
仁木 英之
新潮社 2006-11-21

時は唐代。若き王弁は父の財産に寄りかかり、学ばず、働かず、娶らず、ひたすら安逸を貪っていた。そんなある日、父の命で黄土山へと出かけた王弁は、そこでひとりの美少女と出会う。自らを僕僕と名乗るその少女、なんと何千何万年も生き続ける仙人で…不老不死にも飽きた辛辣な美少女仙人と、まだ生きる意味を知らない弱気な道楽青年が、五色の雲と駿馬を走らせ天地陰陽を大冒険。第18回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作。

うーん、さすがファンタジーノベル大賞!期待を裏切らない一冊でした。ちょうど先日『泣き虫弱虫諸葛孔明』を読んだばっかりだったから、読めない漢字もどんとこい!ってなもんで、免疫もできていて、ばっちりでした。(何か間違っているような気も)。

装幀や挿画がとてもかわいく(ちょっと「しゃばけ」あたりを目指したのかしら?と思ったり)、まぁ本文の調子にあってるかどうかというとちょっと「…?」という気もしましたが、でも登場人物たちが魅力的で…一気に読めてしまいます。主役である王弁の、成長と恋(?)の物語。ファンタジーワールドへ飛べること請け合いです。

これからバンバン上手になられるんだろうし、先が楽しみだ!と思いました。

ちなみに「僕僕先生」っていうのはそういう中国の古典があるんだそうで。でも…きっと読めないだろうなぁ。間違いなく読めないだろうなぁ。(いろんな意味で…)。
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欲しい [永井するみ]
4087748332欲しい
永井 するみ
集英社 2006-12

人材派遣会社を経営する由希子は四十二歳、独身、恋人は妻子持ち。彼が帰った後は、出張ホストを呼び寂しさを紛らわせる日々。そんな中、彼女の会社に派遣登録している女性が、元の夫に職場に押しかけられ金を無心されるという事件が起こり…。

読み始めたときは、「孤独な女性の心の機微を鋭く描く」的な恋愛モノだと想像していたのですが、読み進めて行くうちに…あれよあれよという間にミステリィ仕立てに急展開。目が離せなくなりました。

女性経営者である由希子、出張ホストのテル、派遣社員のありさ。物語は各章ごとに語り手を変えて展開していきます。語り手それぞれの独白。それぞれが本当のことを語っているはず。それなのに真相がわからない。何かがおかしい、何かがこう、ひっかかったまま…。一気に読んでしまいました。

読後感は…正直あまりよろしくありません。人間って…と、ため息の一つもつきたくなるくらいのものです。このタイトルについて、しみじみ考えてしまいました。「欲しい、欲しい、欲しい」。文字通りの人の「欲」、そして「業」…。

というわけで、読んだ後よりも、読んでる最中が一番どきどきして楽しかったかなぁと。そういう本でした。
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均ちゃんの失踪 [中島京子]
4062136155均ちゃんの失踪
中島 京子
講談社 2006-11-10

ガールフレンドが何人かいて、ふらふら失踪する癖があって、ともかくろくでもない男「均ちゃん」。その均ちゃんが失踪中に、彼の家に空き巣が入った。そして、三人の女が関係者として呼ばれ…。

まぁまぁ面白かったです。なんとなーく、ゆるーく、テンション低めの物語。「一人の男をめぐって複数の女が」って物語ならよくありそうなのに、それでいてこのテンションの低さというのは…なかなかないと思います。彼女は自分だけだと思っていた二十代の女の子と、セカンドとして付き合っていた三十代の女性と、四十代の元の奥さんという三人の組合せもバラエティがあってよかったし、それぞれがこの設定から想像されるほどこの「男」に執着していない感じが…新鮮でよかったというか。意外感があって面白かったです。

物語は「均ちゃんの失踪」「のれそれ」「彼と終わりにするならば」「お祭りまで」「出発ロビー」というふうな章立てになっているのですが、この各章で主役が変わります。女性三人の物語が順番に語られて、そして「均ちゃん」の物語が語られて、最終章で最初の語り手だった二十代の女の子の語りに戻って、この物語は幕を下ろします。この構成も意外と効いていてよかった…。なかなか渦中の男の独白が聞ける物語ってなかったような気がするので。そしてそれがまたゆるーくピントハズレな男全開な感じでよかったので(笑)。

個人的に一番ぐっときてしまったのは「彼と終わりにするならば」でした。なんか涙が出そうになってしまった…。彼女の気持ちがわかりすぎて、このゆるーい物語中、一番激しく心が揺れ動いた物語がこれでした。
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愚行録 [貫井徳郎]
4488023878愚行録
貫井 徳郎
東京創元社 2006-03-22

東京のある街で起こった一家四人虐殺事件。さまざまな証言を通して浮かび上がる被害者家族の、そして人間たちの姿は…。

直木賞候補にもなった作品です。なるほど。なかなか…、まぁまぁ…、少なくとも一気読みはしました。

こういう「全てがインタビューに答える人の「答え」で構成される物語」という手法は、結構いろいろなところでみるようになってきたと思うし、そこに目新しさはなかったのですが、この作品ではそこにもう一つプラスアルファというか、そういう要素があって、ラストにどうつながっていくのかなぁと思っていたら…こうくるのか!という、ちょっとした驚きはありました。読んでいるうちにわりと手は明かされているので、驚愕ってほどじゃなかったですけれど、ほう、なかなか面白い方法だなぁと。

でも、この構成だとつい期待してしまうのが、「何が起こっているのか最初のうちはわからなくて、だんだんわかってくる」その過程の怖さだったりするのですが、この本の場合はそれは最初っから全部分かっているので、そこだけちょっと物足りなかったかなと。でもまぁメインはここで語られる「人」の姿の愚かしさ、そして語る「人」の愚かしさ、という部分でしょうから、それは(共感はもてないまでも)伝わったかなと思います。

それにしても…私はこの被害者女性と同じ大学の出身なのですが、この物語の中で語られるこの「大学」に関する証言というのが…全部初耳で(笑)、そこに一番びっくりしちゃいました。誰!作者さんにこういう嘘を教えた人は!!!少なくとも私は、男性に荷物を持ってもらったことは一度もないし、持ってもらってる人を見かけたこともほぼないし、「内部生と外部生の間の深い溝」も実感したことないし、ましてや車で通学してランチ食べに自由が丘まで出る人なんて見たこともありませんっ!!!

…私だけじゃないことを祈りつつ。
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初恋 [中原みすず]
4898150640初恋
中原 みすず
リトルモア 2002-02

私は「三億円事件」の実行犯だと思う。
―秘密の扉がいま静かに開かれる。

えーと、作者が中原みすずさんで、この本の中の「私」も中原みすずさんですけど、これ、フィクションですよね?(本気で混乱しているわたくし)。

表紙がステキだったのと、映画化ってことで話題になっていたので読んでみましたが…ふーん…。すいません、感受性に乏しくて…。みすずや、彼女を取り巻くまわりの人々の「心」というかそういうものが私にはあんまり伝わってこなかったです…。「で、なに?」くらいの。あぁ、すいません。 時代が違うからと言ってしまえばそれまでですが、それでも、体験してなくても伝わるときには伝わるものですよね。

恋の話といえば恋の話なんでしょうけど、「恋愛小説」だとはあんまり思わなかったし(岸からの手紙にはちょっとどきどきしたのですけど)、事件の話も特にワクワクとかハラハラとかしないし…どこで盛り上がったらいいのかよくわかりませんでした。なんか、淡々としすぎてしまって。ごめんなさい。

そもそも「三億円事件」に知識も興味もない人が読んじゃダメだったかしら…。
というかそもそも「物語」として読もうとしてはいけない?え?そういうことですか?
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遮光 [中村文則]
4104588024遮光
中村 文則
新潮社 2004-07-01

「私」が黒い袋に入れ、大事に持ち歩いている瓶に入っているもの、それは―。

「狂気」の話なのでしょうか。でも、私は読んでいてどうしてもそう思えなかった…。狂気とひと言でくくってしまうには違和感がある。何か、何かソレとは違うもの。

この主人公である「私」の姿が、淡々と語られているその姿が、読んでいる私に、ものすごく苦しかったです。「自分」というものがなくて、でもそのことについて具体的にはなにも思っていなくて、全ての行動がどこかで見たような演技でありフリでありわざとであって、「こうしたらこうなるだろう」「ここはこうする場面だろう」、そんな感情で行動して、その結果に陶酔したりする、そんな主人公の姿が。そういうふうにしたいんじゃなくて、そういうふうにしかもうできない、そんな主人公の姿が。

そんな彼が持ち歩いているのは、死んでしまった恋人の「指」です。友達たちには彼女が死んだことを隠して、さも元気でいるかのように振る舞って、その陰でホルマリン漬けにした指を持ち歩く彼。なんとなく「演技」の流れで付き合い始めたようなことを彼は自分で言っているのに、「彼氏として振舞うこと」が楽しかったと言っているのに、それなのにその言葉と彼の取った行動は裏腹で。でも彼自身はその矛盾に何も気付いていなくて。それが読んでいる私にはとても痛々しかった…。

読み進めていくとどんどん切なくなってきます。この人は、自分でも気付いていないだけで、演技なんかじゃなくて、ほんとうに心から彼女を愛していたんじゃないかって。その気持ちが痛いし、気付いていないことが痛いし、気付いていないのにこんな行動をとってしまっていることがまた痛いのです。彼自身の中にある、彼を見つめる第三者的な眼と、私という第三者の眼と。どうしたらいいのか、わからなくなってきました。

幸福な狂人、そんなものが実際に存在するのかどうかわからないが、私には、狂人というのは一般的に幸福に見えた。美紀は私に、ずっと一緒にいてくれと言った。人間はこの世界に嫌というほどいるのだから、私一人が狂ったとしても、それは別に大した問題でもないように思えた。
好きな作品、というのとはまた違う、「泣ける恋愛モノ」というのともまた違う、でも奇妙に心につきささる、不思議な本でした。世界に存在する「どうしようもない事項」、作者さんの書かれているあとがきも、とても印象的でした。
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怪盗グリフィン絶体絶命 [法月綸太郎]
4062705788怪盗グリフィン、絶体絶命
法月 綸太郎
講談社 2006-03

ニューヨークの怪盗グリフィンに、メトロポリタン美術館が所蔵するゴッホの自画像を盗んでほしいという依頼が舞いこんだ。いわれのない盗みはしないというグリフィンに、依頼者はメットにあるのは贋作だと告げる。「あるべきものを、あるべき場所に」が信条のグリフィンがとった大胆不敵な行動とは?!(第1部)
政府の対外スパイ組織CIA(アメリカ中央情報局)作戦部長の依頼を受けたグリフィンは、極秘オペレーション<フェニックス作戦>を行うべく、カリブ海のボコノン島へ向かう。その指令とは、ボコノン共和国のパストラミ将軍が保管している人形を奪取せよというものだったが…。(第2部)

子どもの頃に読んだ本みたいな…どきどきして、わくわくして、ハラハラする、そんなシンプルに面白い本でした。うっかり年をとっている私は「さらに裏があるんじゃぁ…」とムダに勘繰って深読みし、かなり疑いながら読んでしまいましたが、そんな心配はご無用でした(笑)。いやだわ、大人って…。
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プラネタリウムのあとで [梨屋アリエ]
4062131757プラネタリウムのあとで
梨屋 アリエ
講談社 2005-11

心の中に小石を作ってしまう少女、体が膨張する少年、吸脂鬼に脂肪を吸われる乙女、自分の抜け殻を咀嚼する異母姉…。少し変わった恋の物語四篇が収録された短編集です。

主人公はみんな中学生の男の子や女の子。この漢字のルビの振り方から察するに、これは児童文学のジャンルだったのですね…。知らずに読み始めました。こういうのを、「恋バナ」って言うんですかね。なんかもう私には遠い世界のお話にみえました(笑)。もうちょっと繊細な人や、ほんとにこの主人公たちの年齢の人が読んだらまた違った響き方をするんだろうなぁと思います。
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ふたたびの恋 [野沢尚]
4163219307ふたたびの恋
野沢 尚
文藝春秋 2003-06-15

シナリオ教室の教え子で恋人でもあった新子から、ドラマ作りの協力を依頼された晃一は…。表題作「ふたたびの恋」のほか「恋のきずな」「さようならを言う恋」の恋愛中篇全3篇を収録。

なんというか…そこはかとなく古い感じ??シナリオライターさんがシナリオライターの話を書くというその安直さはどうなのかしら…と思いながら読んでしまいました。悪くないんですけど、やっぱり小説読んでる感じがあまりしないというか、脚本のト書きを読んでいるような、そんな気持ちになったりも…。 先入観ありありだからでしょうか。(悪い癖です)。

でも、それぞれそんなに長くない枚数の中で、きっちりお話がおさまってて、きちんとラストに着地するっていうのはやっぱりすごいなぁと思いました。
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唇のあとに続くすべてのこと [永井するみ]
4334739512唇のあとに続くすべてのこと
永井 するみ
光文社 2005-10-12

優しい夫と、かわいい娘、自らも料理研究家として活躍する海城奈津。何の不足もない平穏な日常を送るかに見えた彼女のもとへ、結婚前、不倫関係にあった上司の事故死の連絡が入る。その葬儀で元同僚の藤倉と再会した奈津は…。

再会に揺れる奈津の心を描いたラブストーリーでありながら、上司・岸の死の謎をめぐるサスペンスでもあり。自分でも抑制がきかないままに藤倉に惹かれていく奈津の心の葛藤や、その周囲の人々の人間模様の描写がものすごく鮮やかで、胸にせまります。ぱっと見、散漫で全体的にきれいにまとまっていないのかもしれませんが、この感じこそリアルだと私は思いました。現実なんて、何もかもに、釈然とした、きっちり説明できる美しい理由が存在するわけではないのですから…。
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