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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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西日の町 [湯本香樹実]
416321190X西日の町
湯本 香樹実
文芸春秋 2002-09

僕と母の暮らすアパートに、ある日突然転がり込んできた母の父「てこじい」。そのまま居座ってしまったてこじいですが、夜になっても決して横になって眠ることなく、部屋のすみでじっとうずくまったままです。そんなてこじいを邪険に扱ったり、そうかと思えばやさしくしてみたりと、戸惑いを見せる母。そんな母の姿を見つめる10歳の「僕」は…。

このお話の舞台は、なんだかとても昔みたいです。貧しかった子供のころの自分。大人になった「僕」の話が物語の中にたびたび出てくるのですが、その過去と現在のいったりきたりが、時代の移ろいを感じさせました。

お母さんの、突然現れた「父親」に対する態度、なんだかわかるなぁと思ってしまいました。やさしかったり、残酷だったり、あぁ、家族ってそういうものだ、と。子供のころはお父さんが大好きで、お父さんにとっても自慢の娘で、でも、もう今は大きくなってしまって、いつまでも昔のままではいられない。何かが少しずつ変わっていく。憎んだこともきっとあって、それでもやっぱり家族で。そんなことが、ぶわーっと伝わってきて、なんだか切なかったです。

いままでに読んできた湯本さんの本とはちょっと感じが違いました。苦手な感じすらしてしまい、大好きな作家さんなのに悲しいなぁと思ってよく見たら「芥川賞候補作」と。…やっぱり!(どうしても苦手みたいです。芥川賞。どうしてだろう!)苦手だったけど、でも、自分が親になってから、もう一度読んでみたいと思いました。
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春のオルガン [湯本香樹実]
4198602506春のオルガン
湯本 香樹実
徳間書店 1995-02

小学校を卒業し、中学校に入学するまでの「春休み」。12歳のトモミと弟のテツが過ごした日々の物語です。

自分がこのくらいの歳だったころ、世界はこんな風に見えていたかもしれない、自分をこんな風に思っていたかもしれない、そういうことを思い出させてくれる物語でした。バラバラになりかけた家族、中学受験に失敗した自分、近所とのモメゴト…12歳は子供かもしれないけど、でも12歳なりにいろんなことを考えて、感じて、悩んで生きてるんだということ。あの心の痛み。

描写は決して明るくありません。途中で心が苦しくなって、読むのがしんどくなってしまうようなところもありました。それでもこの先に光は絶対にあるんだというのを感じさせてくれる、そういう雰囲気の物語でした。読み終わって、とてもステキなものを読んだという気持ちになりました。家族って、いいなと思いました。

ジブリの「トトロ」に出てくるみたいな、兄弟がまだ子供同士で、ずっといっしょにいる、あの一瞬のきらきらした時間。そんなきらきらがいっぱいつまっています。

それにしてもこの兄弟はとてもステキです。トモミはなんだかんだ言っても「お姉ちゃん」だし、テツは絶妙にすっとぼけてるし(笑)。トモミがテツにいうこのセリフが、とてもお気に入りです。(テツくん、ごめんね。)

「あのね、あんたはしょっちゅう、アタマのねじ落っことすの。自分じゃ気づいてないみたいだけど」
(笑)。

「夏の庭」「ポプラの秋」と並んで、大好きな本がまた一つふえました。

#余談ですが、本の装幀がちょっと中身のイメージと違ったかな…。
| や行(湯本香樹実) | comments(2) | trackbacks(2) |