プロフィール
chiekoa

呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
カレンダー
S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< August 2018 >>
カテゴリー(作家さん別)
過去の読書日記
このサイト内を検索
OTHERS
  管理者ページ
  RSS1.0
  Atom0.3
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | - | - |
四月になれば彼女は [川上健一]
4408534757四月になれば彼女は
川上 健一
実業之日本社 2005-07-16

「あなたの人生のターニングポイントは?」そう聞かれて思い出す、あの一日。高校を卒業して三日目、明日からは社会人という、あの春の一日。十八歳の少年の心を鮮やかに描いた、青春小説です。

肩を壊して野球選手への夢をあきらめた主人公・沢木圭太。無気力な日々を送っていた彼ですが、その日はなんだか、駆け落ちすると息巻く友人を手伝ったり、不良グループと因縁のケンカをしたり、初恋の女の子と再会したり、いろんなことがいっぺんに起こります。さらにひょんなことから「相撲取りになろう!」と熱烈アタックされ、そのあおりで決まっていた就職は取り消されてしまい、挙句の果てには親戚一家の斬った張ったの乱闘騒ぎに巻き込まれ…。これが、(これ以外にもいろいろが)、ほんとうに全部たった「一日」に起こったのですから、なんとも忙しい一日です。

そしてこの小説は、そのたった一日の物語なのです。学生でも、社会人でもない最後の一日。その一日を過ごして、圭一が何をどう感じて、そしてどう変わったのか。人は一日でこんなにも変わることができるのかという、おどろきに満ちた物語でした。若いって、すごいですね。まさに可能性のかたまり。

圭太に起こった出来事もすごいですが、彼を取り巻く周りの友人たちもなんとも個性的な面々でユニーク。真面目くんあり、おとぼけくんあり、熱血くんあり…。なんだか読んでいてうらやましくなりました。こういう「友人」って、女の子同士じゃほぼありえない。こんな関係は築けない。男同士ならではだなぁ…って思いました。ほんと、うらやましいです。いいなぁ!

そんなわけで、私は女ですから、読んでいて「へぇ、そういうものなのかぁ。」とただ感心してしまうような部分(ほら、あの、その、そういうこととかですよ!)があったりして、懐かしい思いをするということはあまりなかったのですが、それでもなんだかほほえましいというか、心があったかくなりました。そういうところもあわせて楽しめました。男の人が読んだらもっと面白いんじゃないかなぁ…。


【追記】
「四月になれば彼女は」というと、つい大好きなキャラメルボックスのお芝居の方を連想してしまう私…。そのせいで、このタイトルを聞いて浮かぶ曲は、読んでる間ずっと頭の中に流れていた曲は、サイモン&ガーファンクルの「April Come She Will 〜四月になれば彼女は」ではなく、ポリスの「Every Breath You Take 〜見つめていたい」なのでした…!
| か行(川上健一) | comments(8) | trackbacks(5) |
ビトウィン [川上健一]
4087747530ビトウィン
川上 健一
集英社 2005-03

大大大大大好き!な『翼はいつまでも』の川上健一さんのエッセイ集です。

私は知らなかったのですが、川上さんは『雨鱒の川』のあと体調を悪くして、『翼はいつまでも』で復活するまで、なんとおよそ十年間(!)執筆活動から離れていたのだそうです。このエッセイではその間(ビトウィン)の「慢性的手元不如意状態」の家族三人と、仲間たちとの暮らしぶりが、ほんとうに生き生きと描かれています。

作品を書いていないわけですから、当然のように川上家はとっても貧乏。川上さんが釣ってくるイワナが食卓を彩るご馳走!という日々です。でもそんな暗さなんて微塵も感じさせず、三人はとってもこの生活を楽しんでいます。それはもう…うらやましくなってしまうくらいに!

川上さんもすばらしいですが、何より奥さんと娘さん(沙月ちゃん:通称ヅキちゃん)が最高です。明るくて健気で…。こんな家族といっしょだったらそりゃぁ素敵だろうな!と。笑顔と感謝と思いやりに満ちた暖かい生活。こんな暮らしから生まれた『翼はいつまでも』が素敵なはずだ!と、とても納得しました。

「小さなうれしいことが大きなうれしさに感じられた」ビトウィン生活。どんなにお金があっても得られない、大事なことですよね…!
| か行(川上健一) | comments(6) | trackbacks(3) |