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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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ビタミンF [重松清]
4104075035ビタミンF
重松 清
新潮社 2000-08

主人公たちは基本的に中年のおじさんたちで、自分とは性別も年齢も全然違う人たちなのですが、その人たちの背負っている心の重さが、どうしてこんなに自分に染みてくるんだろうと、読んでいて不思議な気持ちになるほどでした。

正直、重すぎてつらかったりもしたのですが、それぞれの短編の最後でふっと力が抜けるような、気持ちが楽になるような、そんな気持ちを味わえました。これで解決、万事オッケーというわけじゃないけれど、でも…ちょっと微笑むことができるような、そんな感じでした。

私は親にこんなふうな思いをさせてきちゃったのかな、自分が親になったときにこんなふうな思いをするのかな、いろんなことを思いながら読みました。自分のこれからの人生の節目節目で、読み返してみたい気持ちになるのかもしれないなと思いました。とりあえず、子どもができたらきっとまた読むと思います。

私にとっての「ビタミンF」の「F」は、やっぱり「Family(家族)」です。
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きよしこ [重松清]
4104075043きよしこ
重松 清
新潮社 2002-11

子供のころ吃音がひどかったある「作家」のところへ、同じ吃音で苦しむ子供を持つ母親から手紙が届きます。「子供を励ましてやってください」と。彼は、その子供に励ましの手紙を書くかわりに、物語を書き始めます。

彼のそばに、その物語がただあればいい、いてくれればいい。

そんな願いを込めてつむがれるその物語の、主人公の名前は「きよし」。吃音で悩んでいるきよしの、小学校からオトナになるまでの日々が、短編でつづられていきます。どこかなつかしくて、切なくて、そしてなによりもやさしいお話たちでした。初・重松清さんだったのですが、この物語はかなり「お気に入り」になりました。表紙の絵もすてきですし、各短編ごとについている扉絵もとてもすてきです。

物語の最後には、「作家」さんの思いがつまっています。

夢があった。
いつか、個人的なお話を書いてみたい。ぼくとよく似た少年のお話を、少年によく似た誰かのもとへ届けて、そばに置いてもらいたい。
ゆっくり読んでくれればいい。難しいことは書いていない。ぼくは数編の小さなお話のなかで、たったひとつのことしか書かなかった。
きよしこは言っていた。
「それがほんとうに伝えたいことだったら…伝わるよ、きっと」
きっと、思いは届いたと、伝わったと、そう思いました。
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