おしゃべり大好きな海の仲間たちは、海中で、にぎやかに言葉を交わしあいます。フジツボ、トビウオ、マンボウから港に停泊中のヨットやボートまで、海の住人たちが語る、短い物語。さあ、あなたは、どのお話から読みますか。
クレヨン王国シリーズでおなじみの福永さんの作品です。読み始めるまで知らなかったのですが、この「スケッチ童話集」は春夏秋冬をテーマにした四部作になっているようです。これは冬ですね。他の作品も読まなくっちゃ!
ここで繰り広げられる世界は、クレヨン王国とはまた全く違った世界です。本の装幀とか文字の大きさとかを見ると、子ども向けの本のように感じられますが、これはむしろ大人向けなのじゃないかな…と思います。ドキドキしてしまうくらい過激で、ちょっと不思議で、ざくっと切り取られたような世界。心が痛むくらいの、そんな世界でした。
「四季こそ日本文化の骨格だ」と断言なさる福永さんの、気持ちを心を、いつまでも感じられる自分でありたいと思います。
「スケッチ童話集」刊行済作品
『
ゆうれい宿と妖精ホテル』(夏)
『
迷子のお月見遠足』(秋)
『ウソつけボートとホラふけ魚』(冬)