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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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底辺女子高生 [豊島ミホ]
4344408322底辺女子高生
豊島 ミホ
幻冬舎 2006-08

「本当の私」なんて探してもいません。みっともなくもがいてる日々こそが、振り返れば青春なんです―。「底辺」な生活から脱出するため家出した高校二年の春。盛り下がりまくりの地味な学祭。「下宿内恋愛禁止」の厳粛なる掟。保健室の常連たち。出席時数が足りなくて、皆から遅れた一人きりの卒業式。最注目の作家によるホロ苦青春エッセイ。

へぇ〜、そんな歴史のある方だったんだなぁと。なかなか面白いですが、でも「あの頃は…」って振り返るほど、そんなに昔のことでもないんじゃないの??って思っちゃいました。「私ってこんなにすごい」っていう上のアピールも、「私ってこんなに駄目」っていう下のアピールも、まぁ「私って私って」ってところでは同じだよなぁと…。それをなんかもうちょっと突き放して語れるようになってから(それは一般にもっと年を取ってからということですけど)書いたほうがよかったんじゃないかなぁ…。だいたい「人に笑って話せるような過去なら大丈夫!全然底辺じゃないない!」って思ってしまう私は、根が暗いですか?!

人間、義務は負担だが、やらなくていいことはそう負担でもないのである。劇場で見て気に入った映画のDVDを、いざ手にしてみると意外と見ないのは、「見なければならない」という義務感が生じるからだと新聞で読んだ。その逆で、義務が義務でなくなると「まあ、やってもいいよ」という気になるもの…じゃないだろうか。
このくだりは「はぁ、なるほど!」と思いました。読みたくて読みたくて予約して待ってた本が、いざ手元にくるとなかなか読まないのもそういうことかしら…。

それにしてもこの表紙の絵も、本文のイラストも全部豊島さんが書いていらして、それがとても上手でびっくりしました。すごいなぁ。さすが元美術部!
| た行(豊島ミホ) | comments(7) | trackbacks(4) |
エバーグリーン [豊島ミホ]
4575235555エバーグリーン
豊島 ミホ
双葉社 2006-07

シン15歳、アヤコ14歳。中学校の卒業式の日に、二人が交わした約束。「お互いに夢をかなえて、10年後に、ここで会おう」。そして10年の月日が流れ…。

これはまた…えらくさわやかな王道の青春小説でした!ストーリー的にはものすごく予想通り(私の好みではないにせよ…)のところに着地してましたが、それがいいんだろうし、そしてなんというか、そこで語られる彼らの「心境」のリアルさが上手いなぁ!という感じでした。まぁまぁ満足。

個人的には前半が好きです。『檸檬のころ』にも出てきそうな、地味で普通な中学生。あのくらいの頃に自分が感じでいたこと。「自分」という世界が全てだったあの頃。あぁ、わかるなぁという感じ。胸が痛くなりますね…。今となったら笑っちゃうくらい、まっとうに青臭かったんですけど。

10年後、彼らがそれぞれ24歳、25歳になった後半がいまいち物足りなかったのは、作者さん自身がまさに彼らと同じ歳だからかな(そもそもだからこういう年齢設定になったのかな?)、とは思いました。真っ只中にいたらわからない、過ぎ去ってからの方がわかることって、ありますよね。私はもうこの年齢は過ぎ去ったので(!)。

いやでも決して悪いわけではなく、読んでいて一番心が痛かったのは、その後半のこんなシーンでした。街中にあふれるありふれた風景の中で、ふと立ち止まるアヤコ。

当たり前の生活に宿る愛しさが、あふれて、あふれて、でもそのなかに私は入っていけない。
この疎外感、急に襲ってくる不安、わかるなぁ…。でもね、それって一生ついてまわるんです、きっと…。いや、それが人生ですけれどね!まだまだ先は長いです。
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陽の子雨の子 [豊島ミホ]
4062133687陽の子雨の子
豊島 ミホ
講談社 2006-03-28

14歳、中学二年生の夕陽。担任の先生のところに遊びに来ていた、先生の同級生・雪枝と、その日をきっかけに親しくなった夕陽ですが…。

なんだかとっても独特の世界でした。この夕陽くんの繊細な感じが…ほんとにこんなナイーヴな男の子って、実在してるのかしら?って思っちゃうくらいに描かれていて。引き込まれます。でもまぁこの「世界」が好みかというと…ちょっと私はぜんぜん繊細じゃないので…。でも彼らには彼らなりにこれからたくましく生きていってほしいなぁと思います。心から。

ちなみに、物語の中で交わされる「普通の男の子」の会話がすごく気に入りました。少年…いいぞ!よし!
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夜の朝顔 [豊島ミホ]
4087748065夜の朝顔
豊島 ミホ
集英社 2006-04

「入道雲が消えないように」「ビニールの下の女の子」「ヒナを落とす」「五月の虫歯」「だって星はめぐるから」「先生のお気に入り」「夜の朝顔」。なんにもない田舎で暮らす小学生センリの、小学校1年から6年までの各1年の出来事を、それぞれに綴った物語たちです。

ぶっちゃけ私は小学校の頃の記憶があまりない痴呆な人間なので…。(少なくともこんなにちゃんと物事を考える子ではなかったと思われますが)。特に低学年の頃の記憶はほとんどありません。それもあって、主人公に共感…というのは特にできず、わかるような気がするというか、読んで楽しくなってきたのは、後半、4年生以降かなぁという感じでした。…ダメ人間。

友達、兄弟、親、先生…小学生である自分を取り巻く様々な人々との関係。センリが年齢を重ねるごとに、それらの関係が、そして自分自身が少しずつ変わっていくのが、読んでいてすごくよくわかります。子供も、いろいろ大変なんだ、な。

1年生から6年生までの1年ずつの短編集だから、6作品かと思いきや、7作品あって、「あれ?」と思ったら、4年生が2編あって、うち1編は書き下ろしなのですね。私の心に一番残ったのが、その書下ろしの「五月の虫歯」でした。どんどん上手になっていっているということでしょうか…これから先の他の作品も楽しみです。
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青空チェリー [豊島ミホ]
4101199418青空チェリー
豊島 ミホ
新潮社 2005-07

檸檬のころ』で気になっていた豊島さんのデビュー作である「青空チェリー」が収録された短編集です。

こういうのがデビュー作だったのか!という衝撃が(笑)。へぇ〜。
いやらしいことを書いている(?)のだけど、いやらしくないなぁという感想…。さらりと読めます。逆の作品も世にはあるじゃないですか。さらっと書いているのに、すごくいやらしいっていうのも…。その対極だな、と思いました。「第1回女による女のためのR‐18文学賞読者賞受賞作」だそうですが、このくらいだったらR-18じゃなくてもいいんじゃないでしょうか?(←あ、大人の発言?)

他に収録されているのが「ハニィ、空が妬けているよ。」と「誓いじゃないけど僕は思った」の二編。「ハニィ」の方は、戦時下が舞台の(でも時代は現在の?)物語。首都にいる恋人「教授」と、疎開した地元の「ダーリン」二人の男性をめぐる、主人公「ハニィ」の物語なのですが、なんだか不思議な…えーと…、テンションを合わせて巻き込まれて読まないとちょっとしんどいかな(笑)。

というわけで、個人的には「誓いじゃないけど僕は思った」が一番心に残りました。とっくの昔に知らないところで生きるようになった「アツコ」を、ずっと思い続ける僕・浩介の物語。「永遠」を思う、その気持ち、なんだか分かるような気がしました。キミは、それでいいと、私は思う!
| た行(豊島ミホ) | comments(2) | trackbacks(1) |
檸檬のころ [豊島ミホ]
4344007476檸檬のころ
豊島 ミホ
幻冬舎 2005-03

田んぼと山に囲まれた、コンビニの一軒もない田舎の高校を舞台にした、連作短編集です。

授業に出なくなってしまった友人との関係に悩む「タンポポのわたげみたいだね」。司法試験に何度も失敗している主人公の苦い思いをつづる「金子商店の夏」。野球部の少年と吹奏楽部の少女の恋を描いた「ルパンとレモン」。高校生専用の寮を舞台にした物語「ジュリエット・スター」。音楽ライターを目指す音楽大好き少女の恋の物語「ラブソング」。生徒のサボりに大学受験面接、問題だらけの生徒を抱えた先生の苦悩を描く「担任稼業」。そして高校を卒業し、遠く離れ離れになる恋人たちの別れの物語「雪の降る町、春に散る花」。

実はあまり期待しないで読み始めたのですが(ゴメンナサイ)…思ったよりすごくよかったです。ここで描かれているのは、きっと誰もが経験したことがあるだろう「高校生活」。派手じゃない、目立つわけでもない、そんな高校生が織り成す物語。私の高校時代はもう遠くなってしまったけれど、なんだか懐かしく思い出しました。あぁ、恋もしたなぁ。一生懸命生きてたなぁ、って。ちょっと胸が痛くなりました。

一番好きだなと思ったのは「ルパンとレモン」。男の子の淡い恋心の物語は私にはツボらしいです…。グっときました。すごくすごくすごく切なかったです。

「地味な人なりの青春を、いつか書きたいと思っていました。」という作者さんの言葉どおりの青春小説でした。「高校時代なんて、何もなかったよ」という方、これを読んだら、きっといろんなことがよみがえってくると思います。
| た行(豊島ミホ) | comments(11) | trackbacks(8) |