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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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透明な旅路と [あさのあつこ]
4062128365透明な旅路と
あさの あつこ
講談社 2005-04-27

雨の月夜、街婦の白い頸を締めて車で逃亡中の吉行明敬は、街路灯一本ない道で、一組の少年、幼女に遭遇する。「家に帰りたい」という幼女・和子を送り届ける決心をした明敬だが…。

こういうの「モダン・ミステリー」って言うんですね。あさのあつこさんの大人向けの本…なのかな。でもやたらと漢字にフリガナがふってあって、なんだか児童書チックだなぁと思ったり。いやでも、やっぱり「大人」な本ですね。うん。ほら、そういうシーンとか…ですよ。えぇ。

なんというか、すごく「雰囲気」のある本でした。読みやすいのもあるけど一気読み。夢と現、その曖昧な境界線。不思議な世界に、自分も迷い込んだような気持ちになりました。少し心が苦しくて、切ない。こんな雨の季節にぴったりの一冊でした。
| あ行(あさのあつこ) | comments(3) | trackbacks(2) |
福音の少年 [あさのあつこ]
4048736310福音の少年
あさの あつこ
角川書店 2005-07-20

同級生の藍子とつきあっている十六歳の永見明帆。そして藍子の幼馴染で同じアパートに住んでいる柏木陽。微妙なバランスの関係の三人。明帆の家に突然陽が泊まりに来たある日、アパートが火事で全焼・九人が犠牲になるという事件が起きる。真相を探り始める二人だったが、事件は思わぬ進展をみせ…。

混沌とした少年の闇をテーマにした作品です。本当の自分とはいったい何なのか?説明できない不安や恐怖におびえ、そんな中でも自分を飼いならそうとし、それもうまくいかずもがき苦しむ。そんな自分を持てあます。自分でも自分の中にあるものが何なのかわからない。でも伝えたい、わかってほしい。それなのにうまく言葉にならない、できない。そのもどかしさ…。読んでいて、私もその闇に捉えられ、苦しい気持ちになりました。

彼らは、触れたら切れそうな…というのでしょうか。ぎりぎりの境界を生きています。そしてそんな闇を抱えているからこそ、危ういからこそ、美しい。その感触が生々しくて、どきどきさせられました。そして、似通っていそうで、違う、この二人の少年の関係。そこにもどきどきさせられました。というか、どきどきはもうさせられっぱなしでした。彼らに、そして物語に。

生きていくって、なんて大変なんだろう…。ただ明るければいいものではない、前向きならいいものではない。そんなの嘘っぱちです。誰もが抱えている負の感情、闇。それでも、その闇の中に、どっかにきっと一筋の光が射す、それを信じたい、信じて欲しい…そんな祈るような気持ちでした。正直、読後感は爽快とはいえません。すっきりしない、心に重いものが残ったままです。でもそれも、その重さも、この物語が伝えたかったことなんじゃないかな…と思います。
| あ行(あさのあつこ) | comments(13) | trackbacks(4) |