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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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毛布おばけと金曜日の階段 [橋本紡]
4840222517毛布おばけと金曜日の階段
橋本 紡
メディアワークス 2002-12

お姉ちゃんは毎週金曜日、階段の踊り場で“毛布おばけ”になる―。あたしとお姉ちゃんと、お姉ちゃんの彼氏の和人と、3人で過ごすこの金曜日は、あたしが“家族”という言葉を実感できる瞬間であった。父と母を失い、姉妹だけになってしまってから、家族という言葉は意味をなくした。でも、金曜日の階段は、あたしにとって至福の場所なのである―。高校生・未明の周りに起こる様々な出来事を綴ったハートウォーミング・ストーリー。

今の私にはまさに「遠い日の花火…」という感じの、甘酸っぱい、フレッシュな物語でした。というかこういういわゆる「ラノベ」をものすごく久しぶりに読んだ気がします。

未明が語り手の「みちのながてをくりたたね」、和人が語り手の「花火の下、きみの微笑みを」、そしてまた未明の「缶コーヒーの行方」の三作品が収録されています。リアリティがあるような、ないような、不思議な物語たちでした。設定にはリアリティがないのかな、でも彼らの心の動きというかそういうものにはものすごくリアリティがありました。誰かを思う気持ちも、若さゆえの自己中も、そしてそれに対する嫌悪感も。あの空回りする気持ち。

ものすごくつらいことがあったときに、死ぬことも、狂って病院行きになることもできなくて、「毛布おばけ」になるしかなかったさくら。周囲からは「しっかりしている」「あなたがいれば安心ね」と言われている、そんな彼女が、一番壊れやすかった、ぎりぎりのところで生きていた、そういうのが、なんかすごく分かる気がしました。この物語の中に、さくらが語り手になる章はないけれども、でも彼女のことが一番苦しく気になる、そんな物語でした。
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空色ヒッチハイカー [橋本紡]
4103007524空色ヒッチハイカー
橋本 紡
新潮社 2006-12

憧れ続けた兄の背中を追いかけて、18歳の夏休み、僕は何もかも放りだして街を出た。兄貴の残した年代物のキャデラックに免許証。抜けるような夏空。ミニスカートにタンクトップの謎の美女・杏子ちゃんが、旅の相棒。個性あふれるヒッチハイカーたちと一瞬の出会いを繰り返しながら、僕は、ひたすら走り続ける。

18歳って、こんなにピュアだったかしら…とも思いつつ(自分のことと比べてはいけませんね)読みました。うーん、でもそんな「素晴らしい」兄を持って、こんなにすくすくと真っすぐに弟が育つものなんだろうか…と思ったりしました。健全すぎてむしろ不健全というか、普通どっかこう、ひねくれるものじゃないですかね?偏見ですけど…。これだけいい子に育ってるっていう、そっちのほうがよっぽど素晴らしいことのように思えました。きみ、成長しなくてもなんかもう十分なんじゃないかしら!そして杏子ちゃん…あのぅ…ありですか?それは、女として。

とまぁ、そんなこんなでちょっと人物像が想像しづらかったのですが、でもシンプルで爽やかな物語でした。ひたすら走り続ける主人公が、道すがら出会った様々な人々(こんなにいるの?ヒッチハイカーって!さらにこれがバラエティ豊かででなかなか)との交流の模様や、折に触れて挿入される過去の物語の回想や、そういうのがなんだかいい感じ。杏子ちゃんも、妙っちゃ妙ですが、なんか最後にはこれでいいのかもーという気もしてきましたし。こんな風に、すっかり老けてしまったわたしから見たら「それがナンになるの?」ってことを、理屈じゃなくて勢いでずばーんとやってしまえる、そういうのが「若さ」なんだろうなぁと思いました。(ふ、老けた感想…)。

私が読んできた今までの作品とはちょっとまた感じが変わったかな?という一作でした。これからも楽しみに追っかけようと思います!
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ひかりをすくう [橋本紡]
4334925081ひかりをすくう
橋本 紡
光文社 2006-07-21

グラフィックデザイナーの仕事を辞め、同居人の哲ちゃんといっしょに田舎に引っ越した智子。そこでの彼女の生活は…。

流れ星が消えないうちに』がなかなかお気に入りだったので、新作を読んでみました。うーん、やっぱりいいです。わー!とかきゃー!とか、そういう熱い気持ちじゃなくて、なんというか、ほんわかと、いいなぁと。好きだなぁと。春みたいな気持ちです。

生きていくってことは、わりと大変で、迷って悩んで答えを出しても、またその答えに迷ったり悩んだりしてしまって。でも、それでもやっぱり人は生きていくんだし、生きていくうちにはすばらしい瞬間が待ってたりする。そういう、本当につらいときには信じられなくなってしまいそうな「ひかり」を、信じさせてくれるような、見つけさせてくれるような、そんな本でした。

表紙もとっても素敵です。この画像じゃわからないと思うけど…。左上の青いのは、ただの青じゃないんですよ。右上の紫も、ただの紫じゃないんですよ。本屋さんで見かけたらぜひ手にとって確かめてみてください。きっとにっこりしちゃいます。

あと、中に登場する「お料理」たちがすごくおいしそうです。人間の体は食べ物でできてるんだっていうこと、ご飯を食べておいしいって思うことが、そう思えることがどれだけ大切かっていうこと、そんなことにも思いを馳せました。

お金のこと、仕事のこと、周りの人のこと、病気のこと。現実は、こんな簡単にはいかないのかもしれないけれど、でも、それでも。がんばってる人に。そして、がんばってがんばってがんばってしんどくなってしまった人に。きっと読んだら、心にあったかい「ひかり」がともると思います。オススメです。
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流れ星が消えないうちに [橋本紡]
4103007516流れ星が消えないうちに
橋本 紡
新潮社 2006-02-20

ある出来事をきっかけに、どうしても玄関でしか眠れなくなってしまった奈緒子。そしてそんな彼女のそばにいる恋人の巧は…。

初読みの作家さんで、あまり期待もせずに読み始めたのですが、どうしてなかなか、かなりよかったです!

奈緒子のパートと、巧のパートが交互に出てきて、それぞれの思いが語られます。何が二人の間に起こったのか、彼らが抱えているものが何なのか、それが読み進めるうちにだんだんと明らかになっていきます。そのお互いの気持ちが…なんとも切なくて、ラストまで一気に読みました。

特に好きだったのは「手をつなぐ」エピソードです。なんだかいいです。とってもいいです。たくましい!胸がいっぱいになりました。彼らが出した結論。「三人」は、きっとこれからもずっといっしょに「生きて」いってくれると、幸せでいてくれると、そんな奇跡を信じられるような物語でした。

橋本紡公式サイト ぐるぐるしっぽのきいろいねこ
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