グラフィックデザイナーの仕事を辞め、同居人の哲ちゃんといっしょに田舎に引っ越した智子。そこでの彼女の生活は…。
『
流れ星が消えないうちに』がなかなかお気に入りだったので、新作を読んでみました。うーん、やっぱりいいです。わー!とかきゃー!とか、そういう熱い気持ちじゃなくて、なんというか、ほんわかと、いいなぁと。好きだなぁと。春みたいな気持ちです。
生きていくってことは、わりと大変で、迷って悩んで答えを出しても、またその答えに迷ったり悩んだりしてしまって。でも、それでもやっぱり人は生きていくんだし、生きていくうちにはすばらしい瞬間が待ってたりする。そういう、本当につらいときには信じられなくなってしまいそうな「ひかり」を、信じさせてくれるような、見つけさせてくれるような、そんな本でした。
表紙もとっても素敵です。この画像じゃわからないと思うけど…。左上の青いのは、ただの青じゃないんですよ。右上の紫も、ただの紫じゃないんですよ。本屋さんで見かけたらぜひ手にとって確かめてみてください。きっとにっこりしちゃいます。
あと、中に登場する「お料理」たちがすごくおいしそうです。人間の体は食べ物でできてるんだっていうこと、ご飯を食べておいしいって思うことが、そう思えることがどれだけ大切かっていうこと、そんなことにも思いを馳せました。
お金のこと、仕事のこと、周りの人のこと、病気のこと。現実は、こんな簡単にはいかないのかもしれないけれど、でも、それでも。がんばってる人に。そして、がんばってがんばってがんばってしんどくなってしまった人に。きっと読んだら、心にあったかい「ひかり」がともると思います。オススメです。