| 四季 春 森 博嗣 講談社 2003-09 |
『すべてがFになる』の天才科学者、真賀田四季の少女時代の物語。
叔父、新藤清二の病院で密室殺人が起こる。唯一の目撃者は透明人間だった?!すべてを一瞬にして理解し、把握し、思考する才能に群がる多くの人々。それを遥かに超えて、四季は駆け抜けていく。其志雄は孤独な天才を守ることができるのか!? 四部作第一幕!!
私はこの「四季シリーズ」を以前、「Vシリーズ」を読む前に読んでしまっていました。おもしろくなかったわけじゃないけど何か損した気持ち…というわけで、再読です。しかし全く記憶が…。えーと、これ何かあったんだったような…なんだっけ?これは…どういうことだったんだっけ??この人…誰だっけ???
そもそもこの物語、「僕」の一人称で語られていくのですが、その「僕」が誰なのやらさっぱりわからないというすごさです。ものすごく考えながら読むので、とっても体力・気力を消耗します。めちゃくちゃ難しいのです。はぁ〜。読み終わると息切れしそうです…でも好き。この本もミステリィの視点でみれば、密室殺人事件というのがちゃんと(?)起きているのですが、読んでいる間その謎解きのことはさっぱり頭にありません。もう、ただ、四季の物語を読んでいる感じ。
ちなみに、ここでの四季は八歳です。『
赤緑黒白』で、紅子と出会い、会話を交わすシーンが再び出てくるので、思わず前の本を出してきて確かめちゃいました。おぉ!それにしても四季、天才すぎてちっともかわいくないというか…守ってあげたいみたいな感情は一切引き起こされません。寂しくないんでしょうか、孤独じゃないんでしょうか、そもそもそんな世俗的なことからはとっくに乖離しているのでしょうか。考えるだけ無駄ですけど、つい考えてしまいます。
そしてここでは、四季の家族たちの秘密なんかも明らかにされていきます。これはメモをとっておかないと後々きつそうな…。早く続きを読まねば…!(再び忘れちゃう前に!)