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ハミザベス [栗田有起]
4087746291ハミザベス
栗田 有起
集英社 2002-12

「ハミザベス」と「豆姉妹」の二つの中編が収録されています。

まず「ハミザベス」。なんかおしゃれタイトルと思っていたのですが、読んでみたら「エリザベス」をもじってつけたハムスターの名前だったので(ハムスターのエリザベス→ハミザベス)なんだか力が抜けました(笑)。さすがです。物語の中に出てくる、主人公の二十歳の女の子まちると、その幼馴染の男の子の会話がとても好きな感じでした。特にぐっときたのがこの部分。

「まちるはどうなの。好きな人できた?」
「いないね」
「本気で人を好きになったことあったっけ」
「あったっけとは失礼だね。
本気ってどういうこと?夢中になるってこと?」
「夢中になるのは期間限定。本気になったら永遠を目指す。」
うーん。深い。教えられました(笑)。あと、まちるのお母さんの「人生はほこりとの戦い。勝てる見込みは五分と五分。」というのも勉強になりました。これから先、掃除をするたびに思い出してしまいそうです。

そして「豆姉妹」。どちらかというこっちの方が個人的にはおもしろかったです。「ハミザベス」もあいかわらずすっとぼけたかんじでおもしろいのですが、「あれ?おわり?」というところでお話が終わっちゃったので…。

主人公は十六歳の女の子。自分が子供なのか。子供って、大人ってどういうことだろう。生きるってどういうことだろう。責任って何だろう。と思い悩むシーン。ここで行き詰まらず、暗くならず、次の展開がこうくるところが栗田さんのすごいところです。

考えれば考えるほどおそろしくなる。
できれば逃げたい。知らんふりしたい。
ちょっと、べつのことを考えてみよう。
孔子は言った。
友、遠方よりきたる、また楽しからずや。間違えた。そっちじゃなくて、十五にして学にこころざす、三十にして立つ、のほうだ。ここからわかるのは、孔子でさえ立ったのは三十歳のとき、ということだ。四十にしてまどわず、五十にして天命を知る、六十にして耳したがう、七十にして心の欲するところにしたがって、のりをこえず。
後半はよくわからないが、七十歳になったとき、やりたいようにやってそれが道をはずれないっていうのがすごい。これぞ自由だ。ラブアンドピースだ。
十六歳の女の子がなんで「ちょっと別のことを考えよう」で出てくるのが「孔子」(笑)。しかも思い出すべきもの間違える(爆笑)。ここだけおもわず三回くらい読み返してしまいました。何度読んでもおもしろかった…。(全然本のテーマと違うんじゃ…。)

ラストも、とても好きな感じの終わり方で大満足!でした。
| か行(栗田有起) | comments(8) | trackbacks(6) |
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コメント
「豆姉妹」わたしも本のテーマと違うところで面白かったです。アフロとかSMとか。
TBさせてもらいました。
| ひねもじら 乃太朗 | 2005/08/06 2:01 PM |
面白いですよねぇ…。この面白さはストーリーが面白いとかそういう「エンタメ」の面白さではなくって…なんというのでしょうね。でも大好きです!!
| chiekoa | 2005/08/07 10:23 AM |
栗田さん、本当に不思議な世界ですね。
登場人物も話の流れもおっそうくるか!って感じ。
アフロ、思い出すだけでニヤニヤしちゃう。
| なな | 2005/08/20 8:43 AM |
ですよね〜!しかしやっぱり「豆姉妹」のおかげで
「ハミザベス」はかすんじゃいますね…(笑)。
| chiekoa | 2005/08/23 11:55 AM |
たしかに「ハミザベス」は完全にかすんでますね。
「豆姉妹」のインパクト強すぎです!
アフロの主人公に女王様姉、オネエ言葉の義弟ですよ!突飛なんだけど、それぞれの真剣さは伝わるからすごい。
| june | 2005/08/28 10:19 PM |
juneさん、なるほど。「真剣」その言葉なんだかすごく
彼女たちにぴったりきますね!!
栗田さんの作品の登場人物全体にいえるかも…。
| chiekoa | 2005/08/29 12:03 PM |
登場人物たちは皆真剣なんですよね。
でも、彼らが真剣であればあるほどユーモラスさが醸し出されているような・・・そんな感じがします。
| tamayuraxx | 2006/02/01 9:20 PM |
そう、その大真面目なところがまたいいんですよ…!
大好きです。彼らが!
| chiekoa | 2006/02/03 4:26 PM |
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