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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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魔王 (エソラ vol.1) [伊坂幸太郎]
406179552X小説現代特別編集 エソラ [esora] Vol.1 2004.12
伊坂 幸太郎 吉田 修一 真鍋 昌平 他
講談社 2004-12-03

収録されている伊坂さんの「魔王」目当てに読みました。

よかった!すごくよかったです。やっぱり伊坂さん好きだぁ!と愛の告白みたいなことを思ってしまいました。私の中での伊坂さんベストランキングを考え直さねば…。衝撃でした。ほんとに、すごくよかったんです。

テーマはとても重いです。正直、伊坂さんがこういうものを書くとは思ってもみなかったので、驚きました。政治、外交、国際問題…そしてファシズム。日本という、この国の将来。勝手に「伊坂幸太郎、渾身の力作」という言葉が浮かんでしまいました。いや、別にすごく力が入ってるとか、重量感漂うとかではなく、ただ、なんだかすごく迫力があったのです。どしっと。

もちろん「伊坂節」は健在です。(このテーマをこのカラーを失わずに書けるところがまずすごい。)登場人物たちも皆いい感じ。特に主人公・安藤さんの弟の潤也くんとその彼女の詩織ちゃん、最高です。(伊坂さんの書く「弟」はいつも絶品!)テンポよく進む会話。散りばめられたおもしろエピソード。途中何度も声に出して笑いがもれました。

でも、そんな中で、安藤が感じている不安、恐怖。そんなものがとてもリアルに伝わってきて、自分も怖くなりました。ありふれた日常の中に少しずつ忍び込んでくる狂気。誰もそれと気づかない間にいつの間にかそこにある。それがどれだけ怖いことかを、この物語はまざまざと目の前にみせつけてくれました。そして自分が漠然と「イヤだ」感じていたことは、でもどう伝えていいかわからなかったことは、言葉にすると、文字にするとこうなるんだ、ってこと。私は「彼ら」のようにならないって言える?怖いです。怖かったです。

ちなみに、このタイトルになっている「魔王」は、シューベルトの「魔王」から取っているようで、作品の中にも登場するのですが、そこを読んでからあの、小学校の時に習った「おと〜さん、おと〜さん、まお〜うがいま〜」ってところが(ここしか覚えてない。)頭から抜けなくなりました。あの曲も怖かった…。

そして!何よりも私の中でツボだったのは「冒険野郎マクガイバー」が登場すること。しかも結構重要な役(?)ではないですか。びっくりしました。まさかこんなところで彼に会うなんて!最愛の彼に!もっとも「考えろ、考えろ、マクガイバー」ってセリフ、テレビのマクガイバーはもうちょっと軽い感じで言うんですけどね。ここではなんか切羽詰った感じで、追い詰められそうでちょっと怖かった。でもマクガイバー!私の大好きなマクガイバー!折りしも今日この2005年7月1日から待ちに待ったドラマ再放送が始まるマクガイバー!「そこで俺は考えた」きゃー!なんというかもうこれは…私とマクガイバーの絆?運命を感じました…!!(っていうか運命です。間違いなく。)

ちなみに、マクガイバーを演じた俳優さんの名前が「リチャード・ディーン・アンダーソン」。アンダーソン?安藤さん? ほら!

と、なんだか違うことで盛り上がってしまいましたが、とにかくこのお話は心にどっしり残ります。ズキリときました。だって、伊坂さんが書いているこの世界は、お話の中の世界じゃない、今、私たちが生きているこの世界なんですから。彼が憂えているのは「私たち」なんですから。

「でたらめでもいいから、自分の考えを信じて、対決するんだ。」
「今」これを読むことができて、よかったと思います。伊坂さんが、これを書いてくれて、よかったと思います。まだ、これを「怖い」と思えるうちに、読めてよかった。この本は伊坂さんが政治についてどう思っているとか、どう考えているとか、そういうメッセージなわけではありません。ただ、これを読んで読み手の「私たち」がどう考えるか。どう感じるか。彼が教えてくれたことを、無駄にしないようにしなくっちゃと思います。こんなふうに誰かが何かに立ち向かう姿を、ばかみたいかもしれないその姿を、ただかっこいい!と思うだけではなく…。
| あ行(伊坂幸太郎) | comments(21) | trackbacks(11) |
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コメント
私も伊坂幸太郎さんがだいすきです。
考えろ、考えろ・・・って言うセリフが私の中で、今でもこだましています。
| H.R | 2005/08/02 11:49 PM |
H.Rさんこんにちわ!
コメントありがとうございます。
特にマクガイバー好きにはたまらない物語でした…。
もちろん、そうじゃなくてもすごくよかったですけど!
「エソラvol.2」に続きが載ってるんですよね。
それもすごく読みたいです!
| chiekoa | 2005/08/03 11:57 AM |
これ、もうすぐ「呼吸」とともに単行本になるようです。
http://www.bk1.co.jp/product/2597988/p-gomataro54661
すごく良かったんですね。単行本楽しみですーー
| ざれこ | 2005/10/04 4:42 PM |
わぁ!「呼吸」も収録なんですね…。
ということはあの二作で終わり???
えぇぇ、もっと読みたい…。

講談社のページでサイン本予約受付してたので申し込んじゃいました!
http://shop.kodansha.jp/bc/yoyaku/books/maou/
| chiekoa | 2005/10/04 4:46 PM |
こんにちは〜。
自分これ、単行本で読みました。基本的に伊坂さんの本はハズレがなくていいですね。
さりげなく「死神の精度」の千葉さん出てきたり、他にも「おお、繋がる伊坂ワールド!」と違う楽しみもあって良かったです。
| ぶっか | 2005/10/31 9:53 PM |
私はなんだかものすごーくこの本好きなのです!
単行本も買ったのですが、感想どうしよう…(笑)。
| chiekoa | 2005/11/01 5:35 PM |
もうほとんど、恋愛感情に近い愛情すら感じています。chiekoaさんのコメントから、この人もだ!というものを感じてつい、コメントしちゃいました。
魔王は未読。図書館の予約待ちしてますが、なかなかお知らせメールがとどかずいじいじしています。
| nocchi | 2005/11/27 12:31 PM |
nocchiさん、ですよねですよね!愛です…!
魔王、なんだかまだあまり感想を見かけないのですが、
私は大大大大好きなので、ぜひ読んでみてください!
| chiekoa | 2005/11/28 5:33 PM |
こんにちは。
リチャード・ディーン・アンダーソン→安藤さんは気付きませんでした。
伊坂幸太郎はいいですねえ。
次回作が楽しみです。
よろしくお願いします。
| たい | 2006/01/15 11:51 PM |
アンダーソン説はどうなんでしょうね…。
そんなこと思ってるのは私だけかもです…?はらはら。
| chiekoa | 2006/01/17 5:33 PM |
考えろ,考えろ…が印象的でした。
「マクガイバー」本編はそんなに切羽詰った
感じじゃないんですね?うう見てみたいなぁ。
関西でも再放送してくれないかしら。

やっぱり伊坂さんはおもしろいですねー。
わたしも千葉さん出てきたときはちょっと笑いました。
お,またミュージックに反応してる!とか(笑)
| mamimix | 2006/01/29 6:31 AM |
あ!DVD出ましたから!買ってください!(宣伝)
普及委員会…。

わたし『死神の精度』を読む前にこっち読んじゃったんで、千葉さんにちゃんと出会ってないんですよ!ぎゃー!再読、何があっても再読…!
| chiekoa | 2006/01/30 11:53 AM |
はじめまして。
トラバ返しありがとうございます。
大盛況のサイトですね。
検索サイトからうかがったら、本屋大賞の部分がヒットしたのでそのままTBさせていただきました(せっかちな慌て者と笑ってください、笑)。
すいません、今度から気をつけます、ということでコチラにご挨拶コメント。再トラバしてもいいでしょうか?

伊坂幸太郎はデビュー作「オーデュポンの祈り」から人物が重なってたりする楽しみもありますが、この作品は珍しく政治がらみ、しかも中編連作ということで、いつもの伊坂テイストはそのままながら、スティーブン・キング(1冊で終わらないところ)か恩田陸(語り手・視点が変わるところ)みたいな感じと思いました。
先が待ち遠しいですね。

ミステリのカテゴリを始めたばかりですが、これからもよろしくお願いいたします。
タイピングが遅いのであまりコメントできませんが、訪問・コメント・TBお気軽にどうぞ。
| 藍色 | 2006/04/14 1:34 PM |
藍色さん、こんにちわ!
TBしただけでコメントもせずすいませんでした…(汗)。

こちらへのトラバはいつでもいくつでも大歓迎です!
あ、あんまりいっぺんにたくさんだとJUGEMがスパム扱いするかもしれませんが(笑)。

伊坂さんは、まだまだきっといろんな顔を見せてくれると思います。若いし…ほんと、楽しみで待ち遠しいです!

というわけで、今後ともどうぞよろしくお願いします!
| chiekoa | 2006/04/14 4:54 PM |
ありがとうございます。
お言葉に甘えて、TBさせていただきます。
私も本来はTBのみのスタンスですが、読書で盛り上がってるサイトを見つけてリンクをたどってしたTBにまったく反応がなくて、コメントをつけないといけなかったのかなーと。
(それで次の記事が止まってます。ちなみにそれは「悪党たちは千里を走る」です。)
ヘコんでいたらchekoaさんから本来とは外れたとこ(恥)でもTB返しをいただけたので、うれしかったのです。
他の記事もTBさせていただきます。
TB返し、お待ちしています(笑)。
| 藍色 | 2006/04/16 6:49 PM |
ようやく図書館で借りることができました。
TBさせてください☆

マクガイバーって本当にあったものなのですね。
知りませんでした。気になる〜



| easily | 2006/04/16 10:37 PM |
藍色さん、ありがとうございます!
反応がないとさみしい気持ちになるのは…わかります。私の場合は、基本的にコメントももらったらコメントも返す、トラバだけだったらトラバだけ(あ、でも言いたがりだから結構コメント書いちゃったりもしますけど)、という感じでやってます。そんな私でよければまた相手してやってください!許可をいただければコメント書きまくります(笑)。

easilyさん、マクガイバーをご存じない!オーノー!それはいけません!(嘘です)。最高ですよ〜大好きですよ〜。DVDもやっと発売になりました(10年近く待ちました!)。買ってください♪(また宣伝)
| chiekoa | 2006/04/17 1:40 PM |
chiekoaさん☆こんばんは
エソラ第一号で「魔王」は読んでいたんですけど、「呼吸」の方を読んでいなかったので、こうやって続けて読むと随分感じが違っちゃいました。
やっぱり怖い話だなぁって思います。
でも、千葉さんにまた逢えて嬉しい!(*^_^*)
| Roko | 2006/06/10 12:38 AM |
私もそういうふうに千葉さんに逢いたいです〜(涙)。どきどきしますけど、再読してみたいと思います…。
| chiekoa | 2006/06/12 5:13 PM |
 マクガイバーをご存知だったんですね!
 私は知らなかったので、調べてしまいました^^;;

 にしても、アンダーソン、安藤さん、と
 マクガイバーがつながるとは!!
 これにはちょっと、興奮というか、感動しました。

 これまでの伊坂さんの軽妙さは薄かったけど、
 私もこの作品、よかったと思いました。
| miyukichi | 2007/01/20 10:01 PM |
miyukichiさん、マクガイバーはDVDが出ましたので〜。よろしくです〜(しつこい)。

アンダーソンの件は、伊坂さんにお会いできたらぜひ一度聞いてみたい…「はぁ?」って言われる気がしますが(汗)。
| chiekoa | 2007/01/22 12:44 PM |
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