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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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さよなら、スナフキン [山崎マキコ]
4104617016さよなら、スナフキン
山崎 マキコ
新潮社 2003-07

『ちょっとひきこもりがちな女の子が編集プロダクションで生きがいを見つけるが、実は自分は必要とされていないと知り落ち込む…。愛されることに自信がないすべての女性に贈る切ないラブストーリー。』─と紹介されているのですが、この本を「ラブストーリー」というのには反対に一票です(笑)。どちらかというと、「ダメ女の成長物語(序章)」みたいな?

この物語、内容は暗いですが、全体のトーンは暗くありません。ただ、おもしろく書こうとしているのだと思うのですが、そのおもしろさが独りよがりというか、私にはあんまりおもしろくなく、そこが若干きつかったです。アニメとかゲームとか歌謡曲の引用ギャグはよくわからないし…、「激しく同意」とか使わないで欲しいし…。

そんなわけで最初のうちは結構読むのつらかったんですが、それでもドキっとさせられる部分があったりもし、後半はわりとよかったです。もとはWeb連載だったそうですが、書いているうちにこなれてきたということかしら…と、えらそうなことを思ったりしました。

この物語の中でとにかく繰り返されるのは「主人公の女の子のダメっぷり」です。山あり谷あり、しかしほとんど谷!みたいな。浮き沈み、でもだいたい沈んでます!みたいな。何かしなければと焦りつつも、動けないダメダメさ。自分に自信がもてなくて、果てしなく落ち込む気持ち。自分が人にどう思われているのか?ということが怖くて怖くてたまらない。誰かに認められなければ、誰かに必要とされなければ、自分の存在価値がわからない。わかるような気がしすぎて、もどかしくて、苦しくて、この主人公が好きになれなかったくらいでした。

アルバイト先の社長に言われた通りの仕事ができなくて叱られ、むちゃくちゃ落ち込む。言い訳をしようとして「社会に出たら言い訳は通用しない」と言われて、自分が汚い虫になったように思う。「仕事をくれる人と会ってお食事」をすることになったとき、「当日何を着ていけばいいのか」という問題で苦しむ。街に出てみても、何を着るべきなのか、何を買うべきなのかわからなくて途方に暮れ、同年代の女の子たちが嬉々として服選びをしているのを見て、敗北感を味わう。

自分の価値は、人の目のなかだけにあり、人の期待に添えれば価値ある人間、添えなければ価値のない人間というのが、昔からわたしを支配している掟だ。かくしてわたしは人の視線ひとつで気分を乱高下させる、嵐の夜の海に浮かぶ小船のような存在になっている。
わたしの目的はただひたすら、「会う人すべてに受け入れられること」だ。
すべての人が良いという、そんな夢の服を探してわたしは街をさまよい続けた。
あーもう!このヘタレっぷりが、情けなさ全開が、自分のこと言われてるみたいでイライラするんです(苦笑)。わかったわよ!で、だからどうしたらいいのよ!と思っちゃうのですが、その回答はありません。そんな彼女が成長していくのは、このお話のまだまだ先の話です。とりあえずうつむいていた顔を上げ…てみようかな、あ、上げたな、くらいのところでお話が終わります。この後も繰り返すんだろうなぁ。そんな彼女にエールを送るというよりは「まぁ、キミも頑張って。わたしも頑張るから…。」と力なく思って本を閉じました。

「大丈夫だよ」って誰かに言って欲しい。でも、もう子供じゃないんだから、それは自分でしなくっちゃ、ですね。

| や行(その他) | comments(2) | trackbacks(1) |
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コメント
chiekoaさん、こんにちは ^^
この本、ラブストーリーと紹介されていたのですか?
・・・それは、ちょっと違いますよね。確かに、
途中まで、これはラブストーリーにしようとしているのだろうか?
と思う展開の箇所もありましたが。
Web連載だと、途中から方針転換(微調整?)というような
こともあったのかもしれませんね。と勝手に想像してしまいました。
| tamayuraxx | 2006/01/27 9:33 PM |
そうなんですよ〜。まぁ、帯とか紹介文とか、出版側がつけてるようなのはあんまり信用しないほうがいいってことですかね(笑)。
| chiekoa | 2006/01/30 11:45 AM |
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[本]山崎マキコ「さよなら、スナフキン」
さよなら、スナフキン 山崎 マキコ / 新潮社最初に入学した大学を中退し、2度目に入学した大学も 不登校状態になっている大瀬崎(女)は、バイトをすることに なった編集プロダクションで、若い社長から、本を書けといわれる。 アルバイトながらいつしか仕事に熱
| Four Seasons | 2006/01/27 9:29 PM |