プロフィール
chiekoa

呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
カレンダー
S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< May 2018 >>
カテゴリー(作家さん別)
過去の読書日記
このサイト内を検索
OTHERS
  管理者ページ
  RSS1.0
  Atom0.3
<< 死神の精度 [伊坂幸太郎] | Top | 世界中が雨だったら [市川拓司] >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | - | - |
十八の夏 [光原百合]
4575234478十八の夏
光原 百合
双葉社 2002-08

表題作でもある「十八の夏」の他、花をモチーフにした四つの短編が収録されています。初めて読んだ光原さんの本です。

ミステリーと帯の紹介に書いてあったのですが、特にミステリーという感じはしなかったです。(読み違い?)あと印象に残ったことは、四つの短編の主人公がみんな男の人なこと。なんか意外でした。(勝手に女性が主人公の話だと思い込んでいたので…。)男性が主人公で、こんなに全体がやわらかい感じって、すごいなぁ。どのお話も特にインパクトがあるというわけではないんですけど、なんだかゆったり読めました。そして、どの短編にも漂う、どこまでも希望を失わない感じが…とても気持ちよかったです。きっと作者さんの人柄なんだろうなぁと、妙にそう思ってしまう物語たちでした。

受験に失敗して浪人生になった男の子と、年上の女性の、ひと夏の物語「十八の夏」。妻を亡くした書店員が恋に落ち、八歳の息子にどう伝えるか悩む「ささやかな奇跡」。恩師の“娘”に恋をしたらしい兄を持つ弟が語る「兄貴の純情」。

この「兄貴の純情」に出てきた、ちょっと変わったダメお兄ちゃんの、全然ダメじゃない一世一代の名台詞。

「人間ってのはな自分勝手なもんだ。人のためって言ったって、たいていは自分のために行動してる。誰かのために何かをするのは結局、その人が悲しむのを見ると自分がつらいからだ。その人が喜ぶのを見ると自分がうれしいからだ。それでいいんだよ。ただそれを忘れちゃいけない。それを忘れると、自分はアンタのためにこんなにやってあげたって優越感が生まれる。なのにアンタは返してくれなかったって恨みが残る。馬鹿な話だ。」
一番心に残りました。ズキっとしました。
ほんと、それじゃ馬鹿ですよね。このことを、ちゃんと忘れないでいられるような人間になりたいです。(難しいですけど…。)

そしてこの本の一番最後に収録されている「イノセント・デイズ」。妻の実家の塾で先生をしている主人公のところに、ある日、教え子だった女の子が六年ぶりに突然姿を現します。六年前、彼女にふりかかった忌まわしい出来事とは…という物語です。

他の作品に比べてこれが一番ミステリー色が強かったかなと思います。なるほど、内容は結構ドロドロしているし、恐ろしいことを書いているのですが、雰囲気がそうでもないのがなんだか不思議です。主人公の男の先生がどこまでもやさしいからかな…。作品中に出てきた、広島の県花「夾竹桃」のエピソードも、知らなかったですし、そしてまさにこのタイミングで読んだことで、とても心に残りました。ラストもよかったです。

【追記】
最後のあとがきを読んで、雑誌に連載していたときの挿絵を井筒啓之さんが担当していたということを知りました。それ見てみたかったなぁ…。(←大ファン。)
| ま行(光原百合) | comments(10) | trackbacks(7) |
スポンサーサイト
| - | - | - |
コメント
こんにちは。
わたしも夾竹桃の話,昨日思い出してました。
そんな由来があったんだなぁ〜と。

ヒロシマを題材にした作品だと,漫画ですけど
「夕凪の街桜の国」が相当よいです。
おすすめです(^ー^)ノ


光原さんは,「時計を忘れて森へ行こう」も
透明感のある作品でよかったです。
…なんだか読んだ本すべてブログに載せてない
ので,勇んでTBしようと思って自分の手持ち
カードのない衝撃を何度も味わってます。

ううむ,思い出し感想文を書こうかしら。
| mamimix | 2005/08/07 7:54 AM |
そういえば、全部男の人が主人公だったんですね。
chiekoaさんのを読んで気がつきました。
ゆったりとした空気が流れる素敵な本でした。
| なな | 2005/08/07 8:28 AM |
mamimixさん、書いてください書いてください♪
そっこーTBします!楽しみです!
『時計を忘れて…』は予約中です。評判よい感じなので待ち通しいです。

ななさん、私はなんだかびっくりしてしまってそれで気づきました(笑)。なんで女性が主人公だって思い込んでいたのか…謎です。それがミステリー…。
| chiekoa | 2005/08/07 10:30 AM |
表紙のせいでしょうかね?
どの話も素敵な女の人が出てくるから
そっちに気を取られていました。
だから思い出すのは語ってる人じゃなく出てくる女の人でした。


| なな | 2005/08/07 11:09 AM |
この本出版された時に送って頂いたまま本棚に・・・・。
後書きに僕のことが書いてあること、ここで知りました。
ありがとう。
| 井筒啓之 | 2005/08/30 6:29 PM |
ちゃんと読みましょう!(笑)
雑誌掲載時の挿画が、単行本になってしまうと見られない…というのは非常に由々しき問題だと思う今日この頃…。
| chiekoa | 2005/08/30 6:35 PM |
わたしもなぜか
女性が主人公だとばかり思い込んでいました。
実は、図書館の検索で最初にこのタイトルを見たとき
『時計を忘れて〜』の二年後のお話なのかと思ったのでした^^;
| ふらっと | 2005/09/15 6:14 PM |
何ででしょうね??
タイトルと表紙のイメージなのかしら…。
自分でもよくわかりません(笑)。
『時計を忘れて』の続きはぜひ出してほしいですけれど!
| chiekoa | 2005/09/16 11:08 AM |
そういや全部男が主人公でしたねえ。でも主役は全員陰が薄かったような・・。
突進型兄貴を「ジャイアン」と一蹴しちまった私ですが(笑)そんないいこと言ってましたか。こりゃ読み直さないと。
| ざれこ | 2005/10/06 2:20 AM |
「ジャイアン」(笑)。確かに!!!
でもほら、ジャイアンもたまにいいこと言うじゃないですか…!
(アニメの声優さんが変ってからは見てませんが〜。)
| chiekoa | 2005/10/06 1:12 PM |
コメントする








on
ご利用のブラウザ、設定ではご利用になれません。
この記事のトラックバックURL
 
トラックバック
『十八の夏』 光原百合 (双葉文庫)
十八の夏(双葉文庫)光原百合著出版社 双葉社発売日 2004.06価格  ¥ 600(¥ 571)ISBN  4575509477bk1で詳しく見る 初めて読む作家の作品を手にした時っていつも緊張する。 期待はずれの時もあるが、逆に胸がすくような作品にめぐりあう時もあるからであ
| 活字中毒日記! | 2005/08/06 3:32 PM |
十八の夏 光原百合
十八の夏光原 百合双葉社 2002-08by G-Tools ★★★★★ 「花」をモチーフに使った4つの短編が収められた、ミステリー短編集。 温かくて、さわやかなだけじゃ物足りない。ドロドロしすぎて暗いのは、読んでいて辛い。そのバランスの微妙なさじ加減で、私はある
| IN MY BOOK by ゆうき | 2005/08/06 9:07 PM |
「十八の夏」光原百合
十八の夏光原 百合花をモチーフにした4つの短編。「十八の夏」朝顔。浪人が決まった僕は川原でスケッチをする女の人と知り合いになった。「ささやかな奇跡」金木犀。妻を亡くした書店員が別の書店を経営する女性と知り合い恋に落ち、8歳の息子にどう知らせるかに悩む。
| ナナメモ | 2005/08/07 8:28 AM |
十八の夏
十八の夏光原 百合 / 双葉社(2004/06)Amazonランキング:83,957位Amazonおすすめ度:Amazonで詳細を見る 川べりで出会った信也と紅美子。けっして偶然ではなかった2人の出会い、そしてそこから起こる出来事……。十八の夏は淡くほろ苦い思い出とともに過ぎていく。
| 雑食レビュー | 2005/08/07 9:36 PM |
十八の夏*光原百合
☆☆☆☆・  日本推理作家協会賞受賞作  本年度(2002年度)最高の感動を呼ぶ癒しの物語  朝顔、金木犀、ヘリオトロープ、夾竹桃。  四つの花が彩る珠玉の連作ミステリー    
| +++ こんな一冊 +++ | 2005/09/15 6:15 PM |
「十八の夏」光原百合
(bk1サーバ不調のため画像はまた今度) 光原さんは4冊目となりました。 今回は連作短編と思ってて読んだんだけど、なんか違うなあ、と思ってて 最後らへんに気付きました。お、これは「花」をモチーフとした 連作短編らしい。ほお。 朝顔、金木犀、ヘリオト
| 本を読む女。改訂版 | 2005/10/06 2:19 AM |
十八の夏
===== 光原百合 ===== [[attached(1,left)]]  @双葉社  2002年8月30日  第1刷発行 ==== 十八の夏 ==== 表紙のイメージと著者名を見て、女の子が主人公の話かと思いきや、 '''三浦真也'''という男子予備校生でありました。  「
| 入ル人ラ | 2006/08/16 5:33 PM |