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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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この本が世界に存在することに [角田光代]
4840112592この本が、世界に存在することに
角田 光代
メディアファクトリー 2005-05

いままで読んだ角田さんの作品の中では、いまのところナンバーワンに好きな本になりました。(しかし『対岸の彼女』を未読なわたし…。)

かつて自分が手放してしまった本にもう一度巡り会う…「旅する本」。旅先の外国で寝込んでしまった主人公が、宿に残された一冊の日本語の本にさまざまな想像をめぐらせる「だれか」。恋人とけんかして一人で泊まった温泉旅館で、偶然一通の手紙を見つけた主人公。その手紙に書かれていたことは…「手紙」。いっしょに住んでいた恋人と別れることになり、引越しのため二人で使っていた本棚の本の整理をする女性の心を描いた「彼と私の本棚」。立て続けに不幸に見舞われる主人公。この原因はもしかして…「不幸の種」。「伝説の古本」をめぐってつむがれる、人と記憶の物語「引出しの奥」。はじめて書いた小説が新人賞を受賞してしまった主人公の、心の奥にずっとあった出来事「ミツザワ書店」。病気で入院している祖母に頼まれた一冊の本を探す主人公。その本とは…「さがしもの」。初めて付き合った恋人に、自分の人生を変えた本をプレゼントしていいものかどうかと悩む「初バレンタイン」。

どれもこれも、「本をめぐる物語」です。自分がいつかどこかで出会ったことのある記憶のような、どこかで感じた思いのような、そんな物語たち。それぞれの物語が違う文字組みで印刷されていて、なんだかたくさんの本を読んだような気持ちにもなりました。

中でも心に残ったのは…うーん、難しいですけど(どれも好き…)「手紙」と「彼と私の本棚」です。あまりにも普通で、ばかばかしいくらい普通で、でもだからこそいとおしい。そういう感じがあたたかくて、切なくて。「彼と私の本棚」では泣きました。

実は一番私の心に響いたのはこの本の「あとがき」です。「あとがきエッセイ 交際履歴」と題されたこのあとがきは、本と私というものについて書かれた、とても読み応えのあるものなのですが、なんだかこれを読んだだけで角田さんを好きな度合いが一気に上がったというか、いきなり親近感を抱いたというか。まるで自分が書いたかのような気持ちになるくらいに、ものすごくシンクロしてしまいました。今まで自分が経験してきたこと、感じてきたこと、今思っていることと、ここに書かれていることがあまりにもぴったりだったのです。読みながら「うんうん」って頷いて、首が痛くなるくらいに。

以来、私はおもしろいと思えない本を読んでも、「つまらない」と決めつけないようになった。これはやっぱり人とおんなじだ。百人いれば、百個の個性があり、百通りの顔がある。つまらない人なんかいない。残念ながら相性の合わない人はいるし、外見の好みもあるが、それは相手が解決すべき問題ではなくて、こちら側の抱えるべき問題だ。つまらない本は中身がつまらないのではなくて、相性が悪いか、こちらの狭小な好みに外れるか、どちらかなだけだ。そうして時間がたってみれば、合わないと思っていた相手と、ひょんなことからものすごく近しくなる場合もあるし、こちらの好みががらりと変わることもある。つまらない、と片づけてしまうのは、(書いた人間にではなく)書かれ、すでに存在している本に対して、失礼である。
全部ここに書きうつしたいくらいの気持ちなのですが、それもできないので(笑)、コピーしていつも持っていたいなと思いました。嘘です。買います!
| か行(角田光代) | comments(14) | trackbacks(16) |
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コメント
>それぞれの物語が違う文字組みで印刷されていて、なんだかたくさんの本を読んだような気持ちにもなりました。

ほんとにそうでした。
こだわりのある作りの一冊でしたね。

角田さんの本は
エッセイなのか小説なのか、読み始めてしばらく迷うわたしです^^;
| ふらっと | 2005/08/31 5:17 PM |
こんばんは。初めてコメントします。

私も角田さんの本大好きです。
今日、図書館に行ってきたんです。
「この本が、世界に存在することに」見つけたんですが、
他にも読みたいものがあって、借りるのを断念してしまいました。
この次行ったときはぜひ読んでみますね〜。
| そらねこ。 | 2005/08/31 9:41 PM |
ふらっとさん、私はまだ角田さんのエッセイって読んだことないんですけど、この本を読んだらすごく読んでみたくなりました!オススメとかありますか??

そらねこ。さんこんにちわ!
コメントありがとうございます。ぜひ読んでみてくださいね!楽しめます♪
| chiekoa | 2005/09/01 11:30 AM |
あとがきがいいですよね。
そうそう、うんうん。ってうなずいてばかりでした。
私も絶対に買うって決めてます。
| なな | 2005/09/01 3:22 PM |
文庫になったらあとがきが変っちゃうなんてことはないですよね?!いちおうせっかくなので単行本で買うつもりではおりますが…(笑)。
| chiekoa | 2005/09/01 6:32 PM |
Chiekoaさん、こんにちわ
これは本当によかったですー。
久々に胸にぎゅうっと抱きしめたくなる本でした。
買ってしまいたいのだけど、単行本は高いし場所をとるし・・・
文庫が出るまで待つか思案中です。
| june | 2005/09/27 12:23 PM |
Chiekoaさん、すみません。
コメントが重なってしまいました。
1つ消してくださってかまいません。お手数かけます。
そしてTBがなぜかできないのです・・。
もしTBも重なって入ったりしたらすみません。m(__)m
| june | 2005/09/27 12:45 PM |
juneさん、ありがとうございます!
なんででしょうね…。JUGEMが調子悪いのかな…ゴメンナサイ。
お気持ちは受信しました!!!

ほんと、欲しいですけどお値段が…ですね(笑)。
気にせず買えるようになるのが夢です…。
| chiekoa | 2005/09/27 12:58 PM |
 こんばんはー。
私もめちゃくちゃ好きになりました!!
この本に出会えてよかったです、本当に。

自分のペースで、自分の感性で、呼んでくれる本に会いに行きたいです。
| ☆すぅ☆ | 2005/10/04 11:50 PM |
すぅさん、ほんと「本が呼ぶ」っていうの、わかります!
そういう感覚が鈍らない自分でありたいです!
| chiekoa | 2005/10/05 4:05 PM |
 はじめまして。トラックバックを返して頂きまして、ありがとうございます。確かにこの本、あとがきが秀悦ですよね。このあとがきのおかげで、読後感が数段アップしているように思えます。
| moritomoaki2001 | 2005/11/05 3:13 AM |
moritomoaki2001さん、コメントもいただきありがとうございます!

なんだかあとがきのことばっかり褒め称えていて、私ってば…(笑)。もちろん本編もすごく好きだったのですが!でもあとがきもとっても好きだったので。つい…!
| chiekoa | 2005/11/06 5:41 PM |
こんにちは。
私もあとがきがすごく心に残りました。
最近は乱読ばかりで一冊の本を大事に精読することが少なく、反省してしまいました。
角田さんがどんな本を好んで読むのか気になりますね。
| chloe | 2006/02/06 11:18 AM |
こんにちわ!
本も人生に出会える数が限られているのかと思うと、とても悲しい気持ちになったりしますが、その分、せめて出会えた本を大切に読もう!と思いました。
角田さんのお好きな本…エッセイとか読んだらわかりますかね?!
(恩田さんのは前にエッセイで読みました。)
| chiekoa | 2006/02/06 5:23 PM |
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