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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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エコノミカル・パレス [角田光代]
4062114194エコノミカル・パレス
角田 光代
講談社 2002-10

主人公は三十四歳フリーター。仕事は雑文書きだけれど、それだけでは足りず、ときには飲食店でアルバイト。同棲している恋人がいますが、彼はある日仕事を辞めてしまい…。

『愛がなんだ』『太陽と毒ぐも』に引き続き…またタマシイにビシビシとしみるお話でした…。こういう、ドロドロとも違う、悲しいのとも切ないのとも違う、ほんとうになまなましい恋愛物語。角田さんもしかしてものすごくうまいんじゃ…?!

読んでいてあまりにも身につまされました。リアルなんてもんじゃありませんでした。はは…。なんか、なんでもない日常に潜むいらだちや、怒りや、不安や、そんなものがどんどん自分の周りに立ち上ってくるようでした。むわっとした熱気や、すえたような臭気すら、感じられそうでした。そういうことが直接書いてあるわけではないのですが、感じられるというか、にじみでてくるというか。

名前も知らないこの主人公が、現在形で淡々と語る物語。お金がなくて、住民税も健康保険も滞納して、10円でも安いものを探してスーパーをぐるぐる巡って、次の入金日までどうやって暮らすか計算して。クーラーが壊れても直すお金がなくて、汗をだらだら流しながら仕事して。結局消費者金融でお金借りて、でもそのお金で洋服買ってしまったりする。ばかばかしい、ほんとうにばかばかしいけれど、「こういう人間はダメだ」とか「私はこうはならない」とか、そういう言葉では片付けられない気持ちがひしひしとしました。

私はかつて、いったい何になりたかったのだったか、そんなことを思う。みずからにどのような希望を持ち、どのような期待を抱き、どのような目標のもとに日々をすごしてきたのだったか。
三十四歳になって、自分が手にしている現実。今の自分。子どものころに思い描いていた夢は、なんだったろう。こんな「大人」になるんだったんだろうか。どこへでも行けるはずだったのに、自分のいる今この場所はなんだろう?そう自問する主人公。それが「思い悩む」とか「激しく後悔する」とかいう深い重い感じではなく、たださらっと、ぼんやりとそんなことを思う。その「ただ思うだけ」ということに、心底ぞっとしました。あまりにも他人事じゃなくて、怖くなりました。

すごい本でした…。
| か行(角田光代) | comments(9) | trackbacks(11) |
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コメント
ブログにこの本の感想は書いてませんが,
結構角田さんの本は読んでます。
飽きっぽいのに,ほぼコンプリートする
イキオイで。
イタイんですけど止められません。
「愛がなんだ」も,決してハッピーな話じゃ
ないのについつい何度も読み返しました。

「対岸の彼女」で賞を取った角田さんですが
もともとはこういった恋愛話が上手ですよね。
| mamimix | 2005/10/06 10:50 AM |
何度もすみません。
自分のブログ見直したら書いてました…(--;)
ああっ,鳥頭度が上がってます!!
| mamimix | 2005/10/06 12:56 PM |
おーけーでーす!!!(笑)
よくあることです…鳥頭同盟でも作りますか…?!
| chiekoa | 2005/10/06 1:03 PM |
さっき読みました。感想はこれから書きますが
(5冊分たまってるから少し先ですが)、
なんかこの本やばいですよ。泣けるシーンなんかないのに泣きそうでしたよ。
私も定職にはついてるけど「こんなはずじゃなかった」って
いつも思ってるから、わかっちゃうんだなあ。
なんか、服売り場で鏡で自分の姿を見る時とか、
いやんなるほどリアルでしたよねー・・・
| ざれこ | 2005/11/05 12:53 AM |
ざれこさん!同感です!!
せまってきますよね…やばいですよね…!
| chiekoa | 2005/11/05 11:51 AM |
昨日、NHKでやっていたトップランナーのリリー・フランキーさんの生活もこの本の主人公と似たように借金だらけの生活を経て現在のベストセラー作家の生活があるようでした。
小説家って、本当に大変ですね。
| めい | 2006/02/06 8:15 PM |
人それぞれ、いろんな苦労があるんですよね…きっと!
| chiekoa | 2006/02/08 5:57 PM |
こんにちは(^o^)丿
この本は今現在フリーターまっただなかにいる私には
痛いほどリアルでした。
督促状をゴミ箱に捨てるシーンとか(経験あり)
高時給のアルバイトに目がくらみそうになったりとか。
角田さんの、もっとも角田さんらしい小説を読んだ気がしました。
| Rutile | 2006/12/30 6:54 PM |
Rutileさん、その痛み…わかりますっ!
角田さんはほんとにこういうの書かせると…
痛さ一級品!!です、とほほ。
| chiekoa | 2007/01/03 7:41 PM |
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