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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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福音の少年 [あさのあつこ]
4048736310福音の少年
あさの あつこ
角川書店 2005-07-20

同級生の藍子とつきあっている十六歳の永見明帆。そして藍子の幼馴染で同じアパートに住んでいる柏木陽。微妙なバランスの関係の三人。明帆の家に突然陽が泊まりに来たある日、アパートが火事で全焼・九人が犠牲になるという事件が起きる。真相を探り始める二人だったが、事件は思わぬ進展をみせ…。

混沌とした少年の闇をテーマにした作品です。本当の自分とはいったい何なのか?説明できない不安や恐怖におびえ、そんな中でも自分を飼いならそうとし、それもうまくいかずもがき苦しむ。そんな自分を持てあます。自分でも自分の中にあるものが何なのかわからない。でも伝えたい、わかってほしい。それなのにうまく言葉にならない、できない。そのもどかしさ…。読んでいて、私もその闇に捉えられ、苦しい気持ちになりました。

彼らは、触れたら切れそうな…というのでしょうか。ぎりぎりの境界を生きています。そしてそんな闇を抱えているからこそ、危ういからこそ、美しい。その感触が生々しくて、どきどきさせられました。そして、似通っていそうで、違う、この二人の少年の関係。そこにもどきどきさせられました。というか、どきどきはもうさせられっぱなしでした。彼らに、そして物語に。

生きていくって、なんて大変なんだろう…。ただ明るければいいものではない、前向きならいいものではない。そんなの嘘っぱちです。誰もが抱えている負の感情、闇。それでも、その闇の中に、どっかにきっと一筋の光が射す、それを信じたい、信じて欲しい…そんな祈るような気持ちでした。正直、読後感は爽快とはいえません。すっきりしない、心に重いものが残ったままです。でもそれも、その重さも、この物語が伝えたかったことなんじゃないかな…と思います。
| あ行(あさのあつこ) | comments(13) | trackbacks(4) |
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コメント
胸がヒリヒリするような本でしたね。
読み終えたのは2ヶ月前なのですが、ちえこさんの感想を読んで、あのときの心のざわつきを思い出しました。
| easily | 2005/11/29 1:18 PM |
なんなんでしょうね…あの突き放されたような余韻。
クライマックスでぷっつり終わっちゃったようなあの感触…。
心に残りますよね。
| chiekoa | 2005/12/01 11:34 AM |
これって、ひとつの小説として、世に出していいものでしょうか。
とてつもなく、完成度が低いと感じたのは自分だけでしょうか。
イライラしながら読む本は久しぶりでした。
| 読者ひとり | 2007/07/04 10:14 PM |
昨日読み終えたばかりです。まだ二日酔いな気分・・・。
私はこの本好きです。確かに爽快な気分ではないけど。謎だらけですしね。
事件の謎はあやふやで、ジャーナリストの存在も適当に書かれているような感じもしましたが、そんなことはどうでもいいんですよね。
二人の少年の、稚拙なようで成熟しているような、微妙なやりとりにぞくぞくしました。
藍子の内面にあまり触れていないところもいいと思います。藍子のような人物像は、小説の中では珍しくないし。最後の、絵美と藍子のやりとりもいらないなぁと思ったぐらいです。
| marquez | 2007/07/24 12:02 PM |
すごい…あさのさん、すっげぇよッ…
たった今、福音の少年、読み終えたばかりです。
あさのさんの作品はだいたい夢中になれたけど、やっぱり、福音の少年もすごかったw
あさのさんのNo.6にフインキが似てるけど、なにかが微妙に違う。設定が現代なだけに、明帆が藍子のうなじを見たときに感じた唐突な衝動など、生々しく伝わってくる。
あさのさんがなぜ、作品を中途半端ともとれるカタチで終えさせるのか、分かった気になる。
あさのさんの書く作品は 少年少女が中心で、その少年少女の物語、人生を、きちッと完結させたくなかったんじゃないかと思う。
まぁ、あさのさんの作品を読んだ後はいつも欲求不満だけど(笑
それですぐにでも、次の作品が欲しくなる。
…すげぇ(笑
とにかくズーンときました。
思わず、携帯で検索するぐらいは。
| Non | 2007/09/27 8:02 PM |
福音の少年・・・。どきどきしました。
 あさのさんの作品を読み漁っていたわたくしは、友人に
『あさのあつこって、新刊だしたんだよねえ。』
 なあんてきいて、すぐさま本屋へGО!!
 ゲットして帰ってきました。
 もう、どきどきのわっくわくですね!!
| | 2007/11/07 8:07 PM |
後味の悪い作品だと思いました。
バッテリーと同じ気持ちで読み始めたらどうにもならない暗さに驚き、同じ年代である彼らに共感しました。

難解で、謎だらけで、それなのに読み進めてしまえる作品だったと思います。
後から考えると、ああいう終わり方の方が話的にはよかったのかも知れません。

でも気になりますね^^;
| ちるか | 2008/04/09 4:55 PM |
最終的に事件そのものは、あまり重要ではないと思いました。
この小説で一番惹かれるのは人間の描写。
何をどのくらい感じることができて、どのくらい満たされるか、人によって違う。

感じないことがどうなるか
満たされないとどうなるか

| コココ | 2008/09/21 5:59 AM |
繰り返し読みたくなる作品は本物だといいます。この作品は何度も読み返しています。それに値する作品だと思います。

立場上、若い人達に勧めることも多く、あさのあつこさんの作品も結構読みましたが、これは彼女の作品の中では抜きん出ていると思います。

この私も少年の頃、この2人と同じ感覚を、確かに抱いていました。だから、読んでいて何度も鳥肌が立ちました。
自分は本当は何も感じることのできない冷血な人間なのではないだろうか?それならそれでいい、あらゆるしがらみから解放されたい。どこまで冷酷になれるのか?それを確かめたい。

心底自分を愛してくれている子が傍にいるのに、その子の苦しみを何ら理解してやれない。同じ感覚を抱いているに違いない同性の友人を恐れ、そして、だからこそ近づいていく。この年頃の男の子の感覚をよくここまで理解できるものだと感心させられます。

藍子は自らの命と引き替えに、最後の力を振り絞って、心から愛した2人の男の子に救いの手を差し伸べたのではないでしょうか。
陽は自分も感じていたに違いない藍子の気持ちを、遺してくれた写真によって再確認することで、自分を取り戻していきます。冷徹な明帆に餌にされた秋庭のことを思い遣れるようになったのがその証です。
そして、明帆は藍子のことさえもう忘れていく自分の醜い姿を自分自身で見せつけられながら、「復讐する」という行為で自分を取り戻せるのではないかという思いだけを頼りに、たった独り冷徹に行動します。しかし、最後の最後になって、その虚しさに気づかされたのだと思います。だから、男の申し出を拒絶して「戻る」ことを選んだのでしょう。藍子の思いは通じたのです。

何回読んでも、最後のシーンでは手の中がじっとりと汗ばみます。
| あきと | 2008/09/26 1:14 PM |
母に頼みこんで買ってもらった本です。
大好き…という、簡単な言葉をつかえないほど、
心に残る作品でした。
私は、藍子がおじさんに、こころとからだを渡してしまう、
その気持ちがわかります。
「福音の少年」、語り合える方、いませんか。
また来ます。
| 魔弥 | 2008/10/25 11:51 PM |
今、福音を読み終わりました。
あさのさんの小説は他にも読みましたが、心にもやもや感が残るというか・・・
最初がすごすぎてラストがなんだかな〜って感じになってしまいやはり私には理解ができない部分があるという感覚でした。
| | 2009/01/17 5:32 PM |
魔弥さん、あかんよ、おじさんに心も身体も…なんて。
「今」が空疎なら、自分の力で、空疎でない「明日」を切り開いていくのです。
藍子のお陰で強くなった絵美のように、「普通の日常」の素晴らしさを理解し、「普通の日常」を大切に、生きてください。

明帆、理解できない…なぜ、愛してもいなかった女の為に、破滅的な復讐に出る?
陽が、善人ぶることを嫌っていたのに、善人に戻ってきたキッカケも、分かりにくかった。
せっかくの設定が活かしきれていない作品だった。
| 本好きの翁 | 2011/04/05 4:22 PM |
あさのあつこさんの、「pure!」でしたか、なんだか忘れましたがその中で、あさのあつこさんの「福音の少年」のセリフがあったんです。何かに突き動かされた気がして、図書館で福音の少年をかりました。
読み進めていくと、止まらなくなって、というかだんだん底なしの沼に落ちていく感じがしました。

最初、秋庭さんが語っている様子から、急に場面が変わったのでなかなか物語に追いつけませんでしたが、流れをつかんだとたん、また別の疑惑が浮かびました。

明帆はなぜ藍子と付き合い続けていたのか・・・
藍子はなぜからだをうる様な真似をしたのか・・・
陽の中にいたもう一人の自分はなぜ現れたのか・・・
明帆は助かったのか・・・

読み終わった後、疑問が次から次へと現れました。ですが、福音の少年は、私のお気に入りの本です。
自分でも言い表しにくいのですが、心にしみわたりました。
| まる | 2012/11/23 9:09 PM |
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