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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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明日の記憶 [荻原浩]
4334924468明日の記憶
荻原 浩
光文社 2004-10-20

広告マンとして忙しい日々を送っていた佐伯。体調に不安を感じ、病院で検査を受けたところ、「若年性アルツハイマー」と宣告された彼は…。

正直読み始めは「また広告業界の人の話…」と思ってしまったりもしましたが。名前だけは有名だけど、実はよく知らなかった「若年性アルツハイマー」というものについて、こういう病気なのか…という理解が得られたのはとてもよかったと思います。でもその「こういう病気」ということが、この物語の主人公から伝わってくるのかというと、ちょっと「うーん…」と。説明されていることと、実際の主人公の様子が違いすぎるかなぁと。初期症状なだけでしょうか?

実際にこの病気にかかったら、そしてそれがこの本の中で説明されているような病気だとしたら、こんなに美しくはいかないんじゃないかなぁとどうしても思ってしまうのです。奥さんなんか、できすぎててとても同じ人間とは思えません。実際にそういう患者さんと接されている方が読んだらどう思われるのかなぁ…。症状は人それぞれと言ってしまえばそれまでですが。

病気を宣告された本人の心の葛藤とか苦しみとか、そういうものについてはすごくいいんじゃないかと思いました。その怖さや恐怖はすごく伝わってきました。これが効きそうだといったら片っ端から試したりする姿や、妻のためにとか、娘のためにとか、孫のためにとか、必死で自分を律してなんとかしようともがく姿には、ちょっと胸打たれました。

でもそういう「記憶に障害が起こる病気」を描いているのに、この物語はそもそも一人称で描かれていて、そこが中途半場だった気がします。最初のうちはいいですけど、進行したらどうするの?とか思っちゃうわけです。さらに一人称語りのうえ、彼の書く日記も引用されてたりしますし。はて…どっちかでいいんじゃないの?と思ってしまいました。あ、でも日記だけじゃここまで克明に心情を語れませんよね…。普通の人はこんなに文章書かないし。だとするとやっぱり日記はいらなかったのかしら?なんか、読んだ人は全員そう思ったと思うんですけど、この日記「アルジャーノン」ですし…。

そんなわけで、ラストはこうなるだろうなぁと思っていたラストだなという感想。やっぱりここまで書いてあとは余韻なんだなぁと。それが悪いとかじゃなくて、美しいシーンなんですけど、でもとりあえず、私はこれを読んで泣いたり胸がいっぱいになったりはしない人種であったようです…。

「本屋大賞メッタ斬り」での大森さんのコメント」での大森さんのコメントに激しく同意して終わりたいと思います。

ところでこれ、「あすのきおく」ですか?「あしたのきおく」ですか?
わたしは「あす」だと思ってたんですけど…。
| あ行(荻原浩) | comments(11) | trackbacks(13) |
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コメント
『世界の中心で〜〜』には まったく泣けなかったけれど
この作品は身につまされて泣けました。
ラストはたしかにきれい過ぎるかもしれないけれど
ラストのその後にこそ本当の苦闘が待ち構えているのでしょうね。
それに立ち向かうためのあのラストの情景なのだと思って泣けた、ということもあるかもしれません。
『博士の愛した数式』は確かにファンタジーで、
これは現実を描いてはいるけれど、現実のドロドロを描きたかったわけではないのじゃないかな、なんて勝手に思ったり...。

わたしも「あす」と思っていました^^♭
| ふらっと | 2005/12/05 7:07 AM |
私もこの本は「まだ初期症状なんだな」って認識で読みましたね。これから厳しくなるのがわかる終わり方が切ないって言うか。
でも大森さんのコメント読んで「そうだよなあ」ってうなずく部分も多々ありました。同じ症状の家族を持つ方がうちにコメント下さってますけど、やっぱりなかなか泣けないもんらしいですね・・
映画化されるそうですよ。渡辺謙初主演作品らしいです。妻役は樋口可南子。なかなかいいキャスティングかと。
http://www.toei.co.jp/movie/asunokioku/
| ざれこ | 2005/12/05 12:36 PM |
ふらっとさん、私この本をなぜか親を近所の葬儀場に車で送っていって、待ってる間その駐車場の車中で読んでいたので、そのシチュエーションがよくなかったのかなとも思っています…。これで現実をドロドロ描かれてたらえらいこっちゃだったかもですよね…あはは…。

ざれこさん、映画化ですか!情報ありがとうございます。
渡辺さんはご自身も病気とかいろいろ苦労されてますし、見ごたえありそうですよね。これは実写されても違和感ないかも…。
| chiekoa | 2005/12/05 3:33 PM |
chiekoaさんお久しぶりです。

私も大体同じ感想を抱きました。
荻原さんの作品ってどれもそうだけれど
あと一歩何か足りないんです。。

もっと現実に迫ったものが欲しかったなと
いつも思わされるんですよね。
最近はこういった病気などで苦しんでいる人を
題材にした映画や小説が多いせいか
うがった読み方をしてしまうのもあるかもしれません。

そしてこういう感動ものは映画化されやすいんですよね。
なんとなく微妙な気持ちになっちゃいます (^^;)
| はじめ | 2005/12/05 7:41 PM |
こんばんは〜
この本は・・・リンク先の「本屋大賞メッタ斬り!」をみるといいのか悪いのか分からないですね...でも、本屋大賞の2位に入ってくるってことは良いけれど気になるところがあるよってことでしょうか??
リンク先をみて、「黄金旅風」と「家守綺譚」が気になりました。といいつつノミネート作品みんな気になります〜。
| ぶっか | 2005/12/05 7:42 PM |
はじめさん、こんにちわ〜!
確かに…でも私たちにそういう病気のことを気づかせる、知らしめる第一歩だと思えば、その意味は偉大ですよね。
作者紹介のところとか読んだら、荻原さんもすごくがんばって書かれた作品のようですし。そういうところを汲み取っていかねばなぁと思いました。
話題作が変に映画化されていくのは私も微妙です…(苦笑)。

ぶっかさん、『家守綺譚』は私もオススメです!
『黄金旋風』はあまりの厚さにしり込みしてて未読ですが…(汗)。
いつか読んでみたいなとは思ってます!
| chiekoa | 2005/12/06 12:41 PM |
私は図書館で予約して、順番飛ばされて…随分待たされてから読んだので、なんだか無我夢中で読んでしまい、細かい事気がつきませんでした。
たしかにchiekoaさんが指摘する部分ってそうなのかもしれないですね。
だけど、私この本を読んでからアルツハイマーの薬を患者さんに渡す時には家族だけでなく本人とも目を合わせて、普通に薬を渡すことに決めたのです。
荻原さんの最近の本。取り上げてる職業や病気など、キチンと調べて嘘はないって信じられるのですが、どうもラストがそうなるか?って納得できないのです。
| なな | 2005/12/06 11:45 PM |
そんなななさんのお世話に私はなりたい…(笑)。
も、もしものときですよ!
荻野さんの最近の本はあまり読めてないのですが、今までの本でも「好き!」ってのと「うーん」ってのと結構くっきり分かれました。何ででしょうね…?好みの問題でしょうか?!
| chiekoa | 2005/12/08 6:35 PM |
確かにこんなに美しくはないと思います。
実際に病気になっている方々は、もっと苦しいと思いますし・・・。
作品としては、感動しました。
切なかったですね。
| 苗坊 | 2006/07/26 8:52 PM |
映画は結局見なかったんですけれど…
見ちゃったら泣いたんだろうなぁと思ったりします。
| chiekoa | 2006/07/28 8:22 PM |
 私はラストの2ページで泣いちゃいました。
 うまくできすぎではありますけど。。。

 私は「あしたのきおく」って読んでいました。
 どちらなんでしょうね??
| miyukichi | 2007/06/05 1:03 AM |
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