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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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航路 [コニー・ウィリス]
4789719332 4789719340航路(上)
航路(下)
コニー ウィリス 大森 望
ソニーマガジンズ 2002-10-08

「臨死体験」を科学的に検証する研究をしている認知心理学者のジョアンナ。そんな彼女の元に、化学物質によって擬似臨死状態を作り出す実験を試みる神経内科医のリチャードが現れた。彼の研究にパートナーとして参加することになったジョアンナだが、被験者不足のため自らも実験台に上ることに…。擬似臨死状態で彼女が見たものとは何なのか? 臨死体験とは脳が作る幻想か、「あの世」からのメッセージか?

評判はいろいろ聞いていたのですが、この厚さに加えて上下巻というのにちょっと躊躇してしまい、読み始めるのに時間がかかってしまいました。でも読み終えてみて、そんな心配はまったくいらなかったということがわかりました。時間があまりなかったので、二冊を二日かけて読むことになってしまいましたが、時間さえあれば一日中読んでいたかった…そんな魅力的な本でした。

テーマが「臨死体験」というので、そういううさんくさい世界はちょっと…と思っていたのですが、この物語の主人公はそれを科学的に解明しようと試みている人たちです。もちろんそれを否定する人々も登場しますが、それに翻弄されつつも屈することなく、なんとか冷静に理論を展開しようとする彼ら。

だからといって思い暗い物語なわけではありません。登場人物たちはみなとても魅力的ですし、コミカルなシーンも、クスリと笑ってしまうようなシーンもたくさんあります。そして彼らが思い悩む「なんだかわからないけれどどうしても気になる」「もうちょっとで思い出せそうなのに思い出せない」感覚、すぐそこに答えがあるのに手が届かない―それがもう我が事のようにわかって、感じられて、もどかしくて気になって気になって、どんどん先が読みたくなりました。中断するのが本気で苦痛なくらいでした。

この作品は三部構成になっているのですが、二部のラストでものすごくびっくりする出来事が待っていました。思わず「え?」と声が出てしまうくらいでした。信じられない…、実際信じないまま読み進めたのですが、どうも信じるしかないらしい…と。そして第三部で幕を下ろすまで、そこで語られる物語は…上巻を読んでいたときには、まさか自分がこんなに何度も泣くとは思ってもみませんでした。ストーリーの面白さ、キャラクターの面白さだけではありません。人が生きて、そして死ぬということ。その「人」というもののたくましさや優しさや…そんなものもたくさんつまった物語でした。

こんなに厚いのに、こんなに長いのに、もう一度読みたいと思わせてくれる、すごい本でした。この本を読み終わってつくため息は、幸せなため息です。
| 海外作品(コニー・ウィリス) | comments(4) | trackbacks(1) |
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コメント
おぉ、『航路』を読んだんだ!
これは本当に傑作だよね!最近のコニー・ウィリスの作品とは全くタッチが違うけど。
| kadock | 2006/01/13 1:14 PM |
やっとやっと読みました!
さすが、kadockさんのオススメに間違いはなかったです!
もっと早く読めばよかった…。傑作でした。
次は『ドゥームズデイブック』行く予定です!
| chiekoa | 2006/01/13 3:27 PM |
確かに傑作ですよね。僕はかなり意地悪なので、ちえこあさんの感じた「もどかしさ」があまりに真には迫ってこなかったのですが、それでも傑作だとは思いました。
 個人的に『ドゥームズデイ・ブック』は『航路』より上だと思っています。是非!
| street-kids | 2006/03/22 5:14 PM |
これより上ですか!
実はまとまった休みのときに読みたいと思って保留にしてたんです。
平日に読むと、外に出るときに持ち歩くじゃないですか。
あの重さに耐えられるかどうか?!と思いまして。
でもそんなものどうも存在しないようなので、
普通に平日に読んじゃおうかなっと…!
| chiekoa | 2006/03/22 5:26 PM |
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◎「航路」上下 コニー・ウィリス ソニーマガジンズ 上下各1800円 2002/10
評者が、本書『航路』の紹介記事を最初に目にしたのは、日本経済新聞の読書欄である。臨死体験を主題に据えたミステリーとのことであったが、これまで手に取った日本経済新聞紹介の小説というのは、文章自体が非常に硬質なものが多く、評者も本書を読み始めるまでは手強
| 「本のことども」by聖月 | 2006/01/12 7:55 AM |