一夜にして森が消え、周囲が海になってしまった伝説の島・イル・サン・ジャック。ミチルとロイディがこの島の宮殿を訪れた夜、曼陀羅の中で僧侶の首なし死体が見つかる。いったい誰が頭を持ち去ったのか?
再読。『
女王の百年密室』の続編にあたる作品です。
なんかどう感想を書いていいのかわかりませんが、「犯人は誰か?」という殺人事件の謎のミステリィよりも、もっと大きな、もっともっと大きなミステリィを読んだと思います。うーん、なんて言ったらいいんだろう。森さんの描くこの未来の世界に…私が感じたこと、思ったことを伝えるのはすごくむずかしいです。
「メグシュツカ」は…。そして「ミチル」は。わかっていて読むと、ものすごく切ない気持ちになります。泣きそうにすらなりました。以前何も知らずに読んだときは、なんとも思わなかったのに…。
ちなみにこのノベルス版には、きれいな挿し絵がついています。きれいな絵なんです、きれいなんですけど…でもやっぱり今までに自分の頭の中で描いてきた風景・世界というものがあるので、今回突然挿し絵付き…となると、結構とまどいました。単行本で読めばよかったなぁ。