プロフィール
chiekoa

呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
カレンダー
S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< May 2017 >>
カテゴリー(作家さん別)
過去の読書日記
このサイト内を検索
OTHERS
  管理者ページ
  RSS1.0
  Atom0.3
<< 陽気なギャングの日常と襲撃 [伊坂幸太郎] | Top | 男は敵、女はもっと敵 [山本幸久] >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | - | - |
カタブツ [沢村凜]
4062124017カタブツ
沢村 凜
講談社 2004-07

出会ってはいけなかった二人が出会ってしまったら―「バクのみた夢」の他、「袋のカンガルー」「駅で待つ人」「とっさの場合」「マリッジブルー、マリングレー」「無言電話の向こう側」と、「カタブツ」達がおりなす様々な物語を収録した短編集です。

最後の恋』から気にはなっていた沢村さん。ゆうきさんざれこさんのオススメを受けて読んでみました。

…大お気に入りです。大好きです。特に最初の「バクのみた夢」で、すいません、ものすごくツボにはまって号泣しました。すごい、すごいいい本でした。これは買いです!

作者さんがあとがきで書いていらっしゃるように、そしてこのタイトルが示すように、「地味でまじめな人たち」が主人公のこの本。でも、各短編ごとに、手触りも、色も、読後感も違う。本当に全部同じ人が書いているの?「カタブツ」というテーマのアンソロジーだって言われても納得なくらいです。毎回毎回楽しめます(いや、楽しい!ってわけでもないんですけど…飽きさせないというか、意表をついてくるというか)。すごいなぁ。読んでから一日たちましたが、今各短編のタイトルみただけで、ちゃんと中身が浮かびますもん。(え?普通?私は普段だとできないんです、これが…)。

「バクのみた夢」
お互いに家庭を持っているのに、出会い、愛し合ってしまった道雄と沙緒里。誠実さゆえに配偶者をあざむきつづけることができなくなった二人が出した結論は…。

もう、ほんとに、ど真ん中ストライクだったのです。この物語。普通にど真ん中だったのに、さらにこのラストで駄目押しというか、満塁サヨナラホームランというか(比喩が変です)、この最後の一段落が…すばらしすぎます。脱帽、そして号泣。

「袋のカンガルー」
わがままで身勝手なのにほおっておけない亜子と、僕にとっての奇跡の女性・英恵。二人の間で僕は…。

これはまた、展開がすごくうまいなぁと。「亜子」この女性は誰だろう?何だろう?さんざんそう思わせておいて、気にさせておいて、いざ事実が明らかになったら急にぱったり彼女は物語の中に登場しなくなるのです。男女の駆け引きのように…やられました。この余韻をひきまくるラストにもうなりました。えぇ、どうなるの(泣)?私個人的には…彼は一生「彼のまま」だと思います…。

「駅で待つ人」
何であんなことをしたのかって?僕はただ見知らぬ駅に立っていただけですよ…。

がらっと変わって、これは主人公の一人語りで話しが進んで行きます。「あんなこと」が何なのか…それは最後の最後に明らかになります。びっくりしました。そして、ちょっとこわくなりました。

「とっさの場合」
大切な大切な自分の息子。その息子が死ぬ夢を見て目覚めた私。そして今日も彼女が私のところにやってくる…。

「強迫神経症」がテーマです。真面目で頑張る人ほどかかりやすいというあれですね。私はたぶんそういうタイプではないのですが、でもこの主人公の「私」の語り口がリアルで、体験したこともないのに我が事のように心がざわざわしました…。このラストには、なんとなく救われた気がします。

「マリッジブルー、マリングレー」
結婚を目前にし、婚約者とともに彼女の実家のある土地を訪れた昌樹。初めてみるはずのその景色に、なぜか見覚えがあることに気付いた彼は…。

なんというかもうタイトルからして上手いですが。こちらはまたがらっと意匠を変えて、ミステリィタッチです。記憶のない二日間、自分はいったいどこで何をしていたのか…。そして解決したかと思いきや、のこのラスト。ぞくっとするなんてものじゃぁ…。ひー。

「無言電話の向こう側」
いつでも自信満々の親友・樽見。彼と俺・須磨陸とが出会い、そして親しくなったきっかけは…。

いいですー。すごくいいですー。ラストにこの短編が来て、なんかもう気分は最高、ありがとう、という感じです。(頭悪そうですいません)。「思い知らせてやる。おまえが誰も頼ろうとしなくても、友人とは、勝手におせっかいをする存在なのだと」。泣けてしかたありませんでした。いいです。…ほんとうに!
| さ行(沢村凜) | comments(16) | trackbacks(14) |
スポンサーサイト
| - | - | - |
コメント
こんばんは。
chiekoaさんの細やかなレビューを拝見してストーリーを思い出しておりました。
何だかサラッと読んでしまってもったいなかったような気が…。
機会があれば再読したいなと。
| ユミ | 2006/05/22 9:55 PM |
細やか!また現実の私からは一番遠そうな形容詞(形容動詞?忘れた!)を…。ありがとうございます(笑)。
ちなみにO型です。

再読してください〜。私はもう買って何度でも読みます!読みますとも!
| chiekoa | 2006/05/23 12:41 PM |
リンクありがとうございます。
なんと、号泣ですか。
それはいい読書でしたね〜。
どの作品も、それぞれの面白さで、バラエティとんでて、
レベルの高い短編集でしたよね。
最後の短編は、ほんと、感動しました!!
| ゆうき | 2006/05/23 3:03 PM |
ゆうきさんのおかげです!
ありがとうございました、ました、ました!
大満足…。まだまだ読みます。
悲しいかなまったく予約待ちせず借りられるので…(涙)。
| chiekoa | 2006/05/24 12:26 PM |
お話もうまいし,構成もうまいいい短編集でした。最初あの作品ではじまって,最後あれで終わるってのがうまいな〜と。わたしも追いかけてみます!同じく全く待たずに借りられそうなので……もっとみんな読んだらいいのになぁ……
| まみみっくす | 2006/06/02 11:43 AM |
まみみさん、でっすよねぇ!もっと読むんだ!みんな!
(って誰に言ってるのでしょう)。
とりあえずあれですね、いろんなところでオススメを…。
あ、ミクシでもしよっと。がんばろうっと!
| chiekoa | 2006/06/02 4:37 PM |
TBありがとうございました。
私もTBさせていただきます。

ところで、重力ピエロが貸し出し中のようですが・・・
(いつもうるさい図書館利用者ですいません)
| ユリカモメ | 2006/06/21 12:54 AM |
ユリカモメさん!んが!
えーと、そういえば感想書いてない…。
ハルが…えぇ、よかったですとも。
あれですよね、ペンキ塗ったりするんですよね。
(やばいうろ覚え)。
伊坂さんの書く男の子の兄弟、大好きですえぇ。

って、どうして感想書かなかったのかなぁ。
すでに記憶がありません。すいません(汗)。
| chiekoa | 2006/06/21 7:02 PM |
こんばんわー。
これ、ブログで見かけなかったら絶対手にとらなかったと思うんですが、おもしろかったですー。大当たりでした。
落しどころが予測できなくて、そこがまた楽しかったです。
| june | 2006/06/21 11:21 PM |
私も同様です!いい出会いがあって幸せです。
これだからブログはやめられません…っ!
なんか新作とか出ないんですかねぇ。楽しみにしているのに!
| chiekoa | 2006/06/22 5:06 PM |
ゆうきさんとざれこさんとchiekoaさんのブログでタイトルを見かけていて、読んでみたら・・シンプルなのに、最後まで目が離せない、掘り出し物の短編集でした。
こうした発見を教えてもらえるのもブログの良さですね。
「あやまち」も読んでみようかな、と思っています。
| 藍色 | 2006/07/14 4:48 PM |
ほんと、ブログを書き始めてから出会ったすばらしい作品がたくさんで、私もとてもうれしいです。自分が逆に誰かのうれしいの元になれているのなら、それもまたうれしいです。『あやまち』も読んだら感想お待ちしております!
| chiekoa | 2006/07/14 6:35 PM |
こんにちは、chiekoaさん^^
カタブツとさざなみの2つ読んでみました〜
やっぱり、面白かったです。
ところで、私もO型です・・・
偶然、chiekoaさんと、星座も血液型も同じな様で
嬉しいです^^

さざなみの方もレビュー拝見させて頂きました☆
カタブツとは、また違った味わいで楽しめました。


| latifa | 2006/12/19 10:34 AM |
latifaさん、まぁ!そうなんですね!
おそろい〜。
この本はいろんな意味でとっても心に残る本でした。
2006年に読んだ中で5本の指には入ります。
いまいちメジャーでないので…一緒に応援しましょう!!
| chiekoa | 2006/12/19 3:23 PM |
こんばんわ〜。
かなりお薦めの方が多い『カタブツ』、
なるほどな読み応えでした。
エンディングが嬉しいですね。
やっぱり真面目な人は報われなくちゃですよね。
| 斎藤れい | 2006/12/21 6:16 PM |
れいさん、読んでくださってうれしいです〜。
一人でもたくさんの人に読んでほしいの…。
なんか、うまく言えないけどものすごく好きなんです。この本。
初期の本はまた違った味わいですので、
お暇があればぜひチャレンジしてみてください!!
| chiekoa | 2006/12/21 6:45 PM |
コメントする








on
ご利用のブラウザ、設定ではご利用になれません。
この記事のトラックバックURL
 
トラックバック
カタブツ/沢村凛
どこにでもいる地味で生真面目な人たちのちょっとドキッとするミステリィ6篇。タイトルそのまんまカタブツにスポットを当てる視点が面白い。思わず「もー真面目なんだから〜」と言われそうな人々の裏側に潜む怖さやもろさがひんやりと伝わります。
| ひまさえあれば | 2006/05/22 9:51 PM |
「カタブツ」沢村凛
カタブツ発売元: 講談社価格: ¥ 1,470発売日: 2004/07売上ランキング: 132,085おすすめ度 posted with Socialtunes at 2006/05/19 初めて読む作家、沢村凛。 ゆうきさんがよかった、って書いてたので、それで借りてみましたけど、よかった。 ゆうきさんいつもど
| 本を読む女。改訂版 | 2006/05/22 11:15 PM |
『カタブツ』 沢村凛 講談社
カタブツ 「誠実度100%人間たちのミステリー!」 真面目で地味な主人公にスポットを当てた6編の短編集。 1編が短い話なので余分な表現もなく文章さえも真面目?だと思うぐらいシンプル、しかし読了感はさまざま。 『駅で待つ人』『とっさの場合』…も良かっ
| みかんのReading Diary♪ | 2006/05/23 12:07 AM |
● カタブツ 沢村凛
カタブツ沢村 凛 講談社 2004-07by G-Tools , 2006/05/07 ものすごく良かったです。この本は大好きです。もうちょっと表紙が好みだったら、もっと早く手にとっていたんじゃないかと思います。 まじめすぎるぐらいまじめに生きる人々を描いた短編集。著者があと
| IN MY BOOK by ゆうき | 2006/05/23 3:00 PM |
「カタブツ」 沢村凛
カタブツposted with 簡単リンクくん at 2006. 5.24沢村 凛著講談社 (2004.7)通常2-3日以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る
| 今日何読んだ?どうだった?? | 2006/06/02 11:45 AM |
沢村凛「カタブツ」
6つの短編からなる小説集。 主人公たちは、いわゆる主人公のオーラはない 路傍の石につまずきながら不器用に生きる人々。 最初はちょっとそりゃやりすぎとか思いながら 読んでいるのだけれど、そのカタブツさに だんだん感情移入していく自分がいる。 カタブ
| 鴨川日記 | 2006/06/21 12:47 AM |
「カタブツ」沢村凛
カタブツ 他のブログで「カタブツ」というタイトルを何度か見かけて、気になっていたのですが、あたりでした。おもしろかったです。カタブツという設定も、一見わかりやすそうなのに微妙にずらされたオチも、各短編の読後感の違いや並べ方もよかったのです。初めての
| 本のある生活 | 2006/06/21 11:33 PM |
カタブツ
カタブツ 沢村 凛 内容(「BOOK」データベースより) 気まじめに生きる男女ゆえの殺人、 不倫、自殺…世界に例のないテイストの短編集。 著者曰く「地味でまじめな人たちにスポットライトをあてたくて 出来上がったのがこの本です。」とのこと だから「カ
| a bird shop | 2006/07/01 11:05 PM |
カタブツ、沢村凛
イラストレーションはのりたけ、ブックデザインは鈴木成一デザイン室。 1998年「ヤンのいた島」で第十回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞デビュー。ほかの作品「リフレイン」「グァテマラゆらゆら滞在記」「
| 粋な提案 | 2006/07/14 4:48 PM |
「カタブツ」沢村凛
タイトル:カタブツ 著者  :沢村凛 出版社 :講談社 読書期間:2006/08/28 - 2006/08/29 お勧め度:★★★★ [ Amazon | bk1 | 楽天ブックス ] 気まじめに生きる男女ゆえの殺人、不倫、自殺…世界に例のないテイストの短編集 そうして、ふたりは結論をだし
| AOCHAN-Blog | 2006/09/15 1:50 PM |
「カタブツ」「さざなみ」沢村凛 感想
「カタブツ」地味で真面目な人たちに、スポットライトをあてた作品を作りたくて、来上がったという、短編集。「さざなみ」 何も予備知識持たず、本の帯やamazonの説明などを見ないで読むのがお薦め!
| ポコアポコヤ | 2006/12/19 10:33 AM |
沢村凛『カタブツ』
沢村凛『カタブツ』(講談社、200407) 結構気にしてる作家さんに入る沢村凛さん。 『さざなみ』が面白かったです。 seesaaがメンテナンス中で過去ログが見られなくても思い出せるくらい(苦笑 というわけで期待して『カタブツ』読みに入りました。 chiekoaさんもざれ
| uc-road:blog | 2006/12/21 6:13 PM |
強迫性障害とは?
強迫性障害は強迫神経症とも呼ばれ、疑いや心配などの気持ちを押さえる事が出来ないと言った精神障害を引き起こします。強迫性障害の具体的症状としては、一日に10回以上も手を洗わないと気がすまない潔癖症や、鍵のかけ忘れやガスの元栓の締め忘れなどが気になって仕
| 強迫性障害治療と歩む | 2009/10/01 10:06 PM |
沢村凜 『カタブツ』
&nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; JUGEMテーマ:読書感想文 &nbsp; &nbsp; &nbsp;  6つの短編からなる『カタブツ』。表題のように堅物の人物が &nbsp; 登場しますが、その人物の周りにいる人が、情け
| こみち | 2016/07/10 1:08 PM |