| 七姫幻想 森谷 明子 双葉社 2006-02 |
遙か昔から水辺に住み、日ごと機を織る美しい女たち。罪の匂いをまとう織女をめぐり、物語が密やかに始まる。時を超えて語られる織女伝説ミステリー。
れんげ畑でつかまえて…じゃなかった『
れんげ野原のまんなかで』の森谷さんです。今回は、自分の知識不足をしみじみと感じながらの読書となりました(苦笑)。
なによりもまず「漢字が読めない!」。一度目はフリガナがふってあるけれど、そこで覚え切れなくて、二回目三回目に出てくるたびに「あれ、何て読むんだっけ…」ってつっかえてしまう。それも一つや二つでなく、頻繁に読めないのです。(一度で覚えようよ、私…)。これじゃスムーズに物語の世界に入り込めやしません…しくしく。
そして「古典を知らない!」。理系出身なので…ってのは何の言い訳にもならないですが、つくづくモノを知らない人間だなぁと悲しくなりました。源氏物語は「あさきゆめみし」でしか知らないし、和歌集とか読んだこともないし…。素養がないってこういうことね、とつくづく思いました。
さらに「日本の歴史を知らない!」。歴史がわからないから、物語の流れがきちんと飲み込めないのです。古代からだんだん時代が新しくなるように各章が並べられているのだと思うのですが、何しろ幕末より昔は「大昔」でひとくくりになってしまっているような私の脳みそでは、「昔の話」としか理解されず、時代背景もわからず…。この時代の人って「俺」とか言ったのかしら?とか余計なことまで気になる始末。そんなこと重要じゃないのに〜(泣)。
とにかく、この本は、ちゃんと集中してじっくりこの世界に浸って読まないとダメなんです。きっと。気が散りながらとか、片手間に読むような本じゃなかったんです。そんなふうに読んじゃって…もったいない…。私のバカ。
連作短編集なのですが、全然集中して読めてなくて、リンクがあやふやで、それもかなり後悔。秋去姫(あきさりひめ)朝顔姫(あさがおひめ)薫姫(たきものひめ)糸織姫(いとおりひめ)蜘蛛姫(ささがにひめ)梶葉姫(かじのはひめ)百子姫(ももこひめ)…というのが七夕の織女の異称だということも、読み終わってから知りました(汗)。
各章が、これらの「姫」をイメージして書かれたミステリィになっています。そしてこれらの物語は、主人公である「姫」たちの物語であり、さらに全編を読むと繋がってくるある「一族」の物語でもあります。そういうところまで、浸って読まないとこの本は…うん。ぼんやり読むな!>自分。その構成にこそ気付きましたが、全然流れに乗れていないので、その「全体が繋がっておぉ!」っていうところにたどり着けなかったのです。ほんと後悔。もうちょっと心に余裕があるときに、(ちょっといろいろ切羽詰っていて、心ここにあらずだったので…)、再チャレンジしてみたいと思います。
ちなみに「朝顔斎王」が一番好きでした。