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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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きみの歌が聞きたい [野中柊]
4048736884きみの歌が聞きたい
野中 柊
角川書店 2006-04-22

美和と絵梨は三十年来の幼なじみ。「クレソプレーズ」という天然石のアクセサリー・ブランドを立ち上げた二人と、そんな二人の元に転がり込んだ少年・ミチル。三人の関係の行方は…。

とても静かな、静かな物語でした。三十代の美和と絵梨と、十代のミチル。「月の石」「アクアマリン」「赤瑪瑙」「クレソプレーズ」「真珠」という章立てになっているのですが、それぞれの章ごと語り手が変わります。でも主人公は…やっぱり美和なのかな。恋愛小説だけど…幸せとか希望だとかそういう面じゃなくて、側面に必ずある悲しみとか醜さとか、そういうものをテーマにしているのかな…と思いました。

ほんとうに、読んでいてとても静かなのです。深い水の底にいるような…そんな静かな感じ。三人が、それぞれに抱える心の空洞のようなもの、絶望や、孤独や、そんなものがそう感じさせるのかな。三人ともちょっと現実感が薄くて、はかない感じがするからかもしれません。

今まで読んできた野中さんの作品より、ぐっと大人になった感じです。その差は段違いかも。テーマも、そして文章も。難癖をつけたくなる部分が、正直ないわけではないですが…でもなかなかよかったなと思います。うん。よかったです。

「極端に言えば、人間には理性や知恵があるんだから、わざわざ道を誤るようなことをしなくてもいいのではないかと。でも、昨年『あなたのそばで』を書いたころから“恋愛小説”というものに正面から向き合うようになり、こと恋愛においては、ハッピーエンディングや正しいという枠組みからはみ出してしまうもののほうがむしろ豊かな場合もあるということを痛感したんですね。自分できちんと道を歩もうと思っていてもなかなかそうはいかないのが人生というものですけれども、恋愛においてはなおさらシンプルに幸せな1対1の関係になることはほとんど皆無です。たとえ三角関係でなくても、知らず知らずのうちにでも誰かをものすごく傷つけてしまうことのほうが多い。どんな恋愛もそういう可能性をはらんでいるものだと思うのです。でも、誰かを傷つけても、最後の最後ではきっと美しい身の処し方はあるはずだと私は思っていて、だから本書ではそれを大切に書きたかったんですね」
野中さんのインタビューの言葉です。最後の最後の、美しい身の施し方。このラストで、美和がくだした結論が、きっとそれだったのだと思います。こんなふうに、私も強くなりたい。私も、考えてみたいと思いました。
| な行(野中柊) | comments(11) | trackbacks(4) |
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コメント
chiekoaさん、こんにちは! 木に登ったchiekoaさんの
姿をイメージして笑ってしまいましたが・・・。

この本をまだ読んでいないのですが、chiekoaさんの
感想を読んでいて、少し前に、ネット上で知り合った
ある女性と私とが連作した小説を紹介したくなりました。
少なくとも私の方はずぶの素人ですから、ご紹介する
のも大変恐縮ですが、短編連作でいつでも放棄できます
から、良ければお立ち寄り下さい。「きみの歌が聞きたい」
の印象を壊してしまわないことを願いつつ。
http://kimuraian.exblog.jp/i8
(自分でもおかしなコメントかなと思ってます。
 あきれたら、無視してください)
| ユリカモメ | 2006/06/03 7:10 PM |
ユリカモメさん、すごい!
ご自分でも書かれてるんですね…!
ご紹介ありがとうございます!
さっそく読んでみます!
(あれ、仕事しろって??)
| chiekoa | 2006/06/05 2:28 PM |
こんばんは。

静かな物語でしたね。
美和の生き方に共感しつつも、なんだか最近読んだ本と話がかぶる部分があってちょっと残念でした。
これ単独で読んだら、すごくはまる本でした。

chiekoaさん、仕事中にブログかいてるんですか?
あ!時間がPM2時だ。
いいなぁ。そんな環境。
| なな | 2006/06/05 10:20 PM |
ななさん、えーと…仕事、してますよ(笑)。えぇ。
感想は読みおわってすぐ書くようにしてるので、家で書いたり携帯で書いたりしてますけど、UPしたりトラバとかコメント返したりするのは会社ですね…。だって家だと64Kで死ぬほど重いんですもの!(会社は光)。あれ、言い訳?いや、仕事もちゃんとしております。はい。(ほんとに!)

その「最近読んだ本」は現在予約中です。かなり先になりそうなので、きっとこっちのことはさっぱり忘れて読んでいる私が見えます。ほほほ。
| chiekoa | 2006/06/06 12:30 PM |
こんにちわ、いつもお邪魔させてもらってます。
静かで不思議な透明感がある本でしたね。
最初は軽い薄っぺらな印象だったんですけど、
真ん中あたりからああいう姿勢の生き方もアリかな、とか
自分にないものを本(特に美和)に求めて読んでいた気がします。
| 斎藤れい | 2006/06/10 11:24 AM |
れいさんこんにちは!
確かに後半になるにつれ引き込まれた感じがしました…。私にないもの…なんだかすべてのような(爆)。
| chiekoa | 2006/06/12 5:15 PM |
私も読みました。静かに深く男女の心の交錯が描かれた
素敵な作品ですね。

chiekoaさんの感想になぜか惹かれて、自分の書いたものを
紹介したのですが、今となると恥ずかしい・・・。
恩田陸さんだと思いますが、『本を読んでいて、そこに
あてはまらない自分の気持ちを書く』というようなことを
書かれていました。時に、そのような思いが生じてきます。

駄文紹介したお詫びに、「きみの歌が聞きたい」を読んで
深く感銘した人にぴったりの本を紹介します。既に
チェックされているかもしれませんが小手鞠るいさんの
「愛を海に還して」という本です。
| ユリカモメ | 2006/07/10 12:48 PM |
駄文だなんてっ!!!
全部読みましたよ〜。ステキでした!!!
スタバに行くたびに思い出しております。

『愛を海に還して』という本は読んだことありません。
小手鞠るいさん自体が未読かも…読んでみますね!
| chiekoa | 2006/07/11 11:54 AM |
全部、読んでくれたって・・・(涙 ←感謝の)。

しかし、男女でキャッチボールのように書くのって
結構面白かったです。直接は知らない人のせいもあって
最後は恋愛観の違いというか誤解というかで喧嘩別れに
なりそうなメールやりとりをしてなんとか終結しました。

でもchiekoaさん、基本的には1:1がいいですからねー。
(なんのことか意味不明であれば幸いです)
| ユリカモメ | 2006/07/11 2:37 PM |
chiekoaさん、こんにちは ^^
この作品は、すごく繊細な話ですよね・・・。
野中さんの本は、以前「あなたのそばで」を読んだのですが、
印象が薄くて忘れかけていました。でもこの本はよかったです。
| tamayuraxx | 2006/07/11 8:24 PM |
ユリカモメさん、そりゃ全部読みましたよ!もちろん!
いろいろ苦労もなさっているのですね…。
読者としては、ただありがとうございます!という感じです。
また書いてくださいね♪楽しみにしてます!
基本的には…そうですよ、1:1がいいですよ…。
(なんのことかわかってしまうわ〜悲しいわ〜)。

tamayuraxxさん、まさに「繊細」ですね。
(私とは対極…)
野中さんの本は読むたびになんだか印象が違って面白いです。
| chiekoa | 2006/07/12 3:57 PM |
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