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風に舞いあがるビニールシート [森絵都]
4163249206風に舞いあがるビニールシート
森 絵都
文藝春秋 2006/05

「器を探して」「犬の散歩」「守護神」「鐘の音」「ジェネレーションX」「風に舞いあがるビニールシート」の六篇が収録された短編集です。

直木賞候補になった…ということを知っての上で読みました。ふぅむ。これか…。

最初のうちはなんとなく、「あれ?森さんってこんな感じだったっけ?」という気持ちがしてしまいました。意気込んで読んでしまって、ちょっと心を上滑り…みたいな。上手いなぁとは思うんですけど、なんとなく。短編集ですが、結構それぞれにバラつきがあるなぁという印象だったので、個々に感想を書いてみようかと思います。

「器を探して」
美しく才能のある女性パティシエの元で秘書のような仕事をしている女性・弥生の物語。

これはですねぇ…「そんな男やめちゃえよ!」のひと言に尽きました。すいません。全然主題とずれてると思うんですが…。正直「こんな女の下で働くのもやめちゃえ!」って思ったんですけど、「スイーツの魅力」というのは私も重々承知しているので、どうしてもそれに惹きつけられるというのならば、それは仕方ないかと。でも!でもこの男は!迷う必要ないじゃないですか。やめましょう。えぇ。お土産にケーキ(ムースか)を持っていくならこんな男にでなく私に!と思ってしまいました。

「犬の散歩」
犬の里親探しというボランティア活動のため、水商売のバイトをはじめた主婦・恵利子の物語。

生活のお金の単位が「牛丼」という話に共感を覚えました。ちなみに私の生活の基本単位は「チョコレート」ですが。(100円なので計算しやすいですよ)。ボランティア活動というのはすばらしいことだと思うのですが、でもやっぱりやっている人にとっても「迷い」があるものなのだなぁと、そういう主人公の弱気な感じが、それでもやることはやる感じがちょっとよかったかなと思いました。ラストまでの持って行き方もよい感じでした。でもあんまりこの主人公が好きじゃないのですけれど…なぜかしら?

「守護神」
夜間の二部大学に通う祐介。「代筆名人」として有名な「ニシナミユキ」に自分もレポートの代筆を頼もうとする彼ですが…。

前半はあんまり好きじゃなかったのですが、後半が好きでした。ニシナさんがなんだか突拍子もなさすぎてすごく謎ですが、祐介がいいなぁと。地味、いいじゃないですか。ホテルのマネージャーさんもいいじゃないですか。そうか、後半がすきなのは、祐介が地を出しているからだ…(笑)。

「鐘の音」
仏像の修復師として働いていた潔。25年の月日を経てかつての同僚・吾郎に会いに行った彼は…。

えーと、すいません、私にはテーマがよくわからなかったのですが…。読み終わって、「で、なんだったんだろう?」と。仏様のご加護はほんとうになるねぇって話?(←どこか読み違えているような…)。仏像好きにはたまらないのでしょうか。私は不信心でいけません。でも「おぉ、こんなオチが!」というのはあったので、これは…ミステリー?(違う)。

「ジェネレーションX」
クレームへの謝罪に向かうサラリーマン・野田。取引先の若手社員・石津といっしょにクレーム先に向かう彼は…。

これがこの本の中で一番好きでした!(すいません、表題作じゃなくて…)。二人の会話がとてもいい!こういうふうに、人と人のコミュニケーションから広がっていくような物語、大好きです。ここへくるまで「暗いトーンの話が多いなぁ」とちょっと鬱々としていた感もあったので、これはとっても爽快でした。

「風に舞いあがるビニールシート」
難民を救うための国際機関で働いている里佳。同じ職場で働いていたエドと彼女の関係は…。

表題作にして、ラストを飾るにふさわしい重さを持った作品だったと思います。私は無知でお恥ずかしいかぎりですが、森さんがすごくいろいろなことを調べられて、その上で書かれたんだろうなぁと。読んでみるまで、「ビニールシート」に込められていた意味をまったく知らなかった私は、なんだか軽くショックを受けました。ラストはまぁ予想通りとはいえ、少しぐっときましたが、でも贅沢を言ってしまうと、森さんならもっと「ぐぐぐっ」とくるものが書けたのじゃないかなぁと…。男女の間の愛と、人間と人間の間にある愛と、どっちもがちょっと中途半端だったかな?と思ってしまいました。いや、ほんとに贅沢なんですけれど!

というわけで、なんだかまちまちな感想になってしまい、全体のトーンがつかめなかった私ですが…果たして直木賞受賞成るのでしょうか?!どきどき。でもこの上手さ。すごーく「これは…狙ってるのかなぁ?」って思っちゃいました(笑)。森さんの本領発揮!というよりは、「直木賞が獲れるように獲れるように…」という感が、やや。いや、でも必要ですからね!「直木賞の傾向と対策」。
| ま行(森絵都) | comments(10) | trackbacks(14) |
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コメント
いよいよ明日ですね。
森さんのこの本、1つ1つくっきりしているようで
スキみたいなのもあるので、あーでもない、こーでもない
と感想を言うのが面白い本かもしれませんね。ちょっと
森さんに辛口なところもありますがTBさせていただきます。
| ユリカモメ | 2006/07/12 6:00 PM |
あー「ジェネレーションX」よかったですよね。わたしは最後の最後のシーンでかなり笑いました。森さん節大発揮!な作品だったかと。そうか,これ直木賞狙いで書かれたんですね。ぜーんぜん気づいてませんでした。今回もほんと,どれが受賞するか予想がつきません。明日どうなりますかね。
| まみみっくす | 2006/07/12 8:42 PM |
直木賞発表前に間に合いましたね。よかったです。
長編にできそうな題材をぎゅっと短編にしたような印象で、
こういうお話も書けるという、豊富なバリエーションも感じた短編集でした。
「ジェネレーションX」は森さんらしい一編でしたね。
欲を言えば、いかいか祭りみたいなイベントネタがないのが残念です(笑)。
| 藍色 | 2006/07/13 3:28 AM |
ユリカモメさん、私も相当辛口なのでは…。
結構評判いいみたいですけれど、泣けなかった私はきっと心が乾いているのです…。でも『DIVE!』では泣いたからいいのです。(いいのか?!)

まみみさん、いや、私が穿ちすぎなのかもしれませんが(笑)。
でも…文藝春秋だし…どうなんでしょ?!

藍色さん、ぎりぎり間に合いました!
今日ですねえ…どきどきします。
私はやっぱりYAの森さんが最高に大好きなのかもと思っちゃったりしました。まだ精神年齢が子どもなだけ?!
| chiekoa | 2006/07/13 1:46 PM |
こんにちは^^ようやく読み終わりました。
「器を探して」は私も同感です。そんな男と仕事は辞めてしまえ!と思いました。言いたい放題じゃないですか。自分の意見を押し付けて。何とも後味が悪かったです。
私は「ジェネレーションX」と「守護神」が好きです。
| 苗坊 | 2006/07/24 2:07 PM |
苗坊さん、ですよね!ですよね!さっぱりわからないわ、あんな男…きいっ!スイーツの魅力しか理解できません、わたし(笑)。「ジェネレーションX」は私も一番好きです。わくわくする未来が待ってそうでステキでした!いくぜ!みたいな…。
| chiekoa | 2006/07/24 6:39 PM |
こんばんは。
私も「ジェネレーションX」がお気にいりです。
「DIVE!」もいいんですね。文庫を積んでいるので近いうちに読みたいと思っています。
| EKKO | 2006/07/25 11:01 PM |
『DIVE!!』は最高ですので!ぜひ!!
ってあんまりオススメしすぎちゃいけないかしら…。
えーと、でも、ぜひ(笑)。
| chiekoa | 2006/07/26 3:44 PM |
この一冊は全然買えませんでした。残念。
森絵都さん、普通の女流作家さんになっちゃたなぁ・・。
| すの | 2006/08/15 7:47 AM |
すのさん、なんとなく…わかるような気がします。
森さんのYAが読みたい!また書いてくれないですかねぇ…。
| chiekoa | 2006/08/16 3:28 PM |
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