南洋の孤島・イシャナイに、Z国の生物調査団の一員として渡った瞳子。政府軍とゲリラが戦うこの島に、彼女が無理矢理やってきたその理由とは?そして、島で彼女が出会ったのは…。
第10回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作だそうです。
最後まで読むと…何気にわけがわからなくなりました。ええ?あれ??そういうことなの??なんかポンと宙に放り出されてしまったみたいな感じ…。悪い感じじゃないんですけど、びっくりしました。
そして確かに基本的には「ファンタジー」なんでしょうけど、実際読んでみた感触としては、そういうふわふわした感じというよりはむしろ泥臭いくらいの…なんというのでしょう。植民地とか、民族の誇りとか、貧困とか、政治とか、ゲリラとか、戦争とか、なんかキーワードがめためたですが、そういう考えていくとちょっと苦しくなってくるような、そんなことがしっかり書かれていて、なかなかどっしりと心に座る本でした。