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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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リフレイン [沢村凜]
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沢村 凛
新潮社 1992-02

アンタミア標準暦4759年、一隻の星間連絡船が無人の惑星に漂着した。生き残った数百名は、母星からはるか彼方の惑星「メシア」で救助を待ちつつ生き延びていくことを余儀なくされる。「イフゲニア」という国家を作り、生活を始める彼らだが…。

第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作だったそうです。(その後に『ヤンのいた島』で第10回の優秀賞を受賞なさったわけですね)。 そして沢村さん、本名は浦栃朋江さんっておっしゃるんですね…(巻末の作者紹介より)。

舞台は壮大な宇宙空間。まさにファンタジーです。でも、その舞台で人間が繰り広げる物語は、そんなふわふわしたものじゃなくて、甘っちょろいものじゃなくて、手の爪の間にはさまった土のにおいさえしそうな、生々しいものでした。

極限状態で生きるということ。人間の醜い姿がそこではあらわになります。でも、そんな中でも、なくしてはいけないものをなくさないで生きようとする人がいて。それを貫き通そうとするかたくなさに、読みながら自分の心がぎゅっと締め付けられるようでした。なんでそんなに…バカだなぁ!もう楽になっちゃいなよ!って、何度思ったかしれません。でも、彼はそうしなかったし、そうしなかったからこそ、こんなふうに私の心を打つのです。もどかしいですけれど。

この物語が問いかけてくるのは、それだけではありません。「人の生死」、特に「死刑」というものについて、その倫理感というか、人が人の命を奪うということがどういうことなのか、ものすごく考えさせられました。答えがあるわけではありません。この本でそれが示されるわけでもありません。でも、だからと言って考えなくていい、見て見ぬふりをしていればいいと、そういうことではないんだなと思いました。正解とか不正解とかではなくて、「自分の考え」というものを持つということ。それだったら、できますよね。

この本が沢村さんのデビュー作。今までに読んできたほかの著作が、そうか、こういうところからスタートしてたんだなというのが、すごくうなずける本でした。沢村さんの描く不器用な人々が、そして物語が、とてもとても大好きです。そしてこの物語のラスト。あぁ、沢村さんだ!って思いました。ありがとうございました。
| さ行(沢村凜) | comments(0) | trackbacks(0) |
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