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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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千年の黙―異本源氏物語 [森谷明子]
4488023789千年の黙―異本源氏物語
森谷 明子
東京創元社 2003-10

闇夜に襲われた中納言、消え失せた文箱の中身―。幾重にも絡み合った謎を解き明かす紫式部の推理を描いた第一部「上にさぶらふ御猫」、『源氏物語』が千年もの間抱え続ける謎のひとつ、幻の巻「かかやく日の宮」―この巻はなぜ消え去ったのか?式部を通して著者が壮大な謎に挑む第二部「かかやく日の宮」。紫式部を探偵役に据え、平安の世に生きる女性たちの姿を鮮やかに描き上げた王朝推理絵巻。第13回鮎川哲也賞受賞作。

なかなかに読み応えのある一冊でした。これが「書き下ろし」とかじゃなくて、文学賞の応募作品なの?!ということにびっくり…。そして森谷さんの写真もついていて、ちょっぴり得した気分…。

まずこの発想がすばらしい!と思います。紫式部が探偵役ですよ?かといっていきなり現実を無視して式部があっちの屋敷こっちの屋敷に侵入して捜査をしたりするわけではもちろんなくて(笑)、(それだと「なんて素敵にジャパネスク」になってしまう)、彼女はいわゆる「安楽椅子探偵」です。式部のアシスタントとしてこの物語を進めていくのは「あてき」という女童。彼女が聞きつけてきたり、調べまわったことを元に、式部が鮮やかな推理を披露するわけです。それがまたわりと「飛ぶ」推理なもので、読者としてはもう素直にすごいなぁと思うしかありません。

よくある「日常の謎」系の物語も、舞台がこの時代だとなかなか斬新です。その「謎」もまたふるっていて、とくに第二部。これってほんとうに実際現在も論議されている問題なんですね。「源氏物語には欠けている巻があるのではないか?」ってこと。私は無知なので知りませんでしたが、(なにしろ「源氏物語」を「あさきゆめみし」でしか知らない…)、その道の研究者たちにとってはものすごい関心事なんだろうなぁと。その「謎」にこんなふうに挑んで、こんな答えを出してしまった森谷さん、すばらしい!のひと言です。私は無責任な読者なので、(研究者じゃないので)、ものすごく面白かったです。

面白かった…とはいえ、それは「笑える」とかそういう意味じゃなくて、なんというか、知的興奮?この物語は基本的にはしっとりとした雰囲気で語られます。二段組で難しい漢字も多くて、読むのはなかなか大変なのですが、でもやめられない。事件の真相や、彼女たちが生きているこの時代は、決して美しいだけのものではありませんが、それでも私はこの本が好きだなぁと思うし、そう思わせる筆力がすばらしいなぁと思います。お見事。
| ま行(その他) | comments(2) | trackbacks(0) |
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コメント
そうか・・・知的興奮かあ。
実は、一度図書館で借りたのですが、
読むのに知力と体力と時間が必要なかんじだったので、
あと回しにしていたら、よくある話ですが、
時間切れになって、読まずに返してしまいました。
chiekoaさんに、お見事、と言わせる本なら、
再チャレンジしてみようかなー。
| ゆうき | 2006/10/17 12:56 AM |
あ、ゆうきさんはこれ絶対好きだと思いますよ〜!
私と違って素養があるからきっとすごく楽しめると思います!しかしほんとに「読み応え」ある本ですから、(読み始めると早いですけど)、時間切れになる気持ち、ちょっとわかります(笑)。
| chiekoa | 2006/10/18 9:04 PM |
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