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となり町戦争 [三崎亜記]
4087747409となり町戦争
三崎 亜記
集英社 2004-12

ある日ポストに届いた町の広報誌で知った「となり町」との開戦の知らせ。町役場から「敵地偵察」を任ぜられ、戦争に従事することになった「僕」だが、町はいつもとかわらず、音も光も気配も感じられない。それでも「戦死者」は増え、戦争は着実に進んでいた―。シュールかつ繊細に、「私たち」が本当に戦争を否定できるかを問う衝撃作。第17回小説すばる新人賞受賞作。

結構いろんなところで話題になっていたのは知っていましたが、なんとなく触手が伸びず、今頃読みました。読んだ感想としては…。まぁ上手いなぁとは思ったのですが…すごく心に響くかといえばそういうわけでもなく。あんまり「問われた」ような気がしていない自分。そこがそもそも問題ですか?!

設定とかはすごくおもしろい発想だなぁと思いました。淡々と「戦争」が始まって、「戦時中」になって、そして「戦争」が終わる。事実として認識はしているのに、現実としてまったく実感が持てない。そのことに主人公は戸惑うわけですが、「となり町」との戦争だから実感できないことに戸惑うわけで、「どこか遠くの国と国」の戦争だったら、全く何も思わないんだろうなぁと、そしてそれに何の疑問も感じないんだろうなぁと、そのことをちょっと怖いと思いました。

戦争が「お役所仕事」としての「事業」っていう書かれ方をしてるのも、なんかすごいなと思いました。実際の戦闘は外注の企業が請け負ったりするとか。今の戦争って、実際こういう面もあるんだろうな…と。お金、お金、お金。どこかで笑ってる人がきっといて。なんだか憂鬱な気持ちになりました。

それにしてもこの「お役所仕事」の描写がすごーく細かくて、微に入り細に入り…妙なリアリティがありました。いや、リアルなのかどうかは(経験したことがないので)分からないですけれど、すごくありそう!と。この妙に事務的な様子とか、変にきっちりした文書とか、会議してハンコ押して予算内でことが進んでいけば全てOKで、それに何の疑問も抱いていない、そんなところが。

前半と後半で、なんだかテーマがずれてきたような気が読んでいてしたのですが、結局自分個人のレベルのことに置き換えないと、そこまで問題が降りてこないと、「戦争」というもだって結局実感できないっていうことなのかなぁと、無理矢理結論付けてみたりしましたが…なにはともあれ、これがデビュー作っていうのは、設定といい文章といい、ものすごく「できがいいなぁ」と、そんな風に思いました。(えらそう?)
| ま行(三崎亜記) | comments(13) | trackbacks(15) |
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コメント
いまだってもうすでに戦場以外の場所では戦争はテレビの中だけのことのような他人事感覚になっているのかもしれないけれど、この物語のようにそれこそ「事業」化されてしまうことを思うと空恐ろしくなります。
自分のどこをも痛めない戦争はたぶん何も生まないし変えないでしょう。
そんなことを考えさせられた一冊でした。
| ふらっと | 2006/11/08 12:51 PM |
そんなにお金って、欲しいものなんですかね。人を殺してでも、権力って欲しいものなんですかね。私には全然わかりません。そんな「事業」に手を貸す人の気持ちも、それに巻き込まれる人のことを考えてほしい…。いやですね、悲しいです。
| chiekoa | 2006/11/09 1:03 PM |
作者の三崎さんって、確か現役の公務員さんだったと思います。あの書類のミョ〜なリアルさはそこから来てるんじゃないかと。笑う話じゃないんですが、ブラックなユーモアは少し感じられましたね。それにしても奇妙な話でした。後味もよくないし……。
| まみみ | 2006/11/09 7:55 PM |
お役所仕事の描写がリアルでしたね。
戦争専門のコンサルティング会社と契約して、戦争事業を運営する行政・・・。
手際のよさが、前例があることを匂わせているようで、恐さが増します。
でも語り口は、フィルターを通して見ているような、薄い現実感。
不思議な印象を残す作品でした。
| 藍色 | 2006/11/10 4:35 AM |
まみみさん、あれ、そうなんですか!なるほど〜。訂正印なんてもう細かすぎてかゆくなりそうでしたよ…!(何度か苦労させられたことあり)。奇妙でしたね。忘れ難い感じではありますが。

藍色さん、前例…あると思うんですよ。実際にもこういうことなのかもって。あぁ、やだやだ。考えるとむかむかしてきます…。いや、別にこの本が悪いわけじゃないんですけれど!
| chiekoa | 2006/11/10 4:21 PM |
こんばんは!
先日、BOOK OFFの単行本500円セールでこの本買いました。
香西さんへのメンタルな部分と、行政がルールの上でしか動けない怖さと、戦争という理不尽な生命のやり取り、という三つのテーマがこんがらがっててそれなりに面白かったです。
ラストの部分は賛否両論かもしれませんね。
自分的には、アリですけど。
| hoy. | 2006/11/20 4:47 PM |
hoy.さん、まぁそんなステキなセールが(笑)。
そのテーマがこんがらがってるところに、私はちょっと??って思ってしまったのですが、でもそれも味なのかもしれませんね〜。
ラストは…私的にもOKでした。映画だとどんな感じになるんでしょうねぇ…。
| chiekoa | 2006/11/20 6:30 PM |
こんにちは。
私もやっと読みました。
私の場合、面白かったんですが、その面白さは「発想」の面白さであって、「物語」としては、「ん?」という部分がありました。
「宙ぶらりんな感覚」というのでしょうかね。
不思議な小説だと思いました。
トラックバックもさせていただきますね。
| coollife | 2006/12/29 1:02 PM |
coollifeさん、なんとなく言いたいことわかります〜。うんうん。
その感覚が病みつきになったりするのかしら…今のところはしてませんが(笑)。とりあえずこれから先も読み続けよう!と思わせてくれる作家さんではあると思います。(って私えらそう…)。
| chiekoa | 2006/12/29 4:00 PM |
こんにちは やっぱり話の設定が面白く、それに最後の方まで気になる部分を作ったりとうまいな〜と思いました
最後みつけだした答えが、ちょっと失望かな?と思います
| きりり | 2007/01/27 2:44 AM |
>まぁ上手いなぁとは思ったのですが…
 すごく心に響くかといえばそういうわけでもなく。
 あんまり「問われた」ような気がしていない自分。

 私もそんな感じでした。
 なんであそこまで評価が高いんでしょう。
 たしかに、発想や設定は、おもしろいと思いましたが・・・。

 うーん。。。
| miyukichi | 2007/01/27 11:31 PM |
きりりさん、少なくとも読んだ後に色々思わせる本ではありました。デビュー作なのに、ほんとにうまいですよね。

miyukichiさん、まぁ感想はひとそれぞれですからね!同じように感じている人もたくさんいますよ、きっと。そういうの、おもしろいなぁと思います。
| chiekoa | 2007/01/29 12:59 PM |
こんにちは。
私は先に「失われた町」を読んでいたので、これがデビュー作というのには納得できました。
でも、この作品だけで考えたら、やっぱりデビューとしてはすごいのかなと思います(えらそう)。
| chiro | 2007/07/07 4:46 PM |
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