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四度目の氷河期 [荻原浩]
4104689033四度目の氷河期
荻原 浩
新潮社 2006-09-28

生まれたときから母と二人暮らしのワタル。常に付きまとう「父の不在」という影に加え、容姿も他の子供とはどこか違う彼。何をやってもみんなと同じに出来ず、それが原因で周囲から辛くあたられる孤独な子供時代を送っていたワタルだが、ある日母がどうしても語らない「父」に関する重大な秘密を発見する。その瞬間から、少年の日々は変わりはじめ…。

十七歳十一ヶ月の「今」から、子供時代を振り返る形で物語がスタートするわけですが、かなり長い期間の話を、上手く書くなぁと思いました。おぉ、成長している!というのが読んでいるとすごくわかるというか。

しかしこの物語全体を支配するのが「クロマニヨン人」。語られている期間が長いとはいえ、基本的には「自分探し」のシンプルな物語。しかし青春小説…としてシンプルに読むには奇抜な発想で、そこが非常におもしろい点なのですが、それに惑わされてどういう読み方をしていいのかわからなくなり、ちょっと戸惑ったりもしました。ベースをどこに置いて読んだらいいのか分からなくなったというか。まぁそれもまた貴重な読書体験…。おもしろかったです。重いテーマなのかもしれませんが、ものすごく深刻になりすぎずに、ユーモアもちりばめつつこのラストまで持っていくというのは、さすが荻原さん!と思いました。

地球の歴史から言えば、いまはつかのまの夏だ。人類はみんな宿題を片づけないまま、永遠に夏が続くと信じこんでいる。計画性のない小学五年生みたいに。
確実に今日と同じ明日がくるなんて保証、どこにもないんですよね…。わかっているようで、本当にはわかってないな、私。

ラストで主人公は十七歳。これからまだまだたくさんいろんなことがあるだろうし、ここで誓ったことなんて、今は本気でも後で笑い話になるのかもしれないけれど、でも、がんばってほしいし、彼ならきっと大丈夫、たくましく生きていってくれる!と思いました。自分という存在なんてものすごくちっぽけで、でもそれでも世界に一人しかいない自分なんだってこと。彼はもうわかったから、絶対に大丈夫。うん!

【ものすごくくだらない追記】
たまに…、たまにですけど、どうしてもひっかかる「文」が出てきて、ひっかかってしまった自分がいたりしました。例えば「ドアの鍵を開ける時にジグソーパズルのピースが嵌る時のような音がした」って…そもそもピースを嵌めるときに音なんかしないよね?とか、『おお牧場はみどり』、の「みどり」の部分で声がかすれるって、一番高いのはそこじゃなくて「牧場は」の「は」のところのほうだと思うんだけど…(そこでしばらく実際歌ってみたりした私)とか。すいません、すいません、すいません。重箱の隅をつついてます。妙に印象に残ってしまったので一応書いておこうかなぁというだけの追記でした。
| あ行(荻原浩) | comments(13) | trackbacks(12) |
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コメント
ちえこあさんが引用された部分、わたしも印象に残りました。
タイトルの意味もここで解りました。

自分探しにクロマニヨン人を持ってきたあたり
荻原さんの頭の中を覗いてみた息がします。
ものすごく突飛に見えるけれど、描かれているのはいつの時代にも誰にでもある普遍的なことだというのがちょっと不思議な感じでした。
| ふらっと | 2006/11/10 1:43 PM |
つい先日伊坂さんの『重力ピエロ』を再読したのですが、そこにも「クロマニヨン人」が出てくるので、「おぉ!荻原さんも!」と思ってしまいました。今男性作家界にはクロマニヨン人ブームが…?!
でもそうですね、突飛に見えて、普遍的ですよね。さすがだなぁ、荻原さん。
| chiekoa | 2006/11/10 4:33 PM |
私も「おお牧場はみどり♪」って歌ってみたりしました。
| なな | 2006/11/10 11:59 PM |
ワタルとサチの出会いから物語が好転し始めた感じで、
最後まで読み上げることができました。

・・今男性作家界はクロマニヨン人がブームなのですね。
今度はどなたがどんな題材にされるのか、楽しみです(笑)。
| 藍色 | 2006/11/11 3:23 AM |
読み応えありました。

たしかに「おお牧場はみどり」は「は」が一番高いですよね。
う〜ん、鋭いです。
もう少し読み込まなければ、と思いました!
| す〜さん | 2006/11/11 1:18 PM |
あ、私も!「おお牧場はみどり♪」にはつっこみました。
そして歌ってみました(笑)。
荻原さんはきっと、歌ってみなかったんでしょうね。
| ゆうき | 2006/11/12 12:44 PM |
ななさん、ですよね〜。歌いますよね〜。
「よく〜しげった〜も〜の〜だっ!はい!♪」
あれ?何か違う?

藍色さん、いや、それは私が勝手に(笑)。
でも後誰に書いてもらったらいいかしら…えーと、じゃぁ東野圭吾さんに本格ミステリィクロマニヨンをひとつ…。

す〜さん、いや、鋭いって言うか…。性格が悪い?
読み込むってきっとこういうことじゃないですから、大丈夫です(笑)。

ゆうきさん、何気にみなさまの賛同が得られて(?)ちょっとうれしいでーす。
でももしかして変声期には「みどり」のあの音程がピンポイントで歌いにくいんだろうかと、いっそ高いほうが出るのだろうかと、いろいろ悩んでます…。って悩んでどうする!確かめようがない(笑)。
| chiekoa | 2006/11/12 1:28 PM |
こんにちは 私も地球の〜のところが印象的でした 氷河期とかクロマニヨン人とか突飛なテーマみたいな感じもするんですが、荻原さんらしくて素敵な本でした ワタルとサチの最後がめでたしで良かったです
| きりり | 2006/11/22 11:53 AM |
きりりさん、あのラストは…そうですよね、そう読んでいいんですよね!とりあえず生還してくれれば…私はもうそれで(笑)。
| chiekoa | 2006/11/22 5:01 PM |
最初は話の展開がつかめなくて、読むのに時間がかかったんですが、サチが出てきてからは結構すらすら読んでました。
私もラストは好きです^^
| 苗坊 | 2006/12/16 9:06 PM |
苗坊さん、ではあのラストはそういうことで決定ですね(笑)。
この季節になると寒さも際立つなぁ…。あのシーンを想像しただけで…ぶるぶる。(寒がりなんです)。
| chiekoa | 2006/12/19 3:16 PM |
 一気に読んじゃいました。
 なんかすっごくロマンでした、私には。
 ワタルが心底好きになっちゃいましたよ。
 (ヘンな意味じゃなく 笑)

 chikoaさんがひっかかった部分、
 「おお牧場はみーどーりー」のところ、
 たしかにそうですね!
 気づかなかった^^;;
 いやー、気づいたら気になりすぎます!(笑)
| miyukichi | 2007/04/10 1:18 AM |
miyukichiさん、すごく感情移入されて読まれたんですね。ステキ。
ワタルが成長していくその様子が読んでてすごくよかったです。
あの歌のところは…ど、どうしたらいいですかね。
誰か作者さんに突撃インタビューを(笑)。
| chiekoa | 2007/04/10 12:57 PM |
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