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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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最愛 [真保裕一]
410303551X最愛
真保 裕一
新潮社 2007-01-19

十八年間音信不通だった姉が、意識不明で救急病院に搬送された。重傷の火傷、頭部の銃創。それは婚姻届を出した翌日の出来事だった。しかも、姉が選んだ最愛の夫は、かつて人を殺めた男だという。姉の不審な預金通帳、噛み合わない事実。逃げる男と追う男。「姉さん、あなたはいったい何をしていたんだ……」慟哭の恋愛長編。

真保さんの本は、数年前に『ホワイトアウト』にはじまり『震源』『連鎖』『密告』『奪取』あたりを結構集中して読んだ記憶があるのですが、『奇跡の人』『朽ちた樹々の枝の下で』のあたりで離れてしまっていました。というわけで、とても久しぶりです。

以下、ややネタバレありかもです。

正直最初のうちはどうも読みづらく…最後までいけるかしら?!と思うほどだったのですけれど、流れに乗れるようになってからはなんとか。でもこれは恋愛小説なのかミステリィなのかいやサスペンス…?、とまぁそのあたりの立ち位置がよくわからなくて、戸惑いながらの読書であったことは否めずでした。

「この先どうなるの?」という興味で最後までぐいぐいっと読ませるという点ではさすが!と思わされたのですが、私はどうもこの登場人物たちの誰にも魅力を感じることができず、というか共感することができず…。このお姉さんという人物の魅力がわからなかったので、その行動にも感動することができず、どうも他人事みたいに読んでしまって、さみしかったです。展開も若干無理やりだったような気も…するような、しないような(素人がこれだけの「捜査」まがいのことをして、あまつさえこんな的確な「推理」までしちゃうのかい?というような)。

ただ、ラスト、最後の最後でこうくるとは思ってもみなかったので、それはびっくりしました。なるほど、タイトルはむしろここから来ていたのか…。でもそれはただ単にびっくりしただけで、「慟哭」とかそういうのとは…違っちゃったんですけど。だってこれだけじゃ、それだけじゃ、「愛」だって言われても、急すぎて私にはわからなかったんですもの…。

個人的に一番印象に残ったのは、この物語が「人の弱さ」というものについて、真正面から受け止めてくれていることです。人間はそんなに強くない。どんな立派な人間だって、悩み、迷い、そしてときに道を踏み外す。

結果としての罪に、見た目の大小はあろうとも、我々はつまずき、転びながら、今を生きている。
いわゆる「犯罪」という形にはならなくても、誰でも過去にいくつもの小さな罪を犯し、友や身内を傷つけてきたはずだ、と主人公は語ります。(何を持って主人公がこう語ったのかは終盤に明らかになるわけですけれど)。この言葉に、励まされた…というのとはちょっと違うかもしれないけど、でも、少し許されたみたいな気持ちになりました。ありがとう、と思いました。
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コメント
予測のつかない展開でしたよね。
弟が事実を調べ上げてああだ、こうだ、と推理する辺りは強引な気もしましたし、どうもあの弟、煮え切らなくて私は好きなタイプじゃないです。そういう話じゃないですが。(苦笑)

でも本当そうそう!素人なのに、あの的確な推理がちょっと嫌。(笑)
私のお姉さんの性格というか、生き方、理解できないです。
| じゃじゃまま | 2007/03/23 9:21 AM |
じゃじゃままさん、あ、私も好きなタイプではないかも…って、何の話をしてるんでしょうね、わたしたち(笑)。でもラストの展開はほんと予想してなかったのでびっくりしました。そういう話だったのか!と。わかってからもう一度読んだら、違うところが響きそうな気もします。
| chiekoa | 2007/03/23 11:57 AM |
現役の医師です.一気に読ませて貰いましたが,真保さんの昔のとちがって,やや叫喚できない部分が多いミステリーでした.

特に,最後に筋弛緩剤を打つ所ですが,人工呼吸器につながれている患者に対して,筋弛緩剤を打っても何も起こりません.筋弛緩剤は,自律的な呼吸ができなくする薬剤ですから,むしろ,意識が出て来て自発呼吸と呼吸器がファイティングを起こしている患者に投与するくらいです.十分なリサーチができていなかったことを代表する部分だと思います.最近の真保さんは医療物になってから,このようなことが多いと思います.
| black jack | 2007/04/10 8:50 PM |
black jackさん、コメントありがとうございます!

おお、お医者さま…。私もあのラストシーンはちょっとどうなの?ありなの?って思ったんですけど(最初読んだときはカンチガイかと思って二度読んでしまったくらい)、それ以前に実際の「効果」的にナシなんですね…。ふむふむ!全然知識ないのですごく勉強になりました!ありがとうございます!

真保さんは私の中のイメージではわりと下調べはきっちりしてから書かれる方!という感じだったんですけど、医療現場はそういうのも難しいのでしょうか。最近の真保さんからは遠ざかっていたので、これを機会にまた読み始めてみようと思います。
| chiekoa | 2007/04/11 11:22 AM |
この作品はぼくもどうにも変えませんでした。
最近の真保作品では「栄光なき凱旋」はオススメです。考えさせられました。
| すの | 2007/04/16 1:29 PM |
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最愛 真保裕一著。
久しぶりに真保氏の、なかなか深みのある作品を読んだ気がした。サスペンスなのに人間ドラマだった東野氏の「使命と魂のリミット」、人間ドラマのようでサスペンスの「最愛」。 比べるのは卑怯な気もするけど、「最愛」に軍配が上がるでしょうね。 最後まで全然予測が
| じゃじゃままブックレビュー | 2007/03/23 9:16 AM |
「最愛」真保裕一
「最愛」真保裕一(2006)☆☆☆★★ ※[913]、国内、現代、小説、ミステリー、家族愛、姉弟愛、前科 ネットで、真保裕一にしてあまり良い評価を得ていない作品だなと思いながら読んでみた「最愛」。う〜んん、これは。・・・・・。 何を書きたいのか、訴えたいの
| 図書館で本を借りよう!〜小説・物語〜 | 2007/04/16 1:26 PM |