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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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手紙 [東野圭吾]
4620106674手紙
東野 圭吾
毎日新聞社 2003-03

両親をなくし、兄弟二人だけで生きてきた剛志と直貴の兄弟。弟を大学に入れてやりたいという一心から、兄、剛志は金を盗もうとし、さらにそのはずみで人を殺してしまいます。強盗殺人犯として服役することになった剛志。進学、恋人、就職と、普通の人ならあたりまえのように手に入れていく人生の幸福すべてが「強盗殺人犯の弟」というレッテルによって奪われていく直貴。剛志は毎月直貴のもとへ獄中から手紙を送りますが、やがて…。

読んでいて、ものすごく苦しい小説でした。読みながら、何度も「これ以上ひどい目にあいませんように」と祈りました。これでもか、これでもか、というくらい、直貴の手をすりぬけていく幸福たち。自分が何かをしたわけではない、兄が犯した罪によって、どうしてこんなに苦しまなければいけないのか、こんな目にあわなければいけないのか。懸命に生きようとしつつ、徐々に「諦め」を覚えていく直樹の姿が苦しくて、苦しくて、たまりませんでした。

でも、なによりつらいのは、苦しいのは、「自分もこの直樹の周りにいる人たちときっと同じだ」ということです。直樹を差別する人たちと、自分はきっと同じなのです。「私はそうじゃない!」と言えるだろうか?そして、そうじゃない、と言わなければいけないのだろうか?そんなことを、読んでいる間も、読み終わってからも、ぐるぐる考えました。

登場人物の一人である直樹の勤務先の社長は、こう言います。

「犯罪者の家族が世間から差別されるのは当然だ。むしろそれは必要なことで、大事なことはそこから人の繋がりをいかに築き上げていくかだ。」

そして、こうも言います。

「逃げずに正直に生きていれば、差別されながらも道は開けてくる。すばらしい考え方だが、それは甘えだ。」「すべてをさらけだし、周りから受け入れてもらったとして、付き合っていく中で心理的負担が大きいのはどちらだと思うかね?」と。

「何が正しいかなんて、正解はない。答えなんてない。何をどう選択するのか、だ。大事なのはそれを自分で選ぶことだ。」

私は、もしそのときがきたら、どう選ぶのかな…。難しい。ものすごく難しいです。まだ、考えている途中です。

ラストも、衝撃的でした。
| は行(東野圭吾) | comments(5) | trackbacks(16) |
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コメント
ラストは印象的でしたね。「そうきたか!」と唸らされました。その前の弟の絶縁状のところでも「そうきたか!」でしたけど。いろいろと考えさせられました。
| ひねもじら 乃太朗 | 2005/11/11 11:41 AM |
ほんと、考えさせられるんですよね。
本を閉じても。本屋で見かけても。
はっ、と読んだときの気持ちを思い出します。
| chiekoa | 2005/11/14 3:04 PM |
この本を読んだとき、あまりにも感情移入しすぎて、
すごく苦しくなりました。
それと同時に自分が弟だったらとかんがえたけど、
やはり、どうしていいかわからず、とまどってしまうのかなぁと思った。
どうするのがお互いにとっていいのか。
難しいですよね。
| かおりーぬ | 2005/12/18 5:34 PM |
かおりーぬさん、こんにちわ!
すごく難しいですよね。何が「正解」っていうわけじゃないですから…。
自分で考えて、自分で結論を出すことが大切なのかなって思います。
| chiekoa | 2005/12/19 12:26 PM |
こんにちわ。TBさせていただきました〜。
衝撃的でしたね。
絶縁という選択も、逃げるという選択も。
あまりに大きな課題すぎて、負うことは辛いでしょうね。
それが罪の重さなんでしょうね・・・。
| 斎藤れい | 2006/06/22 3:12 PM |
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