仕事にも家庭にも恵まれ、何不自由ない生活をしてきた四十二歳の裕子。母親が呆けてきたらしいという事実、夫の浮気への疑念。様々な問題を抱え悩む彼女に、熱烈なアプローチをかけてきたのは…。
うーん、これは最初にあやまります。ごめんなさい。全然ダメでした。結構話題になってたし、いろんなところで宣伝を見たし、期待してたんだけどなぁ…。いや、この本がダメという話ではなくて(その判断は私にはできない…)、今の私にはまったく合わなかったという、その意味で「ダメ」です。でもこの本が合うような人、私は苦手かも…。
まずこの主人公の裕子さんとやらに、私はまったく感情移入ができません。なんだこの人。これだけ恵まれてて、その上でなに、ちょっと恋のお遊びですか??本気の恋ならわたしはいいと思うんですけど、これは…違いますよね。年齢的にも立場的にも、今の自分とギャップがあるからでしょうか。この歳になったらわかるのでしょうか。でもとりあえず今の私には全然全くさっぱりわかりませんでした。とにかく理解不能。理解できないので同情の余地もなし、と。(同じような年齢の「家庭を持った女性の恋の話」でも、小池さんの『
虹の彼方』はものすごく心に響いたんだから、それだけじゃないのかもしれないですけど。)
「年齢を重ねるうちにだれしもが避けて通れないシビアな現実の数々」って、ものすごく当たり前のことばっかりなんですけど、もしかしてすごく弱い人?そこがリアル?でも私は好きじゃない…。それにこう言っちゃなんですけど、林さんってこんなに文章が下手でいらっしゃったかしら…。うーむ。しかもこんなところで終わるんですか?はて。
「不倫でもなく、浮気やよくある情事でもない、そんな魂が触れ合うような恋愛は存在しうるのか。大人の女性にとってセックスの絡まない恋愛は成立しうるのか。」がテーマなようには全く思えませんでした。「切なく、心が締め付けられるような心理描写はまさに圧巻! 」とも思いませんでした。魂が触れ合うような恋愛?どこに??それってこんなもの??宣伝文句に期待しすぎちゃいけないってことですね…。
ひどいこと書いててごめんなさい。自分がいつか結婚して、こんな状態になったら「すばらしい本だわ」ってなるのかもしれないですけど、とりあえず今の私にはダメな本でした。タイミング。それもまた本との出会い…。