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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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花まんま [朱川湊人]
4163238409花まんま
朱川 湊人
文藝春秋 2005-04-23

小さな妹がある日突然、誰かの生まれ変わりだと言い出したとしたら…。表題作「花まんま」の他、「トカビの夜」「妖精生物」「摩訶不思議」など全6篇を収録。大阪の路地裏を舞台に、失われてしまった懐かしさを描く作品集。
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わくらば日記 [朱川湊人]
4048736701わくらば日記
朱川 湊人
角川書店 2005-12

小さな町を揺るがすひき逃げ事件、女子高生殺人事件、知り合いの逮捕騒動…不思議な能力を持つ少女が浮かび上がらせる事件の真相や、悲喜こもごもの人間模様。現代人がいつの間にか忘れてしまった大切な何かが心に届く、心温まる連作短編集。
昭和三〇年代。当時私は東京の下町で母さまと姉さまと三人、貧しいながらも仲むつまじく過ごしておりました。姉さまは、抜けるように色が白く病弱で、私とは似ても似つかぬほど美しい人でしたが、私たちは、それは仲の良い姉妹でした。ただ、姉さまには普通の人とは違う力があったのです。それは、人であれ、物であれ、それらの記憶を読み取ってしまう力でした…。
晩年に差し掛かった老女が、過去の出来事を回想しながら語る、「昔語り」の形で綴られるこの物語。まさに「ノスタルジック」でした。「これについてはまた別の話」みたいな記述とかも、とっても昔話チック…。結構すごい、心がひりひりするような出来事とかも書いてあるのに、なんとなく穏やかに読めてしまうのは、この語り口調のせいでしょうか。(「姉さま」!呼ばれてみたい…)。読んでいるとこの口調につられて、自分までのんびりゆったり上品になってしまうような(気のせいでしたが)そんな本でした。

こういうのを読んでいると、きっとつらくて大変なこともいっぱいあったんだろうけど、この時代に生まれたかったなぁって思います。「生きて」いる感じが、すごく。いや、この時代にだって自分次第で、いくらでもちゃんと「生き」られるんでしょうけれど!

初・朱川さんだったのですが、こういう感じの作風の方なのかなぁと。直木賞受賞作の方も読んでみたいと思いました。っていうか、この作品まだ続くんですよね?そうですよね?まだ聞けていない「別の話」、まだまだ聞きたいです。

そしてわたし、ずっと「わらくば」だと思ってました。違う!「わくらば」!漢字で書くと「病葉」。「病気や虫のために変色した葉。特に、夏の青葉の中にまじって、赤や黄色に色づいている葉」という意味だそうです。こうやって知ると、なんだか切ないタイトルだなぁ…。(そして「わらくば」じゃダイナシ…。)
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小さな町の風景 [杉みき子]
4037204401小さな町の風景
杉 みき子
偕成社 1982-01

坂・橋・海などの八つの風景にまつわる45の小品集。独特の感性と郷土性を、香り高い文章で綴った掌編集。

「あの坂をのぼれば 海が見える」

何年経っても、ふとしたはずみに思い出す、こんなフレーズがあります。小学校の教科書で読んだ、ある物語の冒頭の一文です。大人になって調べなおして、杉みき子さんの「あの坂をのぼれば」というお話だということを知りました。

どうしてこんなに心に焼き付いているのでしょうか。とても不思議です。実際に坂を上っていてふと目を上げたときに、そして、人生の坂道を上っている苦しいときに、ほんとうにふっと浮かぶ言葉。思い出すと、気持ちがちょっと楽になったような気にさせてくれる言葉。これから先の人生でも、きっとずっと、何かの場面で、この言葉を思い出すんだろうなぁと思います。

これ以外に収録されているお話も、どれもステキな物語でした。この本は、いつか買って手元に持っていたいと思います。
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恋ひらり [島村洋子]
4334924794恋ひらり
島村 洋子
光文社 2005-12-14

誰にも言えない秘密と、過去の深い心の傷を抱えた珠輝。一生孤独のまま、ひっそりと一人で生きていく決心をしていた彼女の前に、ある日現れた青年は…。

ブックデザイナーを主人公にしたドラマ「今夜ひとりのベッドで」の小道具であった本を、実際に単行本化したものだそうです。装幀が先にありきの本というのも、なかなか珍しいのでは?そしてこの装幀にぴったりの内容であったと思います。(私は残念ながらそのドラマを見ていないのですが。)

この物語は、なんだか読み終えてすごく短い話だったような気がしました。実際には普通に単行本一冊の本なのですが、なんだか…ちょっとあっさり?悪くないのですが、もっともっと読みたかったなぁ。切なく哀しいこの物語の登場人物たちの本音を、もっともっとさらけだしてほしかった。人間の美しくない部分も見せてほしかった、聞きたかった、そう思いました。

心に残る本でした。冬に読むのにオススメです。
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カギ [清水博子]
4087746976カギ
清水 博子
集英社 2005-04

1月1日から、12月31日までの、一年間の日記…。

最初のうちは、何で日記が二つ並んでいるのかわからなかったのです。二重人格者?とかいろんな想像をしてしまいました。違いました。読んでいくと、ひとつは妹の日記でもう一つが姉の日記だということ、妹の日記はwebで公開されているけれど姉の日記はローカルなものであること、などがわかってきます。へぇ、おもしろい仕組みだなぁ…と。

そして読み進めるにつれて、話はなんだか奇妙な方向へ…。ストーリーはあるようなないような。途中、姉の日記に妹がマクロを組み込んでそれを盗み読むというシーンがあるのですが、なんだかもう私の常識の範疇を超えています…。(しかもその割には盗み読みの効果がなかったというか、妹の日記に変化がなかったのですけど。)そんなこんなで「はて?」と思いながら読んで、「はて?」のまま読み終わってしまいました。えーと、この終わり方は…どうなっちゃったのかしら。斬新…?

ちなみにこの本、裏表紙の折り返しに作者さんの写真が載っているのですが…ごめんなさい、正直引いてしまいました。見なきゃよかったな…(笑)。(失礼)

ちなみに私は谷崎潤一郎の『鍵』は読んでいないので残念です。
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ワーキングガール・ウォーズ [柴田よしき]
4104711012ワーキングガール・ウォーズ
柴田 よしき
新潮社 2004-10-21

墨田翔子、三十七歳、独身、大手一流企業の企画部第2企画課・係長。仕事はできるが、きつい性格と口の悪さで上司からも部下からも煙たがられている存在。嵯峨野愛美、三十歳、独身、日本を飛び出しケアンズの小さな旅行会社に勤めている。遠く異国で暮らす自分に疑問を感じ始める今日この頃―。
そんな彼女たちの心模様を連作短編形式でつづった物語です。

なかなかおもしろかった…というのが正直な感想でした。随所に「男の人の書く女性っぽい…」ところが垣間見られるものの(?!)、それでも男の人なのに上手い!と思いました。好感が持てる感じ…。こういう女の本音みたいの(あまりにもわかりやすく、ステレオタイプすぎるとも思いましたが)を、男の人がよく書けるなぁって感心しちゃいました。まぁこんな職場ばかりじゃないと思いますけど。(少なくとも私の勤めているところは全くこんなことないので。)
あ、あとソレは6個で300円もしません!(笑)

ただ私は「負け犬」っていう言葉がものすごーーーくキライなので、そういう風には読みたくなかったのですが、そういう風に書きたかったのかな…。どうなんでしょう。だとしたらちょっと残念。でも作品としてはとてもおもしろかったです。素直に、彼女たちに、これからもがんばれ!ってエールを送りたくなりました。

【追記】
というわけ(コメント参照)で、ココまで書いたところで、柴田さんは女性だということがわかりました。えー!ごめんなさい。名前が男の人みたいだったし…。そりゃ、ここまでリアルに…書けますよねぇ(笑)。お恥ずかしい…大変失礼いたしました。でも…300円もしないですよね?(どんな高級品?)
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野ブタ。をプロデュース [白岩玄]
4309016839野ブタ。をプロデュース
白岩 玄
河出書房新社 2004-11-20

高校二年生の修二のクラスにやってきた、「デブでキモチ悪い」転校生。彼を人気者にするべくプロデュースすることにした修二ですが…。

うーん、なんでコレが芥川賞の候補になったのかよくわかりませんが…。確かにおもしろくは読みました。おもしろくというか、おもしろっぽくというか…微妙。会話とか、主人公の一人突っ込みとかはおもしろいです。でも会話文に「(笑)」ってつけるのとかは…ちょっと…。あと読みづらいというか、句読点の位置がわかりづらくて、同じ文を何度か読んで「あ、こういう意味ね」って考えてないといけないようなことが多々ありました。

こういう、世をすねたひねくれた主人公のちょっとおもしろい一人語り。基本的には好きな路線なんですけど、どうしてダメだったんだろう…。普通だと好きになるタイプの主人公なんですけど、どうしてもこう、あと一歩好きになれないまま終わってしまったというか。人間関係の希薄さや、その痛々しさを書きたいんだか書きたくないんだかよくわからなかったというか。印象が中途半端でした。とにかく主人公にあんまり感情移入できなかったせいで、このラストが「…」なのかなぁ。

前半のほうはなかなかよくって、最後にどうくるかな?と期待しながら読み進めていたのですが、後半…まぁこうくるだろうなぁと思っていた展開に、「え?こういっちゃうの?」というラストがくっついてくるという、なんだか裏切られたような感じでした。なんでもリセットすればOKですか?今の若い人ってそういうものですか?納得がいかない…でもそこが狙いなのかしら…。うーむ。

というわけで、パラパラといいのですが、全体的に私にはダメでした。
でももう一作出たら読みます、たぶん…。
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不健全な精神だって健全な肉体に宿りたいのだ [菅野彰]
4872574451不健全な精神だって健全な肉体に宿りたいのだ
菅野 彰
イースト・プレス 2004-04-20

初めて読んだ作家さんです。エッセイ集です。

おもしろかった!です。もしかして有名な方?わたしが知らなかっただけですか?西原理恵子さんの「できるかな」のエッセイバージョンみたいな感じです。いろんな企画をもとに作家さんがそれを体験してきて、そしてそれをもとに作品ができる、と。興味はあるんだけど、自分で行くのはちょっと…ってことを彼女が代わりにいろいろやってくれます。これを読んで、とりあえず占いとエステに行きたくなりました(笑)。

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ハサミ男 [殊能将之]
4061820885ハサミ男
殊能 将之
講談社 1999-08

少女を殺害し、そのクビにハサミを突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。今までに二人を殺し、三人目の犠牲者を殺そうと計画している最中に、「ハサミ男」の手口を真似たほかの人間に彼女を殺されてしまいます。その死体の第一発見者に自分がなってしまったハサミ男。事件の真相は?!

これぞまさに「叙述トリック」!(最近マイブーム。)すっかりだまされました。きれいにだまされました。そして二回だまされました。(最初の大どんでん返しで間違って理解しただけかもしれませんが…。)なんかおかしいなぁとは思っていたのですが、こういうことだったとは。でもトリックがわかったときに、きれいに「すっきり」しなかったのがちょっと残念。読んでいて、違和感を感じて、それがだんだん積もり積もって、最後にトリックがわかってあぁすっきり!というほうが好きなのですが、違和感がそのままちょっと残ってしまった感じというか、なんというか。

トリックはよいのですが、この最後はなんだか納得がいかないです。「怖い!」って思うわけでもないですし。ちょっとユーモラスな感じがただよっているからでしょうか。それはそれで好きな感じでしたけど、物語全体的には中途半端になっちゃって逆効果なのかなぁ…などと思ったり。

このトリックを踏まえてもう一度読みたい気持ちにはあまりなりませんでした。

しかしこれ、映画化って…どうやったんでしょう?ある意味気になります。
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ちいさな衝動 [白石公子]
4104233013ちいさな衝動
白石 公子
新潮社 1998-05

「晴れる日ばかりじゃない―かっこわるくてもいいじゃない。うなだれてこみあげてくるものを飼いならして生きる女たちの物語。」

と、帯には書いてあったので、それでも前向きに生きていく明るい話かと思っていたら、えらく暗い話というかこっちが現実ね、という話で、落ち込んでいるときに読んだら余計落ち込みました(笑)。

中目黒の「LITTLE IMPULSE」というブティックに、ちょっとずつ関係のある4人の女性の物語です。恋人とうまくいかなかったり、会社にいづらかったり、家族ともめたり、うまくいかない日々を送る女性たち。何かにつけ折り合いをつけて生きていかなければいけない、うまくいかない気持ちを「飼いならして」いかなければいけない、そんな現実。彼女たちの感じる心の重さがこっちにもうつってくるというか、ずーんとしてしまいました。

うーん、切ない…。とりあえず、元気になりたいときに読むにはオススメいたしません。

文中に出てきた「降りかかってきたことを乗り越えようとするとき、何かに挑もうとするときは、最終的にはひとりなのかもしれない」という言葉が、ちょっと心に残りました。
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