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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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月魚 [三浦しをん]
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三浦 しをん
角川書店 2001-05

二十四歳、古書店の若き当主・真志喜と、幼馴染で同じ業界に身を置く瀬名垣。小学生だったある夏に起きた「事件」以来、二人は密かな罪の意識をずっと共有してきていた―。ある日、本を買い付けに行くという瀬名垣の手伝いで一緒に出掛けることになった真志喜。過去の呪縛から一歩も動けずにいる二人を、そこで待っていたものは…。

「水底の魚」と「水に沈んだ私の村」の二編が収録されています。

のっけから漂うこの耽美な雰囲気は…そこはかとなくBLのかほり?とか思いつつ読みました。曖昧で危うい関係、微妙なバランス。具体的な描写が始まったらどうしよう!と思いつつ読みました。でも寸止め(笑)。触れるか触れないかくらいの距離に悶える感じ。わたしはこの手の話はダメかと思っていたのですが、これはそんなにキライじゃなかったです。「水に沈んだ私の村」の方は、真志喜と瀬名垣が高校生の頃のエピソードなのですが、それを読んだら余計になんだか大丈夫になりました。自分でもびっくり。でもこれは小説だからOKだっただけで、マンガだとNGかも…(汗)。

そう、読んでいてすごく「マンガ」の絵が浮かぶのです。コマ割りまで浮かんできそうな…それだけ描写が鮮やかということでしょうか。(すごくステレオタイプだからというのもあるかもしれませんが)。でも、描写して描写して描写して、「あとはご想像にお任せします。」みたいなのには…きゃー!どきどき!

この物語の舞台は現代のはずなのに、なんだかとても昔の話を読んでいるような、そんな不思議な気持ちになりました。っていうか、君たち繊細すぎ!!もっとたくましく生きなさい!(それを言ってはダイナシ。)

なお、わたしが読んだのは単行本ですが、文庫本だともうひとつ書き下ろしで短編がついているそうです。なんか損した気分…。
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妄想炸裂 [三浦しをん]
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三浦 しをん
新書館 2003-11

私の血中オタク濃度の高さに驚かないでいただきたい。てらいなくオタクであることを語りながら、そのイメージを打破する溢れるユーモアと才気。毒があっても、なぜか新鮮なさわやかさ! 本とマンガを何より愛し、三味線と盆栽(サイボン!?)をシュミとする新進作家の爆裂エッセイ。Boiled Eggs Online連載「しをんのしおり」単行本化、第二弾。

実は、この本が三浦さんのエッセイ初体験でしたが…むちゃくちゃおもしろいじゃないですか!!抱腹絶倒、とまでは言わないにしろ、結構ツボにはまってしまい、どうしよう電車の中なのに、私あやしい…!ということが何度もありました(笑)。(特にはまったのが「防人のうた」。)

しかし、ほんとうにこの人があんな小説やあんな物語を書いたの??なんて引き出しの多い方なんでしょうか…。えらく感心してしまいました。

ちなみに、私が読んだのは文庫ではなくて単行本の方なのですが、両方とも表紙の絵が羽海野チカさんです。おぉ、なんと贅沢な!
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むかしのはなし [三浦しをん]
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三浦 しをん
幻冬舎 2005-02-25

「かぐや姫」「浦島太郎」「桃太郎」…。そんな誰もが知っている日本の昔話に重ね合わせて描かれる、7つの短編から成る物語です。

それぞれの短編の頭に、元になった昔話が抜粋で記述されているのですが、それがなくても立派に独立した短編として成り立っているように思えます。(むしろ「これとあの昔話にどんな関係が?」と思ってしまうことも…。すいません、読解力なくて。)そして、それぞれが独立しているのかと思いきや、少しずつリンクしていく物語。つながって紡がれる、その物語の行き着く先は…。

あとがきのなかで三浦さんはこう言います。
「なにかを語り伝えたいと願うときとは、きっとなんらかの変化が起きたときだろう。喜びか、悲しみか、驚きか、定かではないけれどとにかく、永遠に続くかと思われた日常のなかに非日常性が忍び入ってきたとき、その出来事や体験について、だれかに語りたくなるのだ。だれでもいい、だれかに。」
語り継がれる「昔話」としての「むかしのはなし」と、それぞれが語る「自分の過去の話」としての「むかしのはなし」。

この「現代の昔話」が語られるきっかけになった、非日常的な「なにか」。携帯メールや、電話や、日記といった現代の「形」で、どこにでもいそうな普通の人間たちが語るこの物語。彼らが伝えたかったことはなんだろう。愚かな、でも愛すべき人の営み。いとしいけれどちょっと哀しい、そんなことを思いました。

ちなみに、私は「ロケットの思い出」が一番好きでした。
(単に犬好き??)
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格闘する者に○ [三浦しをん]
4794209606格闘する者に○
三浦 しをん
草思社 2000-04

主人公、藤崎可南子は就職活動中の女子大生。「学生の間にがんばったことはマンガを読むこと」という彼女の希望先は出版社。それもあんまり熱心なほうではなく、なんとなーく、だらだーらと活動する日々。そんな彼女の悩みのネタは就職活動のみならず、家族のことでもあったりし…。

実は私はいわゆる「リクルートスーツを着た」就職活動をちゃんとしたことがほとんどないのですが、それでもこの可南子の物語には「うん、うん!」とうなずけること満載で、あまりのおもしろさに、ほんとうにあっという間に読み終わりました。

暴走しまくりの可南子の妄想に笑い、西園寺さんとの恋模様に泣き、とにかく彼女には翻弄されまくりです。読み始めたときは「なんだ!この女は!」と思っていたのですが、読み進めていくうちに、うっかりそんな彼女のとりこになってしまいました(笑)。彼女の周りの人々も、みんなどこか憎めなくて、なかなか。

三浦しをんさんの作品は「私が語り始めた彼は」しか読んだことがなかったので、これとのあまりのギャップにたまげました…!なんというか、これはそれこそ「マンガ」みたいな小説です。しかし、いろんなものの書ける作家さんなんだなぁと感心。(ちなみにこっちがデビュー作だそうです。)

そしてこのタイトル。「何?このヘンなタイトルは??」というモヤモヤは、読めばすっきり、拍手喝采です!うまいなぁ〜。
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私が語りはじめた彼は [三浦しをん]
4104541036私が語りはじめた彼は
三浦 しをん
新潮社 2004-05-25

何の予備知識もなく読み始め、一つめのお話がすぐ終わったので、短編集なのかぁ、と思っていたら、ひとつひとつがちゃんとつながっていって、全体でひとつの物語でした。「村川」という大学教授をめぐる人々の物語です。

この構成、ありがちですが、ここではぴったりはまっていて、感心してしまいました。短編ごとに主人公となる語り部が変わるのですが、その書き分けがすごいのです。一人の作家さんが書いていると、どことなくどの登場人物も似たような感じになってしまっていることが多い気がするのですが、三浦さんの書く登場人物は、それぞれのキャラがちゃんと立っているというか。短編ごとにがらっと雰囲気が変わるのです。性別も年齢も性格も設定も違う登場人物たち。こんなにいろんな人を書けるのか!とびっくりしました。すごいなぁ。

作中にも出てくるセリフですが、「事実はひとつだけだけれど、真実は人の数だけある」ということを物語りにすると、まさにこうなるのだなぁというお話です。同じ「彼」を語ってこうも違うのか…と。

そして全体の軸になっている「村川」本人は何も語りません。そこがまた、うまいなぁと思いました。そうか、だからこういうタイトルなんですね。納得。

愛とか恋とか、勝ちとか負けとか、幸せとか不幸せとか、そういうことをちょっと深く考えさせられました。「村川」は、ほんとうに幸せだったのかなぁ…。
| ま行(三浦しをん) | comments(8) | trackbacks(6) |