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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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賢者はベンチで思索する [近藤史恵]
416323960X賢者はベンチで思索する
近藤 史恵
文藝春秋 2005-05-26

専門学校を出たものの、思ったような就職先が見つからず、ファミレスでウェイトレスのバイトをしている久里子。そのお店の常連である老人と、偶然店の外で言葉を交わすようになった彼女ですが…。

こういうお話だったとは…!なんか題名とかから想像していたのと全然違う物語でおどろきました。でも、いいほうのびっくりです。

ストーリーも、登場人物のキャラクターも、特に何か特徴的というわけではありません。みんなすごく等身大というか、どこにでもいそうな人々で、彼らの抱える悩みや不安もよくわかる、とてもリアルなものです。そんな中でただ一人、国枝という老人だけが謎めいて、ちょっと異質な雰囲気を漂わせています。その「謎」が最後に解き明かされるわけですが…そこで「あっ!」と思わされました。そういえば最初から気になってたのに、すっかりうっかりしてたよ!と。こういう「あ!」はとっても爽快。

そんな国枝と久里子を軸に展開されていくこの物語は、全編になんとなく漂う漠然とした不安な気持ちというか、何かいやなことが起こるのかもしれないという予感がずっとあって、でもそれを毎度いい意味で裏切ってくれました。不安と安心を行ったり来たりしながら、すごく気持ちよく読めました。

おもしろおかしいお話とは違う、でもシリアスにえらそうな人間論とも違う。人の暗い面というか、黒い部分をめぐる話でありながらも、作品全体が全然そういう暗い雰囲気じゃないのです。最後まで読んで、いい本だったなぁと素直に思いました。すごいなぁと思いました。
| か行(近藤史恵) | comments(5) | trackbacks(5) |
アンハッピードッグズ [近藤史恵]
4120029417アンハッピードッグズ
近藤 史恵
中央公論新社 1999-10

パリで同棲生活をしている岳と真緒。岳が空港で荷物を盗まれて困っていた新婚夫婦・浩之と睦美を家に連れてきたことをきっかけに、何かが変わり始め…。

「わたしたちって、ただ、方法論を見つけてしまっただけなんじゃないの?」

「きっと、うまくやるためのマナーとか、方程式とか、そういうものを心得ているだけなんだわ。そういうものがなければ、半日も一緒にいられないかも。」
そんな関係の二人。淡々としたクールな雰囲気。テンションの低い主人公のこういう不毛な(?)恋愛、苦手なはずなんですけど…なんだかすごく引きこまれました。自分でも不思議。真緒のところに睦美がやってきて話をするシーンなんて、全く他人事なのに自分まで背筋が寒くなりました。あの「嫌な話」の予感…。やだやだやだ!やめてやめてやめて!って。

というわけで、私はこのラストでとてもよかったです。うまくいえないけど、こういうのがほんとにリアルなんだろうなぁって。不毛だけど、でもこの二人はこれでいいと思うのです…。お幸せにとか、そういうのとは違う意味で…。
| か行(近藤史恵) | comments(4) | trackbacks(2) |