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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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猫はスイッチを入れる [リリアン・J・ブラウン]
4150772045猫はスイッチを入れる
リリアン・J. ブラウン 羽田 詩津子
早川書房 1990-04

新聞社に務める記者クィラランは、年末の記事コンテストのためのネタ探しに奔走していた。「ジャンクタウン」という町を知った彼は、麻薬がらみの「ジャンキー」の感動的な記事を書こうと思い立ったが、そこは骨董品「ジャンク」を扱うアンティークショップが立ち並ぶ町だった。とにかく取材を始めたところ、ある事件が浮かび上がってきて…。

シャム猫ココシリーズ、第三弾です。

前作で住むところがまたなくなってしまったクィララン、仕方なくホテル暮らしをしていたのですが、これをきっかけにココとヤムヤムと一緒にジャンクタウンにお引越しです。その新しい部屋の家主のおばあさんアイリス・コブが作るお菓子とかが妙においしそうで…読んでいておなかがすきました(笑)。こんな人のいるところに住みたいなぁ。実際いたら面倒くさそうだけど、憎めなくてちょっと好きです、あの人。

事故死として処理された二ヶ月前の若きアンティークディーラーの死の謎を追って、クィラランは独自に調査を進めていきます。街でアンティークショップを開いている同業者たちや、彼の恋人だった女性にインタビューしながら、真相を探るクィル。(しかしなんかクィルが美しい女性に妙に興味津々なこの手のシーンが毎回登場するわけですが、これはこのシリーズのお約束なのでしょうか(笑))。そんな中、さらに新たな事件も勃発して…。なんか今回はまさに「ミステリィ」という感じで、どきどきはらはらです。

ココを頼りになんとか事件を解決しようとして四苦八苦するクィルがいいです。でもそこはさすが「猫」。人の思う通りにはなかなか動いてくれません。そんなココに失望するクィル。でもなんだかんだいって…結局は大活躍しちゃうんですから!そう、今回のココの活躍はまさに「大活躍」。彼女の何のスイッチを入れたのか?!そして何のスイッチを切ったのか!これはすごいです(笑)。

そして毎回クィルの猫たちへの態度には尊敬の念を感じていた私ですが、このセリフでさらにその思いを深めることに。やっぱりいいやつだ、クィル…。

「猫は飼うことができないんだ」
「公平な権利とお互いに対する尊敬という条件で、同じ家を共同で使うだけだ…それでも、なぜかいつも猫に先を越されてしまう。とりわけシャム猫というのは、優位に立つすべを心得ているんだよ」
忘れちゃいけない、大切なことですよね!

「シャム猫ココシリーズ」読了分リスト
1. 猫は手がかりを読む
2. 猫はソファをかじる
3. 猫はスイッチを入れる
| 海外作品(リリアン・J・ブラウン) | comments(4) | trackbacks(0) |
2007年本屋大賞決定
1月22日にノミネート作が発表されていた本屋大賞
今夜の7時から楽天で発表会の模様が生放送だそうですが、
昼に行った書店ではもう発表になっていたので…。

※まだ見たくない人は「続きを読む」をクリックしないでくださいね。
 &メモしまちがってたらスイマセン…。

続きを読む >>
| 企画モノ・雑文など | comments(5) | trackbacks(1) |
陋巷に在り(3)媚の巻 [酒見賢一]
4101281157陋巷に在り(3)媚の巻
酒見 賢一
新潮社 1998-04

子に対抗して塾をかまえ、急速に勢力を拡大していく謎の人物、少正卯。その屋敷に住む妖艶な美女、子蓉は恐るべき性魔術・媚術の使い手だった。練達の儒者である子路をはじめ、孔子の弟子が次々と子蓉の術の虜となり、ついに魔の手は顔回へと及んだ。透徹した精神と類稀な呪術を備えた顔回さえも子蓉の掌中に落ちてしまうのか?

いやー、この巻の前半はまたなんとも…こう…セクシーな…(照れ)。さすが「媚の巻」。読んでいてどきどきしてしまいました。子蓉の魔の手(?)は子貢をたらしこみ、そしてついに顔回へ…。二人の一騎打ちのシーンはなかなかに圧巻でした。そして私、ここを読むまでは子蓉のことがなんかすごく嫌いだったんですけど、(悪魔のような媚を売って男を虜にしちゃう女なんて!)(←あれ?ひがみ?)、読んでみたらなんかそうでもないじゃないのというか…逆に可哀そうに思えてきたりもし…不思議です。

そして子蓉とのあれこれが一段落したと思いきや、今度はまたあの少正卯が怪しい動きを…。あぁ、彼は敵なのか真実味方なのか。やきもきやきもき。でも明らかに怪しいよなぁ。これで裏がなかったらなかったら嘘だよなぁ…。うーむ。やっぱりこの人は悪人に決定!違ったらごめんなさいだ!…と思って読んでいたら、うん、やっぱりそうか、正体を現したな!という感じ。くぅ、なんかむかつく。この人嫌いです。

この巻のラストには…ちょっとショック。かなりショック。顔穆が…そんな…。あまりのショックにちょっと四巻目を読むのがつらい気持ちです。うう。今まであえて語られていなかった(と私は思っていた)、太長老の娘であり、孔子の母である徴在の話も、こうやってまた新たな展開を見せていくのかな…。

『陋巷に在り』既読リスト
陋巷に在り(1)儒の巻
陋巷に在り(2)呪の巻
・陋巷に在り(3)媚の巻
| さ行(酒見賢一) | comments(0) | trackbacks(0) |
精霊の守り人 [上橋菜穂子]
4101302723精霊の守り人
上橋 菜穂子
新潮社 2007-03

女ながら腕ききの用心棒であるバルサ。ふとした偶然から新ヨゴ皇国の皇子チャグムの命を救った彼女は、それをきっかけにチャグムの母・二ノ妃から「チャグムを連れて逃げ、彼を守って欲しい」という依頼をされてしまう。チャグムの体には何かが宿っており、そのせいで父である帝から命を狙われているのだというのだ。断ることなどできず、彼を守り逃げることになったバルサ。チャグムの体に宿ったモノとは何なのか?そして二人の運命は…。

ずっと読みたいなぁと思っていたこの「守り人シリーズ」、一作目にあたるこの作品が文庫化されたのを機に、購入して読んでみました。

数百年の歴史を持つ「新ヨゴ皇国」。その建国にまつわる伝説に端を発して、この物語は広がっていきます。人間の住む世界「サグ」と、そして精霊の住む世界「ナユグ」。支えあう二つの世界の間で、長い年月の間に、いつの間にか忘れ去られた、いや、忘れさせられたもの。

読み進めるにつれて、どんどんこの世界にはまりこんでいく自分を感じました。そう、「世界」。ここにはほんとうに新しい「世界」があります。ただ本を読むだけで、その世界が目の前にぐんぐん広がります。そしてこの「世界」は決して単純なファンタジーなどではなく、私たちの生きているこの「世界」の姿を、鏡のように映すものでもあります。こんなに素晴らしい本をなぜ読んでいなかったのか…児童書だから?いやはやもう、不覚です。不覚でした。

チャグムの体に宿ったもの―ニュンガ・ロ・イム(水の守り手)とはいったい何なのか?、伝説の本当の意味とは?、チャグムを狙う父の追っ手と、その体に憑いたモノを狙う幻獣と、二つの死の手からバルサはチャグムを守ることができるのか?

次から次へ、息つく間もなく繰り広げられるストーリーは、文句無く面白く、読み手を引きつけて止みません。手に汗握りながら読みました。そして出てくる登場人物たちのキャラがもうみなとても魅力的。全然薄っぺらくなくて、それぞれがそれぞれに生き生きとしていて、いや、もう生き生きとかそんなことじゃなくて、まさに「生きて」いて。そこにある深い思いが…なんかそれだけでもう参りました!と思いました。

文庫化されているのはまだこの一冊だけですけど、単行本としてすでにシリーズが完結しています。これからぜひ読もうと思います。絶対読みます。

「守り人シリーズ」リスト
・精霊の守り人
・闇の守り人
・夢の守り人
・虚空の旅人(外伝)
・神の守り人 来訪編
・神の守り人 帰還編
・蒼路の旅人
・天と地の守り人 第一部 ロタ王国編
・天と地の守り人 第二部 カンバル王国編
・天と地の守り人 第三部 新ヨゴ皇国編

ところでバルサは三十歳。「おばさん」とか「中年」とか書かれてるんですけど…え?そうなの?三十歳ってそうなの?(涙)。…まぁこんなにかっこよくて大活躍だからいっか…。(じゃぁこんなにかっこよくもなく活躍もしない私は…?きゃー!)
| あ行(上橋菜穂子) | comments(4) | trackbacks(4) |
誰にも見えない [藤谷治]
4093877076誰にも見えない
藤谷 治
小学館 2007-03-01

有名私立中学に通う、十四歳の瑠菜。ある日思い立って「日記」をつけることにした瑠菜がつづる、彼女の日々とは…。

うわぁ〜、なんて爽やかで気持ちのいい!びっくりしてしまいました。

この物語は「瑠菜の書いた日記」です。彼女が感じたこと、思ったこと、考えたことが、彼女の言葉で隠すことなく、むき出しに、率直に語られていきます。何がすごいってそれがすごい。だって藤谷さんは大人の男性ですよ?それがこんなふうに…過去に十四歳の女子中学生だったことのある私が読んで、これだけ「そう、そうだった!」ってリアルに胸が痛むような文を書いてしまうんです。す、すごい…。

本が好きな瑠菜。『TSUGUMI』を読み『麦ふみクーツェ』を読み…なんて素晴らしく趣味のよい読書なんでしょう!と、なんかそんなところにも感動してみたりして。

あのくらいの頃、自分の心の中にあった「なにかもやもやしたもの」。瑠菜もそれを抱えていて、それが何なのかを一生懸命考えて、そしてなんとか文字にしようとしています。親という存在、友達との関係、自分の将来―。読んでいるとあの頃の気持ちがぐわっと思い出されてきます。なんか、ちょっと恥ずかしくもなりますけど。だからこの本のラストにはすごく救われたというか、爽快というか、うれしくなりました。

「つらいことが、あっても、ひとりぼっちでも、生きるほかはない。にげ出してもいいし、放り出してもいいし、ひきこもっても、いい。生きなきゃいけない。なんでだか、分かるかい?」
「人間はね、一人のこらず、自分以外のだれかを、しあわせにしないといけないんだよ。一人でも、二人でも、三人でもいい。自分じゃないだれかを、しあわせにするために、人は生きてる。それができないうちは、死のうと思っても、死ねないもんなのさ」
物語の後半、瑠菜が出会ったおじいさんが語る言葉です。この言葉が、この言葉を必要としている誰かのところに届きますように。

今十四歳の人も、昔十四歳だった人も、みんなに読んでほしいなぁと思います。
| は行(藤谷治) | comments(6) | trackbacks(3) |