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呑まない日はあっても読まない日はない。というわけで、その日に読んだ本をできるだけ記録してみようという試みで始めました。コメントなど書いていただけるととてもよろこびます!
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ジョナさん [片川優子]
4062130769ジョナさん
片川 優子
講談社 2005-10

高校二年生のチャコ。親友のトキコの「大学を受験しない」宣言。休日の公園で出会った名前も知らない男性。揺れ動くチャコの気持ちは…。

予備知識はゼロの状態から読み始めたんですが…読みながら「なんか高校生が書いたお話みたいだなぁ」と思っていたら、そのものズバリ、作者さんは現役高校生だそうで…。あら、そうでしたか。

悪くはなかったです。なかったんですけど、でも、よくもわるくも「そのまま」というか「普通」というか。高校生が高校生のことを書けば、そりゃリアルにもなるだろうなぁという感想を持ってしまいました。内容的にも、特に奇抜なこともなく、ものすごく主観的に、ただ高校生が考えていることが語られていくわけで。私もそういうこと思ったなぁ、というのはあるんですけど、それが胸に響くのかというとそういうわけでもなく。というか、高校生にしては子どもっぽすぎないかしら…とも思ったり。いや、悪くないんですよ。これだけ書けるってすごいと思います。私は「みずみずしい感受性」というのをどこかにおいてきてしまったようで…。

あと、文章は上手だと思うんですけど、物語の書き方のほうが少し…。例えば一番気になってしまったのが、(ネタバレですけど)、ラスト近くの「弁護士」がどうこうというシーン。彼女が将来弁護士になりたいって言ったとかって…そんなの前に出てきた?って。(出てきてたらごめんなさい。思わず読み直したんですけど見つけられなかったです…。)そういう伏線があったら「あぁ!」って思えたところが「??」になっちゃって。そりゃ君は知ってるかもしれんが、私は知らんよ、と思ってしまったわけです。ものすごーくプライベートな、私的なものを読まされている気持ちになっちゃった…。いや、そういうお話なんですけどね。

ちなみに、この物語の舞台はうちの実家の隣町です(笑)。出てくるとこがどこだかわかるわかる…。菊名のジョナサン。はいはい、行ったなぁってなもんで、ちょっとうれしかったです。しかし!その菊名に向かう途中の描写、「電車の窓からは、全体的になにもない田舎の風景と、それに不釣合いな大きいスタジアムが見え」って…あの、その「なにもない田舎」のところにうちの実家はあるんですけど…ムカ、と思ったりもしました。その通りなんですけどね!何もないんですけどね!でもなんか、なんか〜…。

って、なんか全然ほめてない感想ですけど、あとがきで作者さんが書いていらっしゃったように「自分が思い出を忘れないために書きました」という点では大成功だと思うし、すごく上手だと思うし、書けるものなら自分も書いておけばよかったなぁと思いました。
…人様に読ませる気は毛頭ありませんがっ!!!(恥ずかしくて無理。)

ちなみに、一番好きなシーンは、ギバちゃんが階段を登ってきて主人公を踏みつけながら通り過ぎるところと、鼻をピスピス鳴らすところです。
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君たちに明日はない [垣根涼介]
4104750018君たちに明日はない
垣根 涼介
新潮社 2005-04-01

リストラを専門に請け負う会社に勤めている真介の仕事は、クビ切りの面接官。昨日はメーカー、今日は銀行。そんな彼と、彼を取り巻く様々な人々の人生模様を描いた連作短編集。

表紙がかっこよくて好きなので読みました…が、どちらかというと…わりと苦手な感じでした。ごめんなさい。何が苦手ってこういう「ラブシーン」(←?)、ダメなんですよ…。っていうか、この主人公、三十三歳なのに「口吸いたい」って…普通言いますか??この表現。

リストラという自分の仕事に悩む真介と、リストラされる側の人々の苦悩と。この作品が伝えたかったのはどのあたり…?と思いながら、なんかの紹介文を読んだら「恋愛小説」だと。そ、そうだったんだ!恋愛シーンにひいちゃった時点で私にはアウトでしたか…。

でもいつまでも他人事と思ってはいられませんね。この苦しさをいつか自分も味わう日がくるのかも…。この物語に出てくる「リストラ対象者」たち、それぞれの仕事に対する姿勢、やってきたことというのはみな立派なのです。それでも避けられない現実…うーむ。私も彼らみたいにがんばらなくっちゃ!
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海馬が耳から駆けてゆく(1) [菅野彰]
4403540317海馬が耳から駆けてゆく(1)
菅野 彰
新書館 2000-09

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ボーナス・トラック [越谷オサム]
4104723010ボーナス・トラック
越谷 オサム
新潮社 2004-12-21

ある日、偶然「ひき逃げ」の現場に居合わせてしまった草野。被害者の青年、横井亮太は命を落としてしまいます。ところが!どういうわけか、死んだはずの自分の肉体から離れてしまった亮太。幽霊になってしまった(?)彼の姿が見えるのはどうやら草野ただ一人。最初は信じようとしない草野ですが…。

一気に読みました。おもしろかった!のです。最初のうちこそ、おもしろく書こうとしてちょっとやりすぎなんじゃぁ…と思ったりもしたのですが、そんなことはだんだん気にもならなくなりました。この軽快な感じ。そして元「名前を聞けば誰でもわかる業界大手のハンバーガーチェーンを展開する企業」アルバイトだった自分としては、そういう意味でもとてもおもしろく読みました。(なつかしい…。)

こんなにうまいこといくわけない!かもしれませんが、お話なんだからよいのです。むしろ、こうでなくっちゃいけません。おもしろおかしくて、でもちょっと切なくて、まさに涙あり、笑いあり。みんな、なんていい人たちなんだ!私も仲間に入りたいくらいでした。
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恋愛函数 [北川歩実]
4334924514恋愛函数
北川 歩実
光文社 2005-02-23

GP値という特殊な相性診断を売りにしている結婚相談所「グロリフ」。その会員が次々にトラブルに巻き込まれるという事件が発生します。行方不明、ストーカー被害、殺人…その加害者と被害者はどれも「GP値」で相性は最高とされた組み合わせのカップル。最高相性は人を狂わせるのか。理論的相性値に隠された謎とは?小説の取材のため「グロリフ」に接触していた小説家、貴井は徐々に事件に巻き込まれて…。

「ミステリー」の設定としては、とてもおもしろいと思いました。「GP値」という理論展開から人間の深層心理を数学的に解明しようとするアプローチ。新しいなぁ。それが「ミステリー」にちゃんとなっているところがおもしろいなぁと。

ただ、お話全体がややこしいというか、まとまりに欠けるというか。誰が嘘をついているのか、誰が本当のことを言っているのか。あれ?どれが本当のことだっけ??読んでいて非常に頭がこんがらがり、登場人物と同じくらい疑心暗鬼になりました。とにかく登場人物が多い!そして全体が長い!(本が分厚い!)ので、読んでいるうちに疲れてしまうのです。なんか最後のほうではもうどうでもよくなってしまって(苦笑)、読み終えても「あれ?結局真相はどうだったんだっけ…」という始末。

こういう結末なら、今までのあれやらこれやらは何だったんだ!と思ってしまいました。だって読むの大変だったんですもの(笑)。
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柔らかな頬 [桐野夏生]
4062079194柔らかな頬
桐野 夏生
講談社 1999-04

妻子あるデザイナーの男と不倫関係になるカスミ。カスミにも二人の子どもを含む家族がいますが、不倫の果てに彼女は家族を捨てることも考えはじめます。そんなカスミたち一家は男の家族と一緒に北海道の別荘に呼ばれます。ただ、二人で会いたかった、その理由だけで…。家族の目を逃れて逢瀬を続ける二人。そんななか、カスミの長女、有香が行方不明になり…。

なんというのでしょうか。ストーリー的にはおもしろいのかなと思いましたが、どうも主人公の気持ちに共感できませんでした。なんでカスミがそんなに故郷を捨てたかったのかも、どうしてこの男についていこうと思ったのかも、子どもが行方不明になったときの心境も、全然わからなかったのです。必死さが伝わってこないというか、わからないというか。そういう一番根本的な部分がまったくわからなかったため、「引き込まれる」という感じではありませんでした。もっともそれは私という人間の受け皿の問題だと思いますが。(「わかる!」という人もきっとたくさんいるのだと思います。)

というか、あの、結末が結局わからないのですけれど…。こういうあいまいなラストがよいのでしょうか。私はダメです。ここまで読んでこれはないでしょう!と思ってしまいます。そしてこれ「直木賞受賞作」だったんですね。桐野さんの作品ならもっといいのがたくさんあると思うのですが。なぜよりによってこれなのか…。うーむ。(まぁ私の感性にあわなかっただけだということですけれどね!)
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青の炎 [貴志祐介]
4041979064青の炎
貴志 祐介
角川書店 2002-10

苦しい、非常に苦しい小説でした。

17歳の高校生の男の子が、家族を守ろうとするために計画する完全犯罪。映画化されて有名になったので、あらすじは知っていたのですが、最後にどうなるのかは知りませんでした。こうなるとは…。こうなるしかなかったのかもしれませんが。苦しい。読んでいても先を読みたいような、読むのが怖いような、そんな葛藤の中で読み進める感じでした。

もっと、大人だったら。こうじゃない現実を選ぶことができたら。

そう思わずにはいられない、切ないお話でした。
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